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学びや思いつきを記録する、超要約ノート

国内MBA2013年入学、2015年無事卒業!読んだ本、記事、などの読書ノート。 忘れないために超要約整理。そんな記録。

最新の事例や研究成果が盛り込まれている決定版の教科書。 マイケル・R・ソロモン/ソロモン 消費者行動論 中

この上中下巻は、1冊の分厚い教科書を3分冊にしたもの。
従って、ページ数の表記は上巻から続いている。

うまいこと日本の最新事例を盛り込んでいるのが本書の特徴で、
読み物としても面白い本に仕上がってる。

ソロモン 消費者行動論 [中]

ソロモン 消費者行動論 [中]


認知的不協和

認知的不協和理論(theory of cognitive dissonance) は,人が自分の態度や行動の矛盾に直面すると.この「不協和」を解決するために何らかの行動を起こすとしている.おそらくは態度や行動を変えることで一貫性を回復するのである.
P.340

なりたい自分と現実の自分のギャップ、この不協和を解消するために人は態度や行動を無意識に変える。
不協和を恐れて首尾一貫させる事を目的化してしまう罠もある。
どちらにせよ自分が正しい意思決定をできているのか、冷静に見つめ直す必要はあるよな。
こういう罠を自覚できていれば、自らを客観視することで避けられる罠も多そう。


意思決定プロセス

この集中的な意思決定プロセスは,あまりに多くの選択肢が用意される現在の環境では,ますます複雑なものになっている.皮肉なことに,現在の多くの消費者にとって,直面する最大の問題は,選択肢が少なすぎることではなく,多すぎることになった.この選択肢の豊富さは,消費者ハイパー選択(hyperchoice) と呼ばれる.これは,手に入る選択肢の数が多くて,消費者が心理的エネルギーを消耗させるような選択を繰り返すことを強いられ,賢明な判断をする能力が奪われてしまう状況を表わす(1). 消費者は,選択肢が多いことは良いことだと考えがちだが,実際には,それが好まれるかどうかは国によっても異なる.
P.401

こういう状況になると、キュレーションだとかが流行る訳だ。
結局自分で取捨選択するコストが高くなって、手前にフィルターを通そうとする。
でも情報の取捨選択を効率的に行おうとすることは、実は効率的ではないかも、とも思う。
結局自分のその時点での趣味嗜好が強化されるだけで、広がりは持ちづらくなりそうだから。

雑多な情報にまみれる事って、結構重要な事だと思うのだけど、
世の中は役に立つか立たないか、とか、いかに効率的に済ますかが
関心事になりすぎてる気がする。

まぁ、でも情報は減りはしないだろうから、更なる過剰へ向かって行くんだろう。
益々意思決定が難しくなるかもしれない。

一方、意思決定を機能とか、効用とか、分かりやすい単一の価値で説明できないってパターンもある。

決定に強く関与はしているが,合理的に自分の選択を説明できないこともある.例えば,伝統的なアプローチは芸術,音楽,あるいは配偶者の選択を説明することに苦労している(「彼女はいったいなぜ「彼」を選んだのだろう?」).このような場合,1つのクオリティだけで決断したわけではない.経験的パースペクティブ(experiential perspective) は「ゲシュタルト」,つまり製品やサービスの全体性を強調する(第2章参照) . こうした背景では,マーケターは消費者の製品やサービスへの感情的反応を評価し,肯定的な感情的反応を生み出すようなものの提供を考える必要がある.
P.404

プロスペクト理論

もう1つの先入観に「損失回避(loss aversion) 」がある.これは,利益よりも損失を強調することをいう.例えば,ほとんどの人にとって,お金を失うことの不快さは,お金を得る喜びよりも大きい.プロスペクト理論(prospect theory) は,人々がどのように決断を下すのかを,損得という点での有用性を彼らがどう定義するかという点から考える.消費者は,その選択で得るものよりも失うものという側面を示されると,決断によるリスクの評価が変わってくる
P.416

この辺の視点はマーケティング施策でも色々と応用できそうな話。
失うことの不快さを回避させてあげるってとても大切。


新たな決定基準

新しい決定基準を効果的に提唱するためには,マーケターは3種類の情報を伝えなければならない.

1 その属性に関してはブランド間で大きな違いがあることを指摘するべきである.
2 消費者に意思決定ルールを提供すべきである.もし……(競合ブランドの問で決める)のなら・・・・・・(この属性を基準として使う)
3 その人がそれ以前の機会に決定を下した方法と矛盾しないルールを伝えるべきである.
そうしないと,あまりに頭を使わなければならなくなり,すすめられたことを無視する可能性が高い.
P.430

確かに、他から獲得しようとしたら、新たな意思決定を行う基準、ルールみたいなものを
しっかりと伝えていかないと、人はなかなか新たな意思決定には至らない。
引用部分の3は示唆に富んでいる。
今までの行動や意思決定を否定しない形でってのは奥が深い。
結局人を説得し、行動を変えさせるのってこういう心理が働いてること多い気がする。
今までを否定したいんじゃなくて、何かが変わったから、あるいはこういう視点で考えると、
今はこっちの方が妥当だ、みたいな。
上の人の意思決定を誘導するときとかの典型パターン。


口コミとかロングテールとか。

ある大規模な調査では,大手ウェブサイトから特定の製品を買った回答者の約半数が,ウェブ上のクチコミ情報を見たことを覚えていた.このグループのオンラインショッピング体験の満足度は,クチコミ情報を覚えていなかった購入者より5 %高かった. もう1つの長所は,消費者がより広い範囲の選択肢を経験しようとすることである.それと同時に「大ヒット」するには至らなかった映画, 書籍, CDなどがもっと売れる.例えば,アメリカのオンラインDVDレンタル会社のネットフリックス(Netflix)では,人々が注文する映画の約3分の2は,他のユーザーが推薦したものだった.実際に,ネットフリックスのレンタルの70~80 %は,最近リリースされたものではなく3万8,000 本のバックカタログから来ている
P.432-P.433

ブランドの強さ

あるブランドと恋に落ちると,生涯のお気に入りになるかもしれない.ボストン・コンサルティング・グループが30 製品カテゴリーのマーケットリーダーを対象に実施した調査によると,1930 年にナンバーワンだった27 のブランド(P &Gのアイボリー石鹸やキャンペルスープ)が,50 年以上たってもまだトップの地位にいた. 明らかに「名の知れたブランドネームを選ぶ」ことは強力な経験則になる.この調査が示すように,いくつかのブランドはある意味では「よく知られていること」で知られている.消費者は,これほど多くの人が選ぶ製品なら,良いものに違いないと考えるのである.
P.439

これは驚異的。一度確立されたブランドは自らを再び強化する。


店舗内の意思決定

ある調査では,店での買い物の10 回に3回近くで,客が会計に並ぶうちにイライラして買うのをやめ,平均132 ドルが支出されずに終わるという結果が出ている.この調査ではさらにモバイルコンピューターを手にした店員から案内を受けた客の40 %以上が,買い物経験が改善されたと考えていることが分かった.それから困ったことでもあるが,販売員の半数以上が,オンラインショッピングのツールを利用することで,顧客が店員よりも製品について詳しくなっているとも認めた(70). マーケターは,顧客が決定を下すその瞬問に関与できるように努力している.世界最大の酒造メーカーであるディアジオ(Diageo) は,バーの客の60 %は,注文をする数秒前までに何を飮むかを決めていないということを知った.
P.475

たしかに、オンラインショッピングにはレジ待ちが無い。
情報の入力とかは確かに手間だが、ある程度のリテラシーがあれば、
店舗のレジ待ちより遥かに楽だよな。
そして、店舗での購買は多分に衝動的。
この衝動買いをどれだけ生み出せるかはECの課題だと思う。


ペットビジネス

これは単なる事例メモ。しかし、まぁ、いろいろあるもんだね。
ペット飼わないからわかんないけど、若干不気味。

4本脚の仲問が天に迎えられるときには何か起こるだろう? 最近の流行の1つは,死んだペットを埋非や火葬にするのではなく,フリーズドライにするというものだ.遺族は動物の友人を永久ペットにすることで,失った悲しみに対処し,彼らとの絆を維持できると話している.一度ドライにされるとペットの体は腐敗することがないので,ソファーの上の特別の場所に居続けることができる.
P.513

子供へのCMの影響

イギリスでは,2つの調査で.テレビ広告が5 ~11 歳の152 人の子どもの食習慣に与える影響を比較した.どちらの調査でも,子どもたちはアニメの前に10 本の広告を見せられた.一方のグループには,映像の前におもちゃの広告を見せ,もう一方のグループには,おもちゃの代わりに子ども番組の間によく流される食べ物のCMを見せた.2週間の間隔をあけて,子どもたちに低脂肪と高脂肪のスナックーブドウ,チーズ味のスナック,チョコレート,ポテトチップスなどーを載せたテーブルから好きなものを好きなだけ食べていいと話した.食べ物のCMを見た5~7歳の子どもたちは,おもちゃのCMを見た子たちより摂取カロリーが14 ~17 %高かった. 9~11 歳の子どもたちでは結果はもっと明らかだった.食べ物のCMを見た子どもたちは,おもちゃのCMを見た子どもたちより,摂取カロリーが84 ~134% も多かったのである.
P.528

子供のようなリテラシーの無い存在にCMを浴びせることの弊害を訴える議論があることは知ってた。
まぁ他人事くらいに思っていたけれど、実際子供ができるとその危険性は身に染みてわかる。
子供たちは情報に対してもの凄く無防備かつ素直。

ソロモン 消費者行動論 [中]

ソロモン 消費者行動論 [中]