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MBAのケースで必ず学ぶサウスウェスト航空のお話! ケビン・フライバーグ、ジャッキー・フライバーグ/破天荒!

サウスウェスト航空はMBAの授業で必ずと言っていいほど取り上げられる企業。
正確な発着時間、コストダウン、機体の稼働率を上げるための着陸、離陸間の時間短縮、
それを可能にする機体の統一、などなどなど。
ありとあらゆる工夫が相互に影響しあって、この企業の競争優位を形成している。

そんなエクセレントカンパニーの研究をまとめたのが本書。

でも、ケーススタディでやるようなことは改めてメモするまでもないので省略。
本書で新鮮だったのはリーダーシップの視点からの分析も入っていたこと。

破天荒!

破天荒!


経営者とは

例えば経営者でない人間は、自分の行動が上司の目にどのように映るのかを気にする。
それに対し、経営者は他人の目など気にせず、自分の行動が事業にどのような影響を与えるのかを考える。
経営者でない人問は、自分の職域を守り、自分の利益を追求するだけで、事業に対する考え方も狭い。
経営者は職域を越えることをいとわない。
経営者は誰のアイデアであろうと顧客サービスという最終目的にどのようなメリットがあるかを考える。
経営者でない人間は規則に縛られる傾向が強い。
たとえその規則が常識に反するものであってもだ。
経営者は仲縮自在の柔軟な頭を持ち、組織の目標に反すると判断すれば、どんな規則だって破るだろう。
例外措置を取ることができないなら、その規則を変えることさえ辞さない。
他人が気づかないような細かいことにも気を配る。
仕事の結果が直接自分の利害に結びつく経営者は、コストに敏感で、労を惜しまず、想像力が豊かだ。
経営者が経営者でない人間と違う点は、他人に言われなくても率先して行動することであり、めったなことでは傍観者になりすますことがない。
たまたま出会ったときに関心を示した顧客は絶対に逃さない。
人が放っておくゴミも、率先して拾う。
従業員に必要な情報が入れば、どんな小さなことでもすぐ電話で知らせる。
P.126

経営者の立場で考えるってのはこういうこと。
これだけ見ても従業員に経営者の立場で考えさせるってのは至難の技。
でもその意識を植え付けているのもサウスウェストの凄さだったりする。


収益構造

一フライト当たり五人 -四〇〇〇万人の乗客のうちたったの三〇〇万人- が九四年度の損益に影響を与えているのだ。
さらに言えば、このうちの一人を失うと、一回のフライトで二〇%の利益が失われる。
これで分かるだろう。
一人の乗客がサウスウェスト航空にとって、あなたにとって、非常に大切な存在であることが!
P.156

こう言われると恐ろしい商売。
でも、確かに1人の乗客がいかに大切かがわかりやすい話。
こういう話を従業員に懇切丁寧に話し続けるかどうかで現場のマインドは変わるのだろう。


企業文化の重要性

どんな企業においても、企業文化は過去の挑戦、成功、失敗、学んだ教訓を反映している。
企業文化は企業の記憶となり、行動の指針となり、独自性と安定感を与え、企業の枠組を形成する。
その境界線の内側で、従業員は自分の思考・振る舞い・行動を、企業の文化や基本理念に合わせて活動し、価値判断するのである。
同じ価値観を共有し、意欲的に実践する企業文化に支えられている従業員は、会社にとって重要な決定を下すことができる。
P.183

企業文化の重要性はMBAで学びながら痛切に感じたことのひとつ。
以下にあげるガースナーや小林さんの著作が学びが多かった。


企業変革のこれ以上無い大成功事例、それがIBMにおけるガースナーの改革。 ルイス・V・ガースナー/巨像も踊る - 学びや思いつきを記録する、超要約ノート


イノベーションとオペレーションの違いを理解して、トップはイノベーションの種を守らなくてはならない 小林三郎/ホンダ イノベーションの神髄 - 学びや思いつきを記録する、超要約ノート


顧客はいつも正しいとは限らない

ある女性はたびたびサウスウェスト航空を利用していながら、何ひとつ満足しなかったという。
社内では、その女性は同社の飛行機に乗った後必ず苦情を寄せるので、「ペンフレンド」と呼ばれていた。
座席指定がないのが気に入らない、ファーストクラスがないのが気に入らない、機内食がないのが気に入らない、搭乗手続きが気に入らない、飛行機の色が気に入らない、客室乗務員のスポーティーな制服と気さくな態度が気に入らない、さらにピーナツが気に入らない!苦情をくどくどと並べ立てた最後の手紙は、顧客関係部の従業員をすっかり当惑させた。
フェルプスはこう説明する。
「サウスウェスト航空は会社に来る手紙には必ず返事を書くのを誇りにしているので、何人かの従業員がこの女性に手紙で、なぜそういう方針をとっているのかを辛抱強く説明しました。
でも、苦情の手紙はたちまち山となり、とうとう『処理をお願いします』と書いたメモをつけてハーブの机に置かれました」。
ケレハーは一分もしないうちに次のような返事を書いた。
「クラバプル様、もうお乗りになれなくて残念に思います。さようなら。ハーブ」
P.327

あまり好ましくない顧客には遠慮が無いことでも知られているらしい。
確かに、中にはとんでもない客もいる。
そういう客に対してトップが毅然とした態度で対応できることは素晴らしい。
社長がこういうことを言えるのも、何より従業員への信頼感があってこそ、だから。


リーダーシップ

リーダーシップは互いに影齊を与え合うところに成り立つ。指導者は育成し育成される存在なのである
「リーダーシップは、地位や肩書などで決まるものではない」とケレハーは言う。
「わが社では地位や肩書はあまり重視されていない。さもないと、人々が自由に新しいことに挑戦できなくなってしまうからだ」。
肩書はリーダーシップを押さえつけてしまう。肩書の前では人は用心深くなり、極端に分析的になりがちなのだ。従業員は自分たちにお偉いさんたちがどう反応するか気にするあまり、会社や組織にとって大切なことまでやらなくなる。
P.369

ケレハーの考えるリーダーシップ論、ってのはケーススタディでもあまり出てこなかったので、新鮮だった。
権力はリーダーシップではないのだ。
そこを誤解しちゃいけないということ。

破天荒!

破天荒!