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文学エリートの家系!? 石村博子/孤高の名家 朝吹家を生きる

ジャン・ジュネの『泥棒日記」の訳者が朝吹三吉
フランソワーズ・サガンの『かなしみよ、こんにちは』訳者が三吉の妹、登水子。
んでもって三吉の息子は、あの詩人、朝吹亮二!!
で、亮二の娘が、このまえ芥川賞とった朝吹真理子


本書を読むと三吉が文学にかけた情熱というか、人生を捧げてる感じがもの凄い。

それと、子供や孫に何かを強制することはなく、
古くから個人として生きること、やりたいことをやることを奨励してきた
朝吹家の教育ってのはすごいなと思う。
現代は教育が平準化して来ていて、結果的に昔よりも質の低いものが蔓延している気がする。

でも、そういう教育が成り立つのも、実際文学やら音楽やらにのめり込めるのも、
潤沢な資産があればこそだよ、と思う部分もある。
文化の発展には金持ちが必要なんだよな、とも思ってしまう。

あと、これだけ見ると文学エリートな家系だけど、
三吉がいたから、たまたま亮二や真理子といった流れに繋がった感じがする。
三吉自身がしむけた感じがしないというか、そういう家風でもないってのが意外。
だから、亮二や真理子の流れができたこと自体、読者としても嬉しくなる。

それと、三吉自信が作品や評論をほとんど発表しなかったことが悔やまれる。
その知識を、何らかの形で残して欲しかった。

彼にしか訳せないと言われてるジュネの『泥棒日記』も再読したくなりました。

泥棒日記 (新潮文庫)

泥棒日記 (新潮文庫)