著者はサンドビックという北欧企業の日本法人の社長。
北欧企業って内需がそもそも少ないので、
大きな企業では海外の売上比率が90%越えてる企業が多いらしい。
BtoBの企業なのであまり知られていないけれども、
この人がやっていることはとてもすごい。
一度は閉鎖が決まった工場を再生し、
効率とクオリティをトップレベルに持っていった話を中心に、
現場の改革とはどのような物なのかが語られる。
強い意志とビジョンを持って、1つ1つ成功を積み重ね、
自ら改善を生み出す組織を作っていく。すごい。
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日本人として
海外で働くと嫌でも自分が日本人であることを意識するし、
その時自分は日本のことをなんも知らないことに気づくのだという類いの話は
良く見聞きするのだけれど、この人もそうだったらしい。
日本人が自ら築き上げた独自の生き方の指南役、マネジメントの達人はいないのかと探し始めたときに出会ったのが江戸時代の懦学者・佐藤一斎と、彼の著した『言志四録』だったのです。
(中略)
一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈を頼め
P.62-P.63
『言志四録』は西郷隆盛も座右の書にしていたと言われる本。
経営者と言うのは最後の最後には自らを信じて進むしかない。
よく武士道とか言う人多いけど『言志四録』は知らなかったので気になった。
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しかしこの世は三流だらけ
三流は環境を嘆き、二流は順応し、一流は変革する
P.64
真理なのだが、仕事は三流を相手にやるから難しい。
いかに三流の呪縛から解放するか、それが大変。
ものづくり4つの工程
製造現場というものはどんな業種であっても、例えば自動車メーカーや薬品メーカー、工具や電子部品であっても四つしか要素はありません。ものづくりの現場での要素です。
一つは加工。何かを加工しているという工程です。そして二つ目が加工する前に、その部品などを待っている加工待ちの状態。ものづくりの現場で「停滞」と呼ばれている要素です。三つ目が、工程間でものが移動している「運搬」という要素。最後の四つ目が、それらのものを「検査」している状態。これを工程ごとに繰り返して、ものづくりは行なわれています。
P.78-P.79
製造業ではないので、ものづくりの工程をこうやって整理してくれると勉強になる。
そして、この本で挙げられている改善の事例でも一番有意義だったのが停滞の解消。
結局、本当に作業に賭けている時間はわずかで、順番待ち、
すなわち停滞している時間の方が圧倒的に長いという事実を
発見した所から改善が始まっている。
ものづくりに限らず、仕事なんて大体そう言う所がある。
この停滞と言う無駄を以下に取り除いていくかが全体の効率化につながる。
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