具体的なケースを引き合いに出しながら、
リーダーシップに関する理論を解説してくれる良書。
読んでいて「あー、こういうことあるな」と感じるので
それだけ話が腑に落ちているということなのだろう。
- 作者: 大島洋
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/02/05
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 19回
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そもそも管理職とは
管理職の職務は、その職位に共通した大きな特徴を持っている。ひとつは、経営
者側の立場で活動することを前提に権限と責任が付与され、企業全体の成果創出
を目指す行動が求められるという点だ。すなわち、自分の所属する組織やチーム
のことだけではなく、企業全体の最適解について考えることが要求されている。
もうひとつは、個人としてではなく自らが率いる組織あるいはチームとして成果
を出すために、部下の活動への関与が求められているという点だ。つまり、管理
職は、自分のことだけでなく、部下のことも考えなければならない。
P.6 - P.7
至極まともな、普通のことなのだけど、
非常に簡潔に言い表していてわかりやすかった。
あぁ、こうやって説明してあげれば良いんだね、と。
万能なリーダーシップは存在しない
求められるリーダーシップのあり方は、取り巻く状況抜きには語れない。言い換
えれば、いかなる状況においても有効で万能なリーダーシップは存在しないのだ
。企業組織の管理職が有効なリーダーシップをとるためには、第三の要素である
状況を的確に認識し、それが自分およびメンバーに与える影響を把握しておくこ
とが必要だ。
P.43
リーダーとフォロワーの関係は状況によって変化する。
リーダーってのは適切な状況把握がないと適切な振る舞いは
できないってことだな。
グループとチームの違い!
グループは各メンバーの成果の総和がグループ全体の成果であることを前提とし
ているのに対し、チームは各メンバーの成果の総和を超える成果をチーム全体で
出すことを前提としている。したがって、通常、管理職としてグループを率いる
場合には、グループ全体の仕事を個人ごとに分解して割り当て、各々のメンバー
が出した成果をまとめることによって、グループ全体の成果を生み出すことにな
る。
一方、チームを率いる場合には、チーム全体の仕事は必ずしもすべてが明確に分解されないままメンバーに共有され、流動的な役割分担とメンバー同士の相互
作用の中で新たな価値を生み出すことを目指す。
P.175 - P.176
今までグループとチームの違いを意識したことが無かったので、
この定義は明快でなるほど、と思った。
信じることは大切
人には潜在能力があり、リーダーが予期しない高い成果を組織メンバーが出す可
能性を認めることだ。すなわち、自分の想定を逸脱した個人の自由な活動を許容
し、メンバーひとりひとりに潜んだ力を引き出し、同時にメンバー間の相互作用
を通じた相乗効果を生み出すことにより、組織能力発揮の最大化を目指すことが
必要だ。
P.217
これはきっとその通りなのだと思うけど、
ちゃんと実践するのって凄く難しいことなんだろうな、とも思う。
- 作者: 大島洋
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