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伝統的な価値観を乗り越えて実現した野球界のイノベーション事例 マイケル・ルイス/マネー・ボール

ブラッド・ピット主演で映画にもなりましたね、それの原作。
野球の世界に統計の概念を用いたセイバーメトリクス
伝統的、主観的なスカウト手法を改め、
低コストで他の球団が目をつけていない選手を獲得、育成して
勝利を重ねるさまは見ていて面白い。


野球におけるエラー

守備力の評価は、エラー数を比較し、エラーが少ない選手ほど優秀、となるのが普通だ。
しかしジェイムズは、このような評価方法をとんでもないと批判している。
《エラーとは何か? 第三者の目から見て、いまのはもっとまともにプレーできたはずだということを表わす、スポーツの世界において唯一主観的なデータにほかならない。
試合後のロッカールームで話題に出るような、あそこでああすればよかったのに、という指摘だ。
……バスケットボールのスコアラーもたしかにエラーを記録するが、このエラーは、敵にボールが渡ったことを表わしており、客観的な事実の記録である。
……ところが野球のエラーは、実際には行なわれなかったプレーをスコアラーが思い浮かべて比較し、判断を下す。まったく異例な“参考意見の記録”なのである》
P.113

確かに、こう言われるとエラーってずいぶんいい加減な指標だなと思う。


いろんなあり方があるって話

「投手は全員ノーラン・ライアンのような球を投げるべきだ」などという主張は「作家は全員ジョン・アップダイクのような書きかたをすべきである」と唱えるのと同じぐらいばからしい。
すぐれた投手とはアウトを取る投手をさし、どうやってアウトを取るかは問題ではない。
P.337

まぁ、これも仰るとおり。
~なべきだ、~でなければいけない、って使い方によってはすごく頭悪い発言。


選球眼を重視

ただ単に統計の話っていうよりも、選球眼は後天的に伸ばしづらい、
っていう分析がちゃんとあった上でやってるのが面白い。
選球眼は教えることはできない、だから四球が多い、出塁率の高い選手を
選んでいくってなロジック。

スポーツを科学的にっていうのは味気ない部分もあるかもしれないけど、
そういう文化を持ち込み実行していく姿はまさにイノベーター。


トップ球団が模倣できないのが秀逸

ヤンキースのビジネスモデルは、豊富な資金力をベースにスタープレイヤーを集めて、
人気を高め、放映権やライセンスで儲けて、またスタープレイヤーを獲得し、、、みたいなモデル。
そういう戦略の球団が、四球狙いの地味な選手を集めてってのはそれが試合に
勝てる確率が高かろうとも真似できない。
そこもこのセイバーメトリクスの秀逸なところ。