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2013年はアパレルEC淘汰の時代/IR情報で見るZOZOTOWN 12月実績

ZOZOTOWNの12月実績速報が公開されたので思うところを書いておく。

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単月での取扱高100億円突破なるも伸び率は鈍化

単月での取扱高100億円は2012年1月のセール期以来初めて。
確実に売上のベースを上げてきている様が伺えるが、
前年同月比は10.9%であり、平均30%程度あった成長率が鈍化している。

新規会員獲得のペースが落ちず、会員数が12万人の純増というのは、
良いニュースだと思うが、これのおかげで何とかアクティブ会員数をキープできたという感じ。

IR情報の中で自ら11月1日より実施した
新サービス(商品配送料無料、ポイント還元率最大10%に引き上げ)が浸透し会員獲得に
繋がったと説明されているが、本当にそうなのかが気になる。
夏のセールの反動で一部ブランドはセールのタイミングを前倒しにしており、
単純にセールによる集客によるところも多いかも?


いずれにしてもアクティブ会員数のマイナスは避けねばならん。

11月1日の新サービス、業界の反感を買ってまで打ち出した強烈な一手は、
ひとえにアクティブ会員数のマイナスを防ぐための施策として必要だったと考えられる。
これまた自ら解説してくれているが、11月~1月にかけて、
昨年大量に新客獲得&既存顧客のアクティブ化をしてしまっていたZOZOにとって、
この3ヶ月は放っておくとアクティブ会員数が大幅マイナスになることが見えている3ヶ月なのだ。


なんとか堪えてる、が、しかし・・・

アクティブ会員数のマイナスという最悪の事態は防げている。
防げているけど、かろうじて、防げているという感が否めない。
このタイミングで成長率も鈍化、このまま1月もじっと耐える展開になるのでは、と予想される。
となると、通期で40%伸ばさねばならない目標取扱高1,115億円の達成は、かなり困難。
今月末あたりの第3四半期短信の発表と合わせて、業績の下方修正も避けられないかも。


アパレルECの雄の成長が止まる。トップ企業でこの苦しさ。

右肩上がりで伸び続けていたアパレルEC市場を牽引していたZOZOTOWNの成長が、
鈍化してきていることは業界全体の失速も意味するのでは?と不安がよぎる。
ZOZOの場合は、売上高成長率の鈍化もだが、利益率の悪化も非常に心配。
そして、トップ企業でこの苦しさである。
インフラ事業もやっているあのZOZOがこの苦しさ、他の惨状は推して知るべし。

元々、アパレル通販は最終利益率の低い事業だが、市場の急成長につられて
各社が参入。競争の激化と共にポイント還元などの値引き競争が始まり、
気がつくと全然儲からない商売に、なんてことが今まさに起きている。

FashionWalkerやStylifeの身売りが記憶に新しいが、この見直しの流れは一気に加速するはず。
それでも続けるのか、撤退するのか、身売りするのか、そんなのいまさら買うやついるのか、
2013年はアパレルEC淘汰の1年がスタートするに違いない。