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新興アジアへの進出はめちゃくちゃ可能性あるけど、腰を据えて現地と融合することが大切。 松島大輔/空洞化の嘘

多くの企業の東南アジア進出を支援してきた著者が、
日本企業の海外進出に伴って、
国内の産業が空洞化する、といった話が、
まことしやかに語られているけど、
そんなのは嘘だよ、むしろ積極的に海外展開を推し進めることで、
国内にとってもプラスになる道があるのよ、ということを
教えてくれる本。

筆者はタイ王国政府政策顧問。

新書なのですぐに読めた。
東南アジア進出とか興味がある方、
あるいはまったく興味が無くて
とりあえず最低限の知識を得たい方の入門書にもぴったり。

空洞化のウソ――日本企業の「現地化」戦略 (講談社現代新書)

空洞化のウソ――日本企業の「現地化」戦略 (講談社現代新書)



人口ボーナスと人口オーナス

オーナスというのは、負荷のこと。
日本は、少子高齢化と言われて久しいけれど、
それって要するにどういうことなのかというと、
15歳から64歳の生産年齢人口が総人口に
占める割合が年々低下しているということ。

これじゃあ経済成長なんて望むべくもない、というか
人口動態が経済の足を思いっきり引っ張っている。

生産力も消費力も人口ベースで低下していくことが目に見えている。
じゃあ今から猛烈に子作り推奨するのかっていうと、
それがうまくいくとも思えないし、成果が出るまで時間がかかる。
そんな文脈の中で生産年齢人口の移民の受け入れとかが議論されているわけです。

移民怖い、嫌だ、とかいう話ではなくて、
思いっきり成長の足を引っ張られる重荷になることがわかっている
人口動態をどうしていくかという話なのです。

一方、新興アジア国は日本とは逆に人口ボーナス状態。
生産年齢人口の比率が大きく、黙っていても成長が促進される状態。
ここに出ていかない手はないよ、ということなのです。


現地化の重要性

新興アジアに進出するに当たって重要なキーワードが現地化。
日本人だけでやっていてもうまくいかない。
いかに現地の企業、現地の人材を巻き込んで、
現地に根差した事業を展開していくかが大切。

当然文化も違うので、常識は通用せず、
口で言うほど簡単なことではないのだが、
これをいち早くトライして、苦労しているところが結果的に
大きなシェアを取っていく。

ベトナムへの進出が早かったエースコックは試行錯誤の末、
今や日本国内と同等の売上をベトナムで上げているというからすさまじい成果。

今から、やってももう勝てないくらいの差がそこにはついている。


空洞化のウソ――日本企業の「現地化」戦略 (講談社現代新書)

空洞化のウソ――日本企業の「現地化」戦略 (講談社現代新書)