西堀栄三郎って誰?って感じだったのだけど、
オススメに従い読んでみたら実に面白かった。
戦後、統計的品質管理手法を日本に持ち込み、普及させた人物であり、
原子力研究にも関わった人だし、南極越冬隊の隊長を務めたり、
山岳協会の会長だったり・・・実に色々な顔を持つ人物。
この本は晩年に彼の講演などを元にまとめたもので、
完成する前に亡くなったらしい。
- 作者: 西堀栄三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/07
- メディア: 単行本
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現在、絶版なのだが、
文庫で再編集版が出ているとのこと。
技士道 十五ヶ条 ものづくりを極める術 (朝日文庫 に 9-1)
- 作者: 西堀榮三郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2008/01/11
- メディア: 文庫
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知ることと役に立つこと
知識というものは、それ自身では何の役にも立たない。物、方法、あるいはシステムになって、初めて価値が生まれるものだ。(中略)「役に立つ学問をしろ」というのは、「知る」ということがどういうことなのかを理解していないために出てくる言葉だと思わざるを得ない。(P.54)
目先のお役立ちしか考えられない人は、成長しない。というか小物。
品質管理とは何か
テーラーシステムを導入した近代的な織物工場に、田舎の娘4人が、
世話になることになって、当然仕事できないだろうと思われていたのに、
めきめきと上達し、古株以上の成果を上げた、というエピソード。
元々いた従業員はテーラーシステムの分業の中で、
自分の仕事の領域しか興味を持たなかった。
一方この4人は互いに助け合い、協力しあいながら努力し、
失敗に気づけばその場で指摘、改善しあっていた。
テーラーシステムに代表する近代的なやりかたが、本当に優れているのか、
疑問を呈していた。
統計的品質管理を日本に広めた近代的な人なのに、機械的で無機質な仕組みは間違っている、と見抜いてる所がすごい。
結局こういった近代的なシステムって、人の創意工夫を引き出す目的じゃなくて、監視型なんだよね。
アイデアはとりあえず肯定
まずは何を言われても良いアイデアだね、と言っちゃう。
そうすると、一度褒めてる手前逃げられなくなる。
課題があったとしても誤摩化せず、一緒に解決法を考えるようになる。
創造性が育つ組織
個人の自主性が認められ、尊重される職場が理想。
個人の自主性を尊重するということは他人も尊重すること、ってのを忘れずに。
- 作者: 西堀栄三郎
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技士道 十五ヶ条 ものづくりを極める術 (朝日文庫 に 9-1)
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