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カゴ落ちメールだけやってりゃいいってもんじゃない。 小川共和/マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方

タイトル通り実務バリバリの実用書である。
マーケティングオートメーション(以下MA)ツールを導入したはいいけれど、
やってることはカゴ落ちメールとn日後にリピート促す(nは7,14,30,45とか)やつとかしか
結局やってなくない?って会社がほとんどな気がする。

MAツール入れてみたのはいいけれど・・・

結局、代表的なシナリオを回して、やってなかった時よりは○%CVRが向上!とか売上が向上、とかで喜んでいる。
それまでのCRM施策、メールマーケがショボければショボいほど、MA導入のインパクトはでかい。
でもそれはMAツールの成果というよりは、ダメなものが一般レベルまで上がったっていう
マイナスが0になった話に近い。
結局自動メール送信システム程度の使い方しかできずに終わってる。

それはしっかりと自分たちの顧客を想定したカスタマージャーニーを描けていないから。
本来MAツールは one to one を実現するためのツール。
これまではセグメントを細かく切っても、セグメントの数に施策が追いつかなかった。
でもMAツールを使えば細かく切ったセグメントに対しても、シナリオを設定して施策を打ち分けることができる。
でも、当然そこにはメールの種類分のコンテンツは不可欠。
結局システムメールみたいなのを自動化してもお客様は見ないんだよね。

だから、じっくり腰を据えて自社の顧客のペルソナを描き、カスタマージャーニーを描いた上で取り組みましょう、という話。


世界は自分と顧客だけ、なわけがない!

カスタマージャーニーを描く練習を何度かやってみると、かなり高い確率で競合の存在を忘れているカスタマージャーニーに出会います。自社と顧客との関係だけで描いてしまうのです。一見正しそうに見えますが、実は全くの絵に描いた餅となるのです。顧客側から見ると、「自社は多くの選択肢の中のひとつに過ぎない」という当たり前のことを忘れてしまうのです。あたかも顧客は自分の方だけを見てくれていると考えてしまうのです。マーケティングをやっているのは自社だけではありません、ライバルたちも必死でマーケティングやっているのです。基本的に客の奪い合いなのです。
P.51

ここに書かれていることはまさにって感じ。
顧客は常に複数の競合からのアプローチにさらされている。
情報を浴び続けていて、無意識のうちに棄てている。
そんな顧客の目に止まるためには、インパクトのある、コンテンツが必要。

コンテンツは常にオリジナルであることを志さないと見てもらえない。

消費者は不安

消費者は専門家ではありませんから自分の知識・判断に自信がありません。また、主義・主張、趣味・嗜好に対しても確固たる態度を保持できている大人は少数派でしょう。自分の商品選択に自信がなく不安がつきまとっているのが普通です。
P.104

上記の通り消費者は買ってからも不安なのだ。
というか、簡単に揺らぐ。
だからこそ、買った後にあなたはいい買い物をしたんですよ、って承認してあげる必要がある。

購入前は夢と期待を膨らませるコンテンツが多くなりますが、購入後はちゃんと使えるようになる、あるいは使い倒すための現実的な課題解決のコンテンツが多くなります。
P.127

そしてこの購入後のアプローチの如何がのちのリピート率に大きく影響するポイント。
ECなんかはもっと購入後のコミュニケーションを色々試して見た方がいい気がする。
ZOZOTOWNはTシャツ買った人にお手入れ方法を送ったりとかしているみたいで、
そういうの、本当に素敵なコンテンツの使い方だと思う。