ブラッド・ピット主演で映画にもなりましたね、それの原作。
野球の世界に統計の概念を用いたセイバーメトリクス。
伝統的、主観的なスカウト手法を改め、
低コストで他の球団が目をつけていない選手を獲得、育成して
勝利を重ねるさまは見ていて面白い。
マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケル・ルイス,中山宥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (19件) を見る
野球におけるエラー
守備力の評価は、エラー数を比較し、エラーが少ない選手ほど優秀、となるのが普通だ。
しかしジェイムズは、このような評価方法をとんでもないと批判している。
《エラーとは何か? 第三者の目から見て、いまのはもっとまともにプレーできたはずだということを表わす、スポーツの世界において唯一主観的なデータにほかならない。
試合後のロッカールームで話題に出るような、あそこでああすればよかったのに、という指摘だ。
……バスケットボールのスコアラーもたしかにエラーを記録するが、このエラーは、敵にボールが渡ったことを表わしており、客観的な事実の記録である。
……ところが野球のエラーは、実際には行なわれなかったプレーをスコアラーが思い浮かべて比較し、判断を下す。まったく異例な“参考意見の記録”なのである》
P.113
確かに、こう言われるとエラーってずいぶんいい加減な指標だなと思う。
いろんなあり方があるって話
「投手は全員ノーラン・ライアンのような球を投げるべきだ」などという主張は「作家は全員ジョン・アップダイクのような書きかたをすべきである」と唱えるのと同じぐらいばからしい。
すぐれた投手とはアウトを取る投手をさし、どうやってアウトを取るかは問題ではない。
P.337
まぁ、これも仰るとおり。
~なべきだ、~でなければいけない、って使い方によってはすごく頭悪い発言。
選球眼を重視
ただ単に統計の話っていうよりも、選球眼は後天的に伸ばしづらい、
っていう分析がちゃんとあった上でやってるのが面白い。
選球眼は教えることはできない、だから四球が多い、出塁率の高い選手を
選んでいくってなロジック。
スポーツを科学的にっていうのは味気ない部分もあるかもしれないけど、
そういう文化を持ち込み実行していく姿はまさにイノベーター。
トップ球団が模倣できないのが秀逸
ヤンキースのビジネスモデルは、豊富な資金力をベースにスタープレイヤーを集めて、
人気を高め、放映権やライセンスで儲けて、またスタープレイヤーを獲得し、、、みたいなモデル。
そういう戦略の球団が、四球狙いの地味な選手を集めてってのはそれが試合に
勝てる確率が高かろうとも真似できない。
そこもこのセイバーメトリクスの秀逸なところ。
マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケル・ルイス,中山宥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (19件) を見る