なんだか一気に著作が増えている感がある落合陽一だけど、
本質は変わらない中で、深さやとっつきやすさを調整している感じ。
デジタルネイチャーはわかりやすさよりも書きたいように書いている感じの本。
News Picks Booksのとかは、読者のレベルに合わせてますって感じがするから。
デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂
- 作者: 落合陽一
- 出版社/メーカー: PLANETS/第二次惑星開発委員会
- 発売日: 2018/06/15
- メディア: 単行本
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エジソンに注目
エジソンの発明に対するこの視点はすごく面白い。
シネマトグラフ的なものからキネトスコープ的なものへの転換が起きそう。
コンテンツの消費自体もどんどんパーソナルなものになってきている気がする。
エジソンの映像装置は当時の社会には受け入れられなかった。なぜならキネトスコープは、個人が覗き込むと映像が見える双眼鏡の装置ー今でいうVRデバイスに近いメディアだったからだ。
P.42 - P.43
労働の二極化
単なる事実として、二極化はもう始まっている気がする。
ベーシックインカム的な収入が一定水準を超えるとそういう割り切りも、
満足感の高いものになるんだろうな。
人々の労働は、機械の指示のもと働くベーシックインカム的な労働(AI+BI型・地方的)と、機会を利用して新しいイノベーションを起こそうとするベンチャーキャピタル的な労働(AI+VC型・都市的)に二極化し、労働者たちはそれぞれの地域で全く違った風土の社会を形成するはずだ。この予測は、いわば近代の撤退戦を強いられている日本には顕著であるはずだ。
P.58
ストレスマネジメント
これも真理なんだけど、世の中の大多数が労働を苦役と捉えている気がする。
楽しいことやったほうがいいのにね。
だから鬱とかで潰れる人はなんかご愁傷様って感じではあるけど、
嫌ならやめてもっとやりたいことやんなよって思っちゃう。
ワークライフバランスが声高に叫ばれる近年においても、うつ病などで精神を病む人が後を絶たないのは、社会が未だにタイムマネジメントに支配され、ストレスマネジメントの発想が定着していないからだ。この問題は、残業を禁止し仮に22時に帰宅させたところで解決しない。
P.65
リアルとバーチャル
なんか、これすごく重要な気がした。
リアルとバーチャルの違いってなんだ??
バーチャルが虚像とだけ捉えていると見誤る。
コンピュータを基軸にして「物質的(Material)/実質的(Virtual)」という対義語に定義し直すべきだと僕は考えている。「物質」も「実質」もどちらも同じ現実であり、物事の本質を指している。解像度が同一ならば両者の違いは、コンピュータによる体感の実像の有無に過ぎないということだ。
P.167
デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂
- 作者: 落合陽一
- 出版社/メーカー: PLANETS/第二次惑星開発委員会
- 発売日: 2018/06/15
- メディア: 単行本
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