ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

人工知能に興味あるならゲームするしかないぜ! 三宅陽一郎・山本貴光/高校生のためのゲームで考える人工知能

高校生のための、と題されているように、
平易な言葉でゲームにおける人工知能の役割を教えてくれる。
どうすれば、ゲームが成立するか、どのような仕組みで作られているのかの
基本を教えてくれるので、それまで単に遊ぶだけだったゲームをもう少し構造化してみるきっかになるだろう。

そして高校生のための、という点でとても有意義なのは、数学はゲーム作るのにめっちゃ重要だよ、と言っていること。
社会に出たら役に立たない?そんな事全然ない、ゲーム作るなら数学必須だよ、と教えてくれる事って
とても大切な事だと思うんだよね。

そもそも三宅氏を知ったのは過去のこのインタビュー記事を見たのがきっかけ。

news.denfaminicogamer.jp

これがもう読み応えたっぷりすぎる素晴らしい記事で、
ゲームにおける人工知能の役割、そしていわゆる洋ゲーがそれによって進化し、
日本が後塵を拝した事、などが語られている。

AIの活用によってゲームの作り方も随分変化したのだなぁ、と思うし
ゲームほど人工知能を実践的に開発、活用してきたジャンルはないのではないか。

本書では、敵を動かす、敵が攻撃する、と言った基本的な動作を
どのように考えプログラミングしていくかという基本から始まり、
ゲームの状況を判断する人工知能に敵キャラが問い合わせをかけて、
行動を選択する形式など、プログラムの構造を示してくれる。

この本と、先のインタビューを併せ読むと、
ゲーム業界すげーってなること確実。
そして、人工知能がバリバリ活用されたゲームを自ら体験してみたくなる。

そう、人工知能に興味あるならゲームするしかないぜ!


怒りとか悩みとかは無駄な時間。 田村耕太郎/頭に来てもアホとは戦うな!

扇情的なタイトルは安っぽく映るけど、書いてあることは真理だなぁ、と思う。
色々な人と働いていく中での気の持ちようでパフォーマンスは変わる。

怒りとか悩みとかは無駄な時間。
そんなことにエネルギーを割いてる場合じゃない。
大事の前に小事にこだわらない。

馬鹿と鋏は使いようだからな。

なんとも薄っぺらい感想ですが、
部下に読ませたいな。

ちなみに、こう言う心構え的なことを
ちゃんと書いてある本て少ない気がする。
だから、世の中ボンクラばかりなのかしら?

宣伝会議の「インスタグラムマーケティング基礎講座」を書籍化、時代の空気感を掴むこととビジネスっぽい話が両方入っている本 天野彬/シェアしたがる心理

宣伝会議の「インスタグラムマーケティング基礎講座」を書籍化したもの。
インスタに限らず、流行のアプリ情報なども織り交ぜつつ、
ビジュアルコミュニケーションを中心にしたSNSトレンドを分析している。

社会学的に整理しようとする側面があり、思っていたよりも真面目な口座。
その行動の裏にどういった価値観が共有されているのか、といった視点で現象を読み解いている。
その話の中で最新の事例や海外のデータなどを引用しており、
時代の空気感を掴むこととビジネスっぽい話が両方入っている本だという印象だった。

Pay Your Selfie

自分のセルフィーをマーケティングデータとして活用してもらう為に販売するサービス。
ブランドから指示された写真を撮ると1ドル貰える、といった仕組みらしい。

では、このアプリによって実際にどんなインサイトが収集できるのか。例えば歯ブラシメーカーがこのPay Your Selfieを活用してユーザーに歯を磨いているシーンのセルフィーを募ったところ、実はユーザーの多くは(利き手ではないと思われる)左手で磨いていることが分かったという。
P.26

へー、なるほどそういう活用の仕方するのね、と思った反面、
歯磨いてるところ写真に撮れって言われたから、利き手でスマホいじってたんじゃないの?
という突っ込みもしたくなるよね、これ。

終わりなき日常

90年代を回想しながら当時のスナップ文化に触れた一節。
たしかに、この感覚があったんだろうし、
それは2000年代にも引き続き存在していた気がするんだよな。

日常の中の見過ごされがちな楽しさや美しさをすくいとること、何気なく続いていってしまう日常の中で素敵だと信じられるものを自分から見つけ出していくこと、日々出会うさまざまなものに意味を見出すこと、そしてそれをきっかけとした自分の気持ちを写真に託すということ。
P.60 - P.61

我シェアする、ゆえに我あり

何を買ったのか、何を持っているのかということよりもはるかに、自分はどんな体験をしたのかということの方が、自分がどんな人間であるかを説明するようになっている。
P.86

記事の文字数

短文化してるとばかり思っていたけど、長文記事にもニーズはあるという話。
中途半端なものが駄目なのね。

アメリカのデジタルニュースメディア「Quartz」が提唱した「Quartzカーブ」という現象だ。Quartzが自社のトラフィックデータを分析した結果、ネット上で読まれるのは短文の記事が多い反面、長文の記事もよく閲読/シェアされる傾向があるということが分かった。
P.158

カゴ落ちメールだけやってりゃいいってもんじゃない。 小川共和/マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方

タイトル通り実務バリバリの実用書である。
マーケティングオートメーション(以下MA)ツールを導入したはいいけれど、
やってることはカゴ落ちメールとn日後にリピート促す(nは7,14,30,45とか)やつとかしか
結局やってなくない?って会社がほとんどな気がする。

MAツール入れてみたのはいいけれど・・・

結局、代表的なシナリオを回して、やってなかった時よりは○%CVRが向上!とか売上が向上、とかで喜んでいる。
それまでのCRM施策、メールマーケがショボければショボいほど、MA導入のインパクトはでかい。
でもそれはMAツールの成果というよりは、ダメなものが一般レベルまで上がったっていう
マイナスが0になった話に近い。
結局自動メール送信システム程度の使い方しかできずに終わってる。

それはしっかりと自分たちの顧客を想定したカスタマージャーニーを描けていないから。
本来MAツールは one to one を実現するためのツール。
これまではセグメントを細かく切っても、セグメントの数に施策が追いつかなかった。
でもMAツールを使えば細かく切ったセグメントに対しても、シナリオを設定して施策を打ち分けることができる。
でも、当然そこにはメールの種類分のコンテンツは不可欠。
結局システムメールみたいなのを自動化してもお客様は見ないんだよね。

だから、じっくり腰を据えて自社の顧客のペルソナを描き、カスタマージャーニーを描いた上で取り組みましょう、という話。


世界は自分と顧客だけ、なわけがない!

カスタマージャーニーを描く練習を何度かやってみると、かなり高い確率で競合の存在を忘れているカスタマージャーニーに出会います。自社と顧客との関係だけで描いてしまうのです。一見正しそうに見えますが、実は全くの絵に描いた餅となるのです。顧客側から見ると、「自社は多くの選択肢の中のひとつに過ぎない」という当たり前のことを忘れてしまうのです。あたかも顧客は自分の方だけを見てくれていると考えてしまうのです。マーケティングをやっているのは自社だけではありません、ライバルたちも必死でマーケティングやっているのです。基本的に客の奪い合いなのです。
P.51

ここに書かれていることはまさにって感じ。
顧客は常に複数の競合からのアプローチにさらされている。
情報を浴び続けていて、無意識のうちに棄てている。
そんな顧客の目に止まるためには、インパクトのある、コンテンツが必要。

コンテンツは常にオリジナルであることを志さないと見てもらえない。

消費者は不安

消費者は専門家ではありませんから自分の知識・判断に自信がありません。また、主義・主張、趣味・嗜好に対しても確固たる態度を保持できている大人は少数派でしょう。自分の商品選択に自信がなく不安がつきまとっているのが普通です。
P.104

上記の通り消費者は買ってからも不安なのだ。
というか、簡単に揺らぐ。
だからこそ、買った後にあなたはいい買い物をしたんですよ、って承認してあげる必要がある。

購入前は夢と期待を膨らませるコンテンツが多くなりますが、購入後はちゃんと使えるようになる、あるいは使い倒すための現実的な課題解決のコンテンツが多くなります。
P.127

そしてこの購入後のアプローチの如何がのちのリピート率に大きく影響するポイント。
ECなんかはもっと購入後のコミュニケーションを色々試して見た方がいい気がする。
ZOZOTOWNはTシャツ買った人にお手入れ方法を送ったりとかしているみたいで、
そういうの、本当に素敵なコンテンツの使い方だと思う。


タイトル安っぽいけど、入門書としてはよくまとまってると思うのよね。 三木雄信/孫社長にたたきこまれたすごい数値化仕事術

人の褌で相撲を取るような典型的なコバンザメ商法のタイトルで、
釣られる人のレベルもしれてるって感じの印象だけど、
入門書としてはとてもよくまとまってるなぁ、という印象。

数字苦手そうな部下とかにとりあえずこれよんどけ、と渡すには便利な気がする。

孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術

孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術

どうだったかではなくどうするか

数字は未来を考えるために使えっていう話。
過去の実績を集計して報告されても、あ、そうだから何?っていう話で、
重要なのは、これからどうしていくのか。

課題はどこにあり、どう動いていくつもりなのか、それを数字で示すために集計しているってのが
わかっていないと、ただの集計マシンで終わってしまう。
そんなのは誰でもいい作業。

LTV計算

LTVの計算の説明のところ、平均残存期間、ってのがなんかピンときた。
これは施策次第で引き伸ばせるものだと思うのだけど、
獲得経路によって違うのでは?とか色々な仮説は立てられそう。
改めて顧客の分析をしてみようと思い至った次第。

テキストマイニング

KHコーダーってのが無料らしい。
これは知らんかった。

KH Coder

ちょっと使ってみようかな。
そして、こんな気づきもあるからバカにせずなんでも読んでみるもんだなぁ、と思った。

孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術

孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術

就学前〜大人になるまで、子供とどう言ったおカネの話をすれば良いかをまとめた本。 ベス・コブリナー/おカネの天才の育て方

お金のことをちゃんと考えるってのが今年のテーマで色々読んでいるのだけど、
本書は子供とお金がテーマ。

子供とお金の話ししてますか??

まぁしてるような、してないような、ってのが正直なところで、
話していたとしても、明確に方針を決めて話してる人というのは少ない気がする。

本書はアメリカを前提にしたお話だから日本と事情が違うところも多々あるとは思うけれど、
それでもすぐに参考になる学びがたくさんあった。

家のお手伝いは家族の一員として当たり前のこと

お手伝いで報酬を得る、というモデルよりは、
家のお手伝いは家族として当然、って方がいいよって話。
子供と一緒にチームを組んで、家族のためにできることは?っていうスタンスでやってくのがおすすめ、と。
家事を手伝う子供の方が、大人になって成功しやすいそうな。
それは仕事を通じた達成感とかチームに貢献する喜びを知るから、らしい。

広告の狙いをちゃんと話す

子供は想像以上に広告の影響を受ける。
TVも番組とCMの区別が小さい頃はついておらず、ひたすら洗脳され放題。
もちろんメーカーはそれをわかり抜いた上でやっている。
このことは子供ともちゃんと話した方がいい。

例えば、パッケージデザインにもこんな仕掛けが。

ここからが気持ちの悪いところだが、コーンフレークの箱に描かれた小人や海賊やウサギの目線は小さな子供の目線に合うように、わざと10度ほど下に傾いている。
P.172

そう、敵はあらゆる手段を講じて子供を攻略しようとしてくる。
だからこそ子供とちゃんと話そう。

子供とテレビを見ているときに炭酸飲料の広告が流れたら、こう言ってもいい。「あの会社は子供に炭酸を売りつけておカネを儲けているの。炭酸が人を幸せにするってふりをしているだけ。広告がどんな風に人を騙すかを見つけるのって、面白くて楽しいね。」
P.176

欲しいと必要は違う

就学前の子供にはその区別がつかない。
だからまずはそこから教えないといけない。
スーパーでも子供とこれは欲しいもの?必要なもの?と尋ね合ってみるといいらしい。

ちなみにどんなに駄々をこねても、子供は店を出るとケロッと忘れてる。
ましてやそのとき買ってもらえなかったことを引きづるなんてことはまずないらしい。

むしろ、ダメと言ったものは絶対にダメ、を貫くのが非常に重要なんだと。
ダメって言ってたのに、駄々をこねたら買ってくれた。
こういうことがあると、その瞬間、親がスロットマシーンになるんだって。(P.179)
要するに、何度か試せば当たりが出てくるってこと。
これは気をつけねばなるまいよ。

インフレに勝てるのは投資だけ

我が国はデフレに苦しんでいますが、、、、
長期的なインフレに勝てるのは投資だけというお話。
タンス預金では価値が目減りしていくばかり。

そして複利と時間がお金を生み出す。

クレジットカードがリボ前提?

お国柄なのだろうけど、クレジットカードがリボ払いを前提に描かれている。
リボはダメよ、あんな高い金利払っちゃダメ、と繰り返し語られている。
まぁ、そうだよね。基本、1回払いで!


自前主義は終わり、APIの組み合わせで新たなサービスを創造する 佐々木隆仁/APIエコノミー 勝ち組企業が取り組むAPIファースト

APIを真正面から捉えてその市場の可能性を語る本。
結構珍しいと思うんだよね。

これからたくさん出てくる気がするんだけど、
ここにものすごい市場がありますよ、
可能性の塊ですよ、ということを伝えたいんだろうな。



元々、プリズマティクスの濱野さんのお話を聞く機会があって、
もう2年くらい前からこれからはAPIの時代と言っていたのが頭の中に残っていて、
本書を見かけた時、その記憶が鮮やかに蘇ったのでした。

APIというのがApplication Programming Interfaceのこと。
例えば、お店の地図がGoogle Map上に示されていたりするやつ、
あれもAPIを活用した結果だったりする。

要は既存のシステム、サービスを外部で活用できるように一定のルールで公開したものがAPIで、
APIの組み合わせで新たなサービスすら産むことが可能になる。

つまり、全てを自前で作る必要はないということ。

そしてこれからはますます、APIの活用が進んでいくだろうし、
そのためのAPIの取引所の整備が必要だって話には納得。

ただ、APIの仕様や、サービス自体の持続可能性は完全に他者依存だから、
怖いっちゃ怖いよね。

API提供していた会社の方針一つで、APIをベースにしたサービスは崩壊するわけだから。
そこの担保までは難しいのだろうけど、結局API利用に対して課金していくことが
もっと活発になれば、API提供自体が事業になってくるので、取引所のようなインフラ整備が
提供されるAPIの安定にも繋がっていくのだと思う。

オークションの相場比較サイトのオークファンは、
Yahoo! AuctionのAPIを活用した落札情報の収集と蓄積で、
もはやYahoo自体も持っていない昔のオークション情報までを蓄積している。
そしてこの相場価格を参照できる機能を APIとして公開しているという仕組み。
まさにAPIを活用したAPIサービス。

自社サービスのAPIの公開もしやすい環境ができてきているようで、
Amazon API GatewayAWS上で簡単にAPI公開できるようなサービスらしい。

色々なサービスのAPI公開が進むと、それだけ新たなサービスのチャンスが広がる。
これは、相当面白い流れかも?

ちなみに同じ日経BPからAPI革命という本も出ている模様。

API革命

API革命

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