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学びや思いつきを記録する、超要約ノート

国内MBA2013年入学、2015年無事卒業!読んだ本、記事、などの読書ノート。 忘れないために超要約整理。そんな記録。

一般的な説明は学びがあるのだけど、「不均衡ダイナミズム」は良くわからん。伊丹敬之/経営戦略の論理 ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム

MBA 戦略系

アカデミックの世界ではとても偉い人、というイメージ。
版を重ねて出し続けているようで、お勧めされたので読んでみた。
一般的な説明をしている所は良いのだけど、
「ダイナミック適合」とか「不均衡ダイナミズム」とか言われるとちょっと理解に苦しむ。
というか素直にアグリーできない感じ。
反論するにはちゃんと精読しないとダメだろうけど、イマイチな感じが拭えない。

経営戦略の論理 〈第4版〉―ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム

経営戦略の論理 〈第4版〉―ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム



戦略は終着点と最初の一歩がセット

変革シナリオの中でも、最初の一歩、二歩は、深く考えて、すぐに踏み出さなければならない。選択を先送りすることはできないのである。しかも、最初の一歩の踏み出しを間違えると、とんでもない方向に歩き出すことになってしまいかねない。つまり、戦略とは流れの設計図なのだから、「終着点」と「どこに一歩を踏み出すか」、その両方が揃っている必要がある。それは、旅行プランに似ている。どこが目的地か、そこへ行くためにまずはどこでどの乗り物に乗るのか、その両方が決まっていなければ旅は始められない。
P.10

どこに向かって、まず何をするのか。
それが揃ってないと戦略とは言えない、ということ。

make or buyと学習

伊丹さんはビジネスモデルではなくて、ビジネスシステムって言葉を使ってる。
そこには定義の違いがあるんだけど、一般読者に取ってはどうでもいい話かもしれない。

ビジネスシステムの設計のもっとも基本的な決定は、
(1)どの業務を自分が行うか、なにを他人に任せるか(他者との分業のあり方)
(2)自分で行うことを、どのように行うか(企業内の仕事の仕組み)
(3)他人に任せることを、どうコントロールするか(分業した業務のコントロール)
の三つである。
P.37

make or buy って言われるけど、何を他人にやらせて、
それをどうコントロールするかってのは非常に重要な問題だし、
その視点だけでも分析、比較できそう。

さらに、その選択は資源の蓄積にも関係してくる。

自分がある仕事をすれば、その仕事にからんだ学習を自分がすることになる。他人にその仕事を任せれば、他人が学習する。その学習の成果という資源蓄積が、将来の競争力の源泉になりうる。そして、ビジネスシステムの設計は、自社の人たちがどんな仕事を実際に自分で行い、どんな仕事を他人に任せるか、という分業のあり方を決めているのだから、その設計は自分たちはなにを学習することにするのかという決定にもなっているのである。
P.42

自分でやってみて初めて学べることってのは確かにある。
やらなきゃ学べない。この視点は結構重要な話。


見えざる資産

このような一連の行動(とその背後にある適切な情報の流れと処理)を可能にする特性をあげたのが、「内部情報処理特性」という見えざる資産である。ここで例にあげた組織風土、現場のモラール経営管理能力は、組織の人々の情報処理(伝達と意思決定)の能力、努力、クセなどにかかわるものばかりである。おそらくは、究極的にもっとも大切な見えざる資産と言えるだろう。その中でも、組織の人々の思考のクセとも言える組織風土(あるいは、「ある組織に属する人々に共通かつ特有な情報の伝達・処理のパターン」)は、戦略とのかかわりのとくに深いもので、きわめて大切な見えざる資産だと私は考える。
P.59

企業が蓄積する資産は目に見えるものばかりではないと言うこと。
どういう資産をストックしていきたいのか、そこを意識したら結構面白いかも。


特許の良い所、悪い所

反撃への障害づくりの戦略の第二のパターンは、放っておけば競争相手に利用されてしまう自分の資源でかつ相手が使いたがるものについて、競争相手の利用を排除できるような仕組みをもつことである。
典型的な例は、特許による技術の保護である。特許申請を網の目のようにはりめぐらし、当面は必要かどうか分からないものにまで特許をとって、競争相手の技術開発の障害づくりをしようというわけである。同じような例に、流通の特約店制度や系列化がある。自社の流通網を競争相手にただ乗りさせまい、競争相手にも流通投資を全額自己負担させよう、という戦略である。しかし、特許による反撃障壁づくりには反面の悩みもある。特許をとることによって、その特許についての必要情報を開示しなければならないからである。それは、競争相手に自社の技術に関するヒントを与えることにもなってしまう。この点を回避するために最近よく言われるのが、技術のブラックボックス化である。他人には分からないノウハウをもち、それは特許にしない、外部から隔離するのである。
P.154-P.155

本当に守りたい技術は、特許を取らないってのが面白い。
でも、取らないでいたら、見事に競合に開発されて的に特許取られたらどうするんだろう。
そんなことって起きないのかしら??


不均衡ダイナミズム

市場に製品の不均衡を起こすとは、現在供給されている製品とは大きくかけ離れた製品を提供することによって、既存の製品との間に大きな不均衡を起こすことである。その不均衡を顧客が大いに歓迎して、つまり新しい製品を喜んで受け入れて、そして競争相手も不均衡を埋めようと追随を始めて、結果として新たな市場が創造されてくるのが、この章で語ろうとする市場創造である。
P.295

なんかこの辺の理屈がいまいちピンと来ない。
「不均衡を顧客が歓迎する」ってなんだ?
なんか現実から乖離した表現とか考え方のような気がしてならない。

戦略論としての問題は、なぜ未知のニーズが出てくるか、そのプロセスをうまく促進したりあるいは捕まえたりする戦略はどのようなものか、ということであろう。その戦略は、未知への対応ということになるのだから、考えてみれば不均衡そのものである。相手が未知で分からないのだから、きっちりした均衡のとれた戦略など考えようがないのである。
P.301

とにかく「不均衡」をキーワードに説明しようとするのだけど、
全然イメージできない。というか、強引すぎる気がするんだよな。
論文とか丁寧に読めば、もうすこし不均衡の定義も明確でわかりやすいのかもしれないが。

んで、ヤマト運輸のケースを持ち出して「不均衡」を語りだすのだけど、
これまたしっくり来ない。違和感だらけ。

こうした多くの市場創造の事例に共通するのは、「すべての原点は、不均衡の大きさ」だということである。その不均衡、が、製品そのものの機能についての既存製品との不均衡(宅急便がそれ)なのか、そもそも類似製品など考えにくいような新しいコンセプトという不均衡(日本語ワープロ、がそれ)なのか、いろいろある。しかし、人々が驚くような製品が人々が驚くような価格で提供されるという巨大な不均衡(それまでの市場の安定状態からの不均衡)が市場創造者によってもたらされて、その不均衡がさまざまな波動連鎖を生み出して市場がいわば自走的に創造されてくる、という点では同じである。
そして、未知のニーズが巨大に表面化してくる、という点でも同じである。不均衡の大きさが未知のニーズを市場の表面に引っ張り出してくるのである。それは、不均衡が感動を呼び、不均衡ゆえに顧客が勝手に用途を開発してくれたりロコミをしてくれるからである。
P.311

言いたいことがわからない訳じゃないんだけど、
「不均衡」って概念のわかりづらさと違和感が半端ない。
いいサービスが予想外の低価格で受けられる不均衡はそりゃ良いだろうけど、
逆はどうなるんだ??受け入れられない不均衡、その差はなんだ?
単純に不均衡って言っても色々あるだろ、という座りの悪さ。

なので、後半の「ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム」みたいな話は
よくわからんけど、それ以外の部分ではそれなりに学びがありました。
でも、所々表現も冗長でそんなに読みやすい本ではないし、
国史の話がちょいちょい出てくる所は好きだけど、やっぱり古臭さも感じるな。。

経営戦略の論理 〈第4版〉―ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム

経営戦略の論理 〈第4版〉―ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム