ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

バーチャルは虚像ではない、ってのはなんか重要な概念な気がしたよ。 落合陽一/デジタルネイチャー

なんだか一気に著作が増えている感がある落合陽一だけど、
本質は変わらない中で、深さやとっつきやすさを調整している感じ。

デジタルネイチャーはわかりやすさよりも書きたいように書いている感じの本。
News Picks Booksのとかは、読者のレベルに合わせてますって感じがするから。


エジソンに注目

エジソンの発明に対するこの視点はすごく面白い。
シネマトグラフ的なものからキネトスコープ的なものへの転換が起きそう。
コンテンツの消費自体もどんどんパーソナルなものになってきている気がする。

エジソンの映像装置は当時の社会には受け入れられなかった。なぜならキネトスコープは、個人が覗き込むと映像が見える双眼鏡の装置ー今でいうVRバイスに近いメディアだったからだ。
P.42 - P.43

労働の二極化

単なる事実として、二極化はもう始まっている気がする。
ベーシックインカム的な収入が一定水準を超えるとそういう割り切りも、
満足感の高いものになるんだろうな。

人々の労働は、機械の指示のもと働くベーシックインカム的な労働(AI+BI型・地方的)と、機会を利用して新しいイノベーションを起こそうとするベンチャーキャピタル的な労働(AI+VC型・都市的)に二極化し、労働者たちはそれぞれの地域で全く違った風土の社会を形成するはずだ。この予測は、いわば近代の撤退戦を強いられている日本には顕著であるはずだ。
P.58

ストレスマネジメント

これも真理なんだけど、世の中の大多数が労働を苦役と捉えている気がする。
楽しいことやったほうがいいのにね。
だから鬱とかで潰れる人はなんかご愁傷様って感じではあるけど、
嫌ならやめてもっとやりたいことやんなよって思っちゃう。

ワークライフバランスが声高に叫ばれる近年においても、うつ病などで精神を病む人が後を絶たないのは、社会が未だにタイムマネジメントに支配され、ストレスマネジメントの発想が定着していないからだ。この問題は、残業を禁止し仮に22時に帰宅させたところで解決しない。
P.65

リアルとバーチャル

なんか、これすごく重要な気がした。
リアルとバーチャルの違いってなんだ??
バーチャルが虚像とだけ捉えていると見誤る。

コンピュータを基軸にして「物質的(Material)/実質的(Virtual)」という対義語に定義し直すべきだと僕は考えている。「物質」も「実質」もどちらも同じ現実であり、物事の本質を指している。解像度が同一ならば両者の違いは、コンピュータによる体感の実像の有無に過ぎないということだ。
P.167

戦略、マーケティング、オペレーション、全部詰まってる名著なのよ。 平尾勇司/Hot Pepper ミラクル・ストーリー

Hot Pepperという事業がいかに立ち上がり、
どのようにしてスケールしていったのか、というサクセスストーリーなのだけど、
事業をどうマネジメントしていくのかということに関して、
かなり色々書いてくれている名著。

新しくはないけど、もっと読まれるべき本の1つだと思うのよね。
本当に実用的だと思う。

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

売ってから考えるのでは遅すぎる

1/9サイズの3回連続に決めて顧客への案内を徹底したという話。
広告のメニューを規格化してイレギュラーを排除した。
それが一番売りやすくて、生産効率が高いから。

売ってから考えるのでは遅すぎる。生産効率を考えて売り方を設計しなければならない。商品の選択と集中のみならず、商品企画の選択と集中を行ったわけである。
P.51

創造性と型

「一番大切なのは、間違った型をつくらないことだ。正しい型をつくることがマネジメントだと思う。そして、全員でいっせいに訓練して型を習得すれば、それが組織力になる。」
上田は反論した。
「それって、人間の自由な創造性を阻害してませんか?」
「違う、基礎ができれば応用ができる。人間の創造性を最大のレベルに引き上げるために基礎の型を訓練するんだ。つまらない失敗や壁にいつまでもぶつかって前に進めないことこそ、時間の無駄だよ。それこそ創造性発揮の機会を失っていることになる。
P.95

本当にこれなんだよなぁ。
踏んじゃいけない地雷は避けられる。
絶対やれば成功することはないけど、絶対やっちゃまずいことはある。
そこを全部体験しながら学ぶ必要はなくて、型として教え込んでしまった方が早い。
それをいかに徹底して擦り込んでいけるかがオペレーションの優劣につながる。

誰がバカなのかわかる組織

フラットな組織のいいところをここまで明確に説明されてるの初めて読んだ。

「会社は現場が見えていない」とメンバーが発言した瞬間に会社とは直属上司の版元長かその1階層上の、たった一人の事業部長になる。現場がわかってない会社のバカは版元長か事業部長ということになる。つまりフラットな組織とは、誰がバカなのかが誰の目にも瞬時に明らかになる組織である。これをツーステップ組織と呼ぶ。
P.118

そして意思決定の文献かは絶対にダメだという。
確かにどんどん上手く回らなくなるし、ボトルネックが見えづらくなるんだよね。
改革も進まない。

どんなに大きな組織になってもこの「誰がバカかわかる」意思決定構造を決して崩してはならない。この一気通貫の組織構造単位を守りながら事業を細分化することはあっても、ただ単に組織構造を多層化し、専門化してならない。意思決定の分権化は絶対にしてはならい。
P.119

マネジメントの仕事

マネジメントの仕事は、メンバーが最小の努力で最大の成果を上げられる仕組みを作ること。
でもこれ、本当に理解してないやつ多い。

「土日に出社しないとできないのは、メンバーの問題ではない、お前の見通しの甘さと戦略の誤りが問題なのだ。お前のマネジメント能力の問題をメンバーに転嫁するな。今後一切の超過勤務を禁止する。」
P.125

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

分かりやすい話は気をつけろ。世界はそこまで怖く、暴力的で、残酷ではない! ハンス・ロスリング/FACTFULNESS ファクトフルネス

常識のレベルで四度いた方が良いよって本がある。
読んで何も損しないし、話題にもなってるし、
それなりのアンテナ張ってたら読むでしょ?普通ってレベルの本。

で、今年のそういう本のうちの1冊がこの『FACTFULNESS』なんじゃないかな。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

世界はそれほど悪くない

本書が一貫して伝えていることは、
世界は少しずつよくなってきているということ。
でもそのことは正しく認識されていなくて、
世界は悲惨で過酷なものだという認識に支配されている。
全て、バイアスと正しい知識の欠如によるもので、
著者のハンス・ロリングはその誤解を解く活動をずっとしていた。

本書に収録されているいくつかのクイズがある。
それを、ほとんどの人が正解できない。
ランダムに選ぶよりも正答率が低い。
チンパンジーよりも正答率が低いのだ。
それくらい、世界は悲惨だという思い込みは強い。

実際これを読むまで、自分ももっといわゆる後進国は悲惨だと思い込んでいた。
もちろん支援が必要な人たちはいる。でも、確実にその数は減っているし、世界は良くなってきている。
これは人がいかにバイアスト先入観に縛られているかを暴く本でもある。

それぞれの3択問題には不正解の選択肢が2つあるが、チンパンジーはどちらも同じ確率で選ぶ。かたや人間はというと、不正解の2つのうち、よりドラマチックな方を選ぶ傾向が見られた。ほとんどの人が、世界は実際よりも怖く、暴力的で、残酷だと考えているようだ。
P.17

これも象徴的、ただ、間違えるのではなくて、より悲惨な回答を選ぶ。
完全に思い込んでるんだよ。悲惨で残酷なものばかり報道されるから。


分断本能

人はドラマチックな本能のせいで、何事も2つのグループに分けて考えたがるからだろう。いわゆる「二項対立」を求めるのだ。良いか悪いか、正義か悪か、自国か他国か。世界を2つに分けるのは、シンプルだし直感的かもしれない。しかも双方が対立していればなおドラマチックだ。わたしたちはいつも気づかないうちに、世界を2つに分けている。
P.51

2項対立ほど分かりやすいものはない。勧善懲悪。
正しいことと間違っていること。
でも現実はそんな単純じゃない。
白でも黒でもなくて、灰色の濃淡ってのが現実なんだよね。
白にも黒にも言い分はあって、正しい事と正しい事の対立も多い。
それぞれの正義ってやつだね。


世界の貧困

20年前は世界の人口の29%が貧困層だった。
でも今は9%まで改善している。
大幅に改善しているのに、そのことを誰も知らない。

教育とか学びとか

「そうしたものが世界の一部だから」学ぶ。
このフレーズが気に入った。
歴史も、人の感情も、思考も、科学も、何もかも、
そうしたものが世界の一部だから学ぶのだ!

スウェーデンに火山はない。だが、公的な資金で火山を研究している地質学者はいる。学校でも普通に火山について教えている。ここ北半球にいる天文学者も、南半球でしか見られない星について学ぶし、学校でも南半球の星について教えている。なぜだろう?そうしたものが世界の一部だからだ。
P.315

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

情報が網羅的に整理されていて便利だけど面白くはないんだよね。 ユルゲン・メフェルト/デジタルの未来

世界中の企業が直面しているデジタルの変革。
デジタル・トランスフォーメーションをどのように成し遂げ、
デジタルとどう向かい合っていく必要があるのか。

デジタル化するかしないかはもはや選択肢ではなくて、
デジタル企業へ生まれ変われなかった企業は無くなるだけなんだよ、と。

世界中の一流巨大企業をクライアントに持つマッキンゼー様が、
グローバルでの変革事例と、学びを開陳してあげるから、
よく見て学びたまえよ、という本。

コンサル会社が開陳する情報やデータなんてすでに彼らにとって
なんの価値もなくなった情報に過ぎず、
平たく言えばやや古い話を綺麗にまとめた本とも言える。

だもんだから、正直そんなに面白くないんですよ。
網羅的で整理されていて正しいことがまとめられているんだけど、
別に面白くはない、ってコンサルそのものみたいな本だな。

なんというかこうさっぱりしていて、
頭にも入ってこないのよねぇ。

なんていつもマッキンゼーの本とは相性が悪いのだけど、
それでも情報は網羅されてるから気づけることは多いのかもしれない。

デジタルの未来 事業の存続をかけた変革戦略

デジタルの未来 事業の存続をかけた変革戦略

データ分析から規格統一で膨大なコスト削減へ

シェールガスの採掘費用にはかなりばらつきがあったのだけど、
データを収集、分析してボーリングの筒のデザインなど、様々な要素を整理していったら、
掘削の穴1つあたり70万ドルのコストダウンができたらしい。
採掘の穴は1300あるからこれだけでほぼ10億ドル。

単位がデカい。。

eSIMとモバイル事業

スマートフォンをめぐるハードウェアメーカー VS 通信事業者の主導権争い予想。
今盤石な大手キャリアもいつ、ゲームのルールをひっくり返されて転落するかわからない。

まだまだそういった大変革が起こり続けていくんだろうな、と思うと楽しみではあるけれど、大変な時代だよね。

将来的には彼らは自社のスマートフォンにeSIMを搭載して接続事業者をあらかじめ決め、顧客はクリック1つで事業者を変更できるようになる。それはハードウェアのメーカーが回線容量とインフラストラクチャを市場で買い、通信事業者は退場させられる、という構図を示唆している。
P.166

デジタルの未来 事業の存続をかけた変革戦略

デジタルの未来 事業の存続をかけた変革戦略

業界のダメなところ、おかしいところを正しくやるだけで成功するよというお話。 平山真也/成功に奇策はいらない アパレルビジネス最前線で僕が学んだこと

斜陽産業と言われるアパレル業界で、
躍進を続ける Dickies(ディッキーズ)を率いる著者の仕事論。

成長しないのが当たり前という諦めムードが業界全体に漂う中、
アパレルでも成長はできるんだ、ということを語っている。
むしろほとんどのアパレル企業はやるべきことをやらずに
嘆いているだけだ、と。

成功に奇策はいらない――アパレルビジネス最前線で僕が学んだこと

成功に奇策はいらない――アパレルビジネス最前線で僕が学んだこと

実際に、行っていることは本当にシンプル。
どんなブランドでありたいのかを考える。
ブランドの価値を毀損するようなセールはしない。
販売員の地位を向上する。

と言った、言葉にするといたって普通のこと。

特に販売員の待遇は日本のアパレル業界は最悪。
キャリアが10年あっても給料が25万円程度で安く使われ、
厳しい売り上げノルマを課せられて、
達成しないと自ら補填させられる企業もあるという。

それでいてどうせセールで叩き売られる商品が並んでいて、
上代なんてあってないようなもの、なんてことになったら
まぁ、消費者もうんざりするわな。

ちなみに本書でも出てくる
ヤン・カールソン『真実の瞬間』はマジで名著。

digima.hatenablog.jp


しかしまぁ、こういう企業は素晴らしいけど、
こんな話を読んでもやっぱり業界全体が終わってる感は拭えない。
大手のアパレルももっと改革を前面に押し出せればいいのだけど、
WORLDも業績の改善のイメージだけで、
業界のいけてないところを改革したイメージとは程遠い。
意外とオンワード樫山はオフィスとかいけてる雰囲気醸し出してるけど
全体的に待遇がイケてるイメージはまだまだ。

もう少し時間かかるのかな。

成功に奇策はいらない――アパレルビジネス最前線で僕が学んだこと

成功に奇策はいらない――アパレルビジネス最前線で僕が学んだこと

売る前提で買うという消費行動を喚起した日本発のユニコーン企業のルポ 奥平和行/メルカリ

日本のスタートアップ史上稀に見るユニコーン企業となったメルカリのルポ。
試行錯誤と紆余曲折が語られているけれど、本当はもっとジェットコースターみたいだったんだろうな。

メルカリという名称はラテン語で市場を意味するってのも本書を読んで初めて知ったんだけど、
こういうトリビアは好物だったりする。

それと、本書を読んで本当にグローバルで勝負しようとしているんだという決意を改めて強く感じた。
頑張ってほしい!


メルカリ  希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

世界一周

創業者の山田さん、ウノウが買収されてその後退職してから、世界一周旅行に行っている。
本書によると、世界一周旅行に強い代理店があるらしい。

あー、自分も行ってみたいなぁ、と素朴に思ってしまった。

そしてググってみたら、、、、結構ある。
そして見てたら行きたくなってしまった。

世界一周堂
https://www.sekai1.co.jp/

メルカリ山田進太郎コースとかあったら面白いね。

そういえば本書でも触れられているけれど、
山田さんはずっとブログを書いていたそうな。
調べてみたら今でも書いてる。

suadd.com

Twitterはこちら。

twitter.com


メルカリが変えたもの

「再販を前提にきれいに使ったり、購入時のタグを捨てずにとっておいたりといった行動が広がってきた。『どう利用するか』『どう廃棄するか』が重要になり、常識が変わるかもしれない」
P.8

とにかく手軽にものが売れる。不要なものが現金化できる。
売る前提で買う、という消費行動が増えてきているということ。

自分もなんか売ってみようかな。

高田馬場 コットンクラブ

共同創業者の富島さんを山田さんが口説いた店として本書に登場!
なんどもいったことのある店が突然舞台になっていると面食らうね。

カフェ コットンクラブ 高田馬場
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-17-14 陽栄高田馬場ビル B1~2F
2,000円(平均)1,000円(ランチ平均)

シリコンバレームラ社会

シリコンバレーは開放的なイメージを持たれがちだが、完全な「コネ社会」「ムラ社会」だ。有益な情報、優れた人材に出会うためにはインサイダーにならなければいけない。
P.185

実は閉鎖的。
福満しげゆき的に言うならばコネコネ社会である。

いや、でもそれって合理的なんだよね。
信用している人の紹介ほど確実なものはない。

紹介された人は紹介してくれた人の信用を背負っている。
何かあればその人の顔を潰すことになるから下手なことはできないし、
下手をすればそんな奴とは思わなかったと自分がぶった切られる。
それが信用の世界。

わざわざ紹介してもらえるのは信用してもらってるから。
逆もまた然り。
信用している相手に対して自分ができることなら力になってあげたい。

でも信用を失うと、そう言うルートが閉ざされる。
信用を失うのは一瞬なので、気をつけないとね。。


メルカリ  希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

一見無駄に見える一定の不確実性も抱えておくことは、1周回って合理的なことなのだ。 佐藤航陽/未来予測の技法

タップスの社長佐藤航陽の著作。
『お金2.0』の影に隠れてあまり目立たないけれど、
こちらもコンパクトでわかりやすい良書。

国家の概念も揺さぶられる

国境を越えていく超巨大な多国籍企業や、
ビットコインなどの非中央集権的、分散型管理の通貨などが出てくると、
国家の概念自体が揺さぶられてくる。
社会課題も民間でどんどん解決されていき、資金の流動性もどんどん高まっている。
やりたいことがある人は資金をどんどん集めやすい社会になってきている。

銀行に借りずとも、ベンチャーキャピタルなどの投資の枠組みもあるし、
クラウドファンディングなどで自ら調達する道もできた。

そうなってくると国の役割って??
すでにAmazonから徴税できない問題とかも起きているし、
国の力が及ばない領域は出始めてる。

未来予測の難しさ

「飛行機の実現までには百万年から一千万年はかかるだろう」
ニューヨーク・タイムズがこの記事を掲載してわずか数週間後、ライト兄弟は人類で初めて空を飛び、この予測を覆しました。
P.44

人が未来を見誤る典型的な事例だけど、派手に見誤っていて、現代から見ると滑稽なケース。
当時の人でさえ、このずれを笑ったそうだが、笑った人々もまた宇宙船の実現は夢のまた夢だと思っていたという。
それくらい、未来の予測は難しい。
しかも、現代はインターネットによって情報と資本の流動性が一気に高まり、
信じられないくらいのスピードで社会が変化していっている。

いかに現代が変化の早い時代かはフリードマンの『遅刻してくれてありがとう』でも
冒頭から非常に強調されていた事実だ。

digima.hatenablog.jp


ただ、その一方で、人の行動、意思決定は俯瞰してみると、
びっくりするくらい似通っている部分もある。
データを分析していくといくつかのパターンで認識されてしまうほど。

なので分析→パターンを認識→寄せていく、というやり方で
やりながら自ら変化していくことがビジネスでは有効。

合理性vs 不確実性

広告配信の最適化を例に、人によるマニュアルの運用とシステムによる最適化のどちらが
優れた成果を出すかという話は、非常に面白い。
というか、実際自分たちもやってきた道なので象徴的なエピソードであり、かつ、真実だな、と思った。

システムは膨大なデータから人では予測し得ないパターンを見つけ出し、最適化していく。
それは短期間ではシステム優位の成果を出す。
ただ、次第に効率はよくても母数が取れなくなってくる。
そして長期的には再び人が逆転するという結果に。

「最適」な配信しかしないことを突き詰めていくと、配信対象の母数が減っていくのだ。
顕在化したニーズの中で確度の高いものは見極められても、
需要自体を喚起するような行動はとれないということ。

というわけで、あまりにも短期的な合理化や最適化を進めると、
いかに危険かというお話。

「今」に最適化しすぎる思考は事業を滅ぼす。
一見無駄に見える一定の不確実性も抱えておくことは、1周回って合理的なことなのだ。