昨年亡くなった米長邦雄の著作。
名前くらいしか知らなかったのだけど、
元ボスコン日本代表の内田和成氏のブログに
掲載されていて興味を持った次第。
なんの道であれプロフェッショナルの思考には、
普遍的なものがあるなぁ、と気づかされる。
人間における勝負の研究―さわやかに勝ちたい人へ (ノン・ポシェット)
- 作者: 米長邦雄
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 1993/02/01
- メディア: 文庫
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組織の和、チームの和
スポーツにしろ、会社などの組織にしろ、日本社会では「和」ということが。ひじょうに大切にされているようです。ことあるごとに、勝利や成功の原因は、大半が、その集団の「和」にある、と表現されます。もちろん、それはそれで正しいと思うのですが、何か片手落ちのような気がしないではありません。「和の精神」が強調されるあまり、個々人の努力や実力が、いっさい顧みられなくなることが恐ろしいのです。
確かに和も大事だけれど、個の力って大切だと思う。
みんなで考える、みんなの意見を聞いて、とかバカらしく思える時も多々ある。
本当にみんなの意見を聞いてしまったらその集団の平均的な意見に収束されていく。
こんな馬鹿らしいことはない。まぁ、儀式として聞いてるフリは必要だと思うけれども。
その前に自分の頭でしっかり考えることが大切。
出世できる人の実力
どの世界でもそうでしょうが、プロの将棋の世界でも段位以上の実力がないと出世できません。初段の者が初段の実力ですと、勝率は五割くらいになりますからパッとしません。初段で優秀な成績を残す者は、すでに三、四段の実力があるものなのです。
欠点をなくす
長所を伸ばす、という教育法がありますが、あれはアマチュアの芸で、成長のきっかけとしては認められますが、プロには当てはまりません。
専門家にとっては、ほんのわずかな欠点が命取りになる。だから長所を伸ばすよりことよりも、欠点をなくすことのほうがずっと重要です。
バランスの取り方
バランスをとるために、何かを捨てるとか、何かをしないということでは、土台が小さくなって、バランスなどどうでもいいほど小さいものになってしまう可能性があります。
バランスをとろうとする場合には、「あれが足りないからやる」「もっとこっちもやってみたほうがいい」という具合に、何かをプラスしていく方向で考えるべきでしょう。