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全ての悩める中間管理職へ 部下へのフィードバックのいろはを教えてくれる良書。 中原淳/フィードバック入門

部下への指導をどうすりゃいいのか、これは管理職の永遠の悩み。

しかも、部下が期待に沿った行動を取らないとき、
その部下にとって耳の痛いこともしっかり伝えなくちゃいけない。
わかっちゃいるけど、これって相当タフな仕事。

本書はそんな部下へのフィードバックのあり方をまとめた入門書。
理論的にどうあるべきなのか、を知っておくことは指針になるし、
とてもわかりやすいので全マネジャー必携の書かもしれない。

昔とはそもそも環境が違う

長期雇用、年功序列、タイトな職場関係、この3条件はいわゆる高度経済成長時代とは異なっている点。
昔はうまくいった、というのはこの条件に浅られているパターンが多く、
これが崩れた現代の中間管理職が難しさ、やりづらさを感じるのは至極当然!
悩んでいるのはあなただけではない、ってこと。
そして、昔のやり方では通用しない、というのも事実。


管理職はいつだってグレー

マネジャーの仕事とは「白黒つかないもの」なのです。マネジャーはいつだって「グレー」を生きています。
P.38

白黒はっきりつくような問題はそもそも現場で解決できるわけで、
管理職の仕事はそうではない問題の調整。
ある意味どちらの言い分にも正しさがあることをどう仕切るかの問題。
経営者の意思決定もそう。
正しい意見の中から進む道を決めるのが意思決定。

中間管理職の仕事の難しさは、一言で言えば、「他者を通じて物事を成し遂げなければならない(Getting things done through others)」ということです。
P.45

優秀な現場がマネジャーになるとついつい自分が手を動かしてしまうって問題が起こりがち。
そもそも自分がやってしまったらそれは現場としての働き方で、
マネジャーとしての役割を果たしたことにはならない。

人を動かして、成すべきことをする。
だからめっちゃもどかしい。。
でもこれは本当に重要なことだから、職場全体で理解しなきゃいけない。


フィードバックのために必要なSBI情報

シチュエーション、ビヘイビア、インパクトの頭文字でSBI。
どのような状況で、どのような振る舞いが、どんな影響を与えたか。
この3点を客観的事実としてしっかりと伝えることからフィードバックは始まる。

このSBI情報を収集するのに有効なのが、1 on1の面談を定期的に行うこと。
隔週に1回程度が望ましいらしい。
これ、大変だけど、結果的にもっとも効率が良いかもしれない。

1on1はYahooの取り組みが有名で、最近本も出ている。
合わせて読むべきかも。

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法


振り返りのポイント

部下自身に過去、現在の状況を言葉にさせることが重要。
その上で、何が起きたのか、なぜ起きたのか、これからどうするのか、の3点を認識させる。
部下自ら、考え、言葉にさせないとダメ。
自分自身で気づけるように問いかけをするのが上司の仕事。

フィードバックで最も多いケースは、「顧客が悪い」「メンバーが悪い」などと環境や周囲のせいにすることです。それに対して、「環境や周囲のせいもあるかもしれないけど、あなた個人の行動にも問題があったのでは?」「このような悪い環境の中で結果を出すには、個人としてどう振る舞うのがいいんだろうね?」といった落とし所を考えておけば、堂々巡りになる確率を減らせるでしょう。
P.144

フィードバックの直後に無駄に褒めてはダメ!

フィードバックは、鏡のように、淡々と事実を述べるのが正解です。フィードバックを聞き入れて、問題行動が改善されたというならば、大いに褒めていいと思いますが、フィードバックの直後は無駄に褒めないことを心がけてください。
P.146

これってつい陥りがちな話。
きついこと言ったバランスを取ろうとつい褒めてしまう。
でもそうするとフィードバックの論点がぼやける。
だからダメなんだそうな。

そしてフィードバックはマネジャーにとってもストレスフルな仕事なわけだけど、
必ずしも皆がフィードバックに基づいた改善をできるわけでもないってのは意識しといた方がよさそう。
変われない人はいる。
だから、フィードバックの結果、改善したのかどうか、それは期限を切って見守るのが良いとのこと。
3〜5回、言っても何も変わらないのであれば難しい。
その際は配置転換も含めて検討しなくてはいけない。
フィードバックは常に配置転換とともに検討されるべきで、
最終的には異動させることも選択肢に入れておかないとマネジャーが潰れる。