梅原大吾はプロのゲーマー。
ゲームの世界を極めた人。
で、その世界一のプロゲーマーが書いた、
勝ち続けるためのノウハウがこの本。
勝つための、ではなく勝ち続けるためってのがポイント。
1回勝っただけで終わっちゃダメなのよ。
ゴーイング・コンサーンじゃないと。
だからとっても経営に通じるというか、
その考え方は素晴らしいし、共感できる。
とにかくこの人は自分がどうありたいかとそのために何が必要かを冷静に考えてる。
その自省と自制の組み合わせが偉大な結果につながるんだろうな。
- 作者: 梅原大吾
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/04/02
- メディア: 新書
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目的のための最善な行動
やるべきことをやる、というとてもシンプルな考え方。
甘えとか言い訳とか、いったん自分のことは置いといて、
極力バイアスを排除してロジカルに考えてる。
他人から「ウメハラの良さはここ」と言われると、それをことごとく否定し、指摘されたプレイは極力捨てるようにしてきた。
そもそも勝負の本質は、その人の好みやスタイルとは関係のないところにある。
勝つために最善の行動を探ること。
それこそが重要なのであって、趣味嗜好は瑣末で個人的な願望に過ぎない。
P.56
この自分の良さ、と言われたことまでも否定し続けるってのは驚いた。
確かに勝負の本質はそこではないのかもしれないが、
そこまで自分にストイックになれるってのは目から鱗だったな。
筋力をつけたければ筋力トレーニングを、痩せたければそれなりの運動を、
人よりも70強くなりたかったら人一倍練習しなければいけない。
どれだけつらくても、それ以外に道はないと思う。
心だって、鍛えなければ強くならない。
P.70
こういうストイックさは普通にそう思うだけなんだけど、
でも、世の中この当たり前のことがわかってない人とか、
都合よく目をそらす人が多い。
夢という同調圧力
子供を見ていると、これからどんな同調圧力に巻き込まれていくんだろう、と不安になったりする。
世の中、そういう罠だらけだからなぁ。
まぁ、社会常識は身につけてほしいけど、がんじがらめにはなってほしくない。
とにかく、僕にとっての学校生活は納得いかないことだらけだった。
「夢を持ちましょう」そんな雰囲気にも嫌気がさしていた。
小学生の頃、教師たちがイメージしているのは、たいてい野球選手や学者や宇宙飛行士だった。
このような夢を目指すのは素晴らしいことで、それ以外の夢は認めないと言わんばかりの偏狭な夢の押し売りには辟易した。
夢と言えるのは本当にそれだけなのか。
人とは異なる未来を夢としてはいけないものなのか。
P.170 - P.171
努力とは
まぁ、こんだけやったから結果出るはずってのは、論理的には何の保証もないわけだけど、
それでもそれが安心につながるというか、自信につながるってのはあるよなぁ、と思う。
まぁいつまでもそれだと、努力に満足しちゃう落とし穴があるんだけど。
結果が出ないことを他人のせいにしだしたら終わりだよな、と思う。
全部自分のせいだよ。努力の方向性、質、量、のどっかが間違ってるんだよね、結果が出ないのって。
それを自分で気付きながら修正していけるかどうかなんだと思うのだけど。
努力=量だけだと思ってるとつまづいた時に抜け出せない印象。
当時の僕は、苦しいことを我慢することのみが真の努力だと思っていた。
ガムシャラに時間を割いたり、数をこなしたりするのは、自分を痛めつけているだけだと気づけなかった。
自分のなかに、こうすれば成長するという論理的な裏付けや確証がないにもかかわらず、自分を痛めつけることが一番の薬になると勘違いしていたのだ。
それに、間違った努力は強迫観念をも生んでしまう。
「こんなに頑張っているんだから結果が出るはずだ。
これだけやって結果が出ないのは世の中がおかしいからだ」
そんな歪んだ思考になってしまう。
P.182 - P.183
最初から質を追い求める事は出来ない気もしていて、
ある程度量が蓄積されてから、質への転換ってイメージだな。
結局、大切なのは質であって量ではないということだ。
その身を削って1日15時間を割いたところで、成長につながる何かしらの発見があるとは限らない。
そもそも、物事の追求にそれだけの時間を割いていると睡眠時間が削られ、満足な食事もできず、体調管理が十分ではなくなってしまう。
すると、いずれ必ずガタがきて、どこかで立ち止まらざるを得なくなる。
健康でなければ良い結果を残すことができないのは、ゲームに限らずスポーツ、仕事、芸術、趣味など、どの世界にも共通することだろう。
常に高いレベルをキープし、コンスタントに結果を出し続けるという観点からすると、物事の追求に自分の限界を超えた時間を割くことは効率が良くないのではないかと思う。
P.186
セルフ・コントロール
自分で自分に義務化させるのってすごくよくわかる。
自分ルールを設定して自分でどこまで守るか、とか超重要。
易きに流れるってのは本当にその通り。
プロとはいえ定期的に試合があるわけではないので、ある程度義務化しておかないと、サボろうと思えばいくらでもサボれてしまうのだ。
1年くらいサボつても、それなりのプレイができる自信もある。
しかし、だからといって怠けることはない。
人間は易きに流れる傾向がある。
だから、継続できるサイクルを作ることは、あるいは意識の変化と同等か、それ以上に大事なことではないかと思っている。
P.201
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