人の行動には意識していない潜在的なニーズが隠されている。
それらはアンケート調査やグループインタビューとかでは見えないもので、
ビジネスにおいてもとても大切、というお話。
- 作者: 松波晴人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 新書
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著者は日本におけるこの分野の第一人者で、
実際ビジネスの現場でどのように活用してきたかという実践の話が中心なので、
読み物としても非常に面白い。
暗黙知を形式知へ
色々な営業マンと同行して、優秀な営業マンと普通の営業マンの違いに気付いた話。
優秀な営業マンの特徴として、以下4点をあげている。
1.お客さんとのファーストコンタクトを重要視している
2.自分よりお客さんの方が話す時間が長い
3.お客さんをよく観察して、ニーズに合った提案をする
4.お客さんに何か必ず親切なことをする
で、こうやってまとめてしまうと、それ自体はべつに大した目新しさを感じないのだけど、
1つ1つの具体例(対象の行動)を観察できているってのが素晴らしいところ。
結局人の行動から暗黙知に気付き、顕在化させて、
それをどう形式知にするかっていうプロセスの1つなんだな、行動観察っていうのは。
行動観察には計測も含まれる
テイラーの科学的管理法みたいな話なのだが、
何の作業に何分費やしているかを克明に記録することで、
作業の無駄が洗い出される。
本来その人がやるべきではない仕事に時間を費やし、
全体最適が損なわれているということは、どの組織でもありそう。
誰に何をやらせるかはマネジメントの肝。
本書で取り上げられていた事例は、調理場での料理長の作業。
高度な技術を持つ料理長が高い調理スキルをもっているからこそできる
付加価値作業に従事していた時間が、24%→40%に改善した話。
後、こういった作業上の無駄は本人自身が自覚していないことも多いので、
きちんと計測するというプロセスを踏んで見える化することの効果は大きいと感じた。
状況のコントロール
人間は自分が状況をコントロールしていると思ったときにより充実感を感じる。
そうやって思わせてあげれば、普段より充実度は上がるということ。
どうやってそう仕向けるか、面倒くさいけど工夫しないといかんな。
本当に面倒くさいけど。
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