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テクノロジーや自然環境、国際紛争まで幅広い分野の“いま”を切り取ったルポ。 トーマス・フリードマン/遅刻してくれて、ありがとう

『フラット化する社会』の著者の最新作、というわけでとりあえず買った。
ちょっと、表紙が地味すぎるよね、というのが読む前も読んだ後も感じることなんだけど、
まぁ、それは良いとして、上巻はテクノロジーの進化とそれによる変化のルポ。
いくつかの具体例を交えながらの話は結構面白い。

下巻になると政治と紛争の話が増える。
私にとっては途端につまらなくなる。
でもそれがアメリカで生きる人々と、ガラパゴス日本で生きている自分の
興味関心の乖離なんだろうな。

自分のグローバル感覚の無さも浮き彫りになったような気がする。
ただ、別にそれでも自分は困らないし、インターネットの普及によっても、
別に世界はフラットになっていないのかもしれないとすら思う。
だって、そういったグローバルでの紛争や貧困を自分ごととして捉えられるような状況ではないから。
結局、国や地域は、分断されていることの証左かもしれない、なんて思ってしまった。

変化が早すぎる

私たちはテクノロジーの変化がものすごく早い世界に生きている。
過去の人類の歴史を振り返ると、それは早すぎるほど早い変化。
数百年スパンで起きてきたような変化が数年で起き続けているような、
そんな変化大爆発みたいな世の中になっている。

あらたなかたちの安定は、動的な安定にならざるをえない。自転車に乗っているときのように、じっと立っていることはできないが、動き出せばかなり楽になる安定のかたちがいろいろある。
P.65

”パドルを水に入れたままにしなさい”と聞いた初心者は、パドルを舵にするのだと思って誤って解釈し、パドルを艇尾のそばで水に入れて抵抗を発生させ、それで舵を取ろうとします。これはきわめてまずい位置です・・・・・・
急流で安定を高めるには、急流と同じ速さか、あるいはもっと早く進むことが重要です。パドルを水に入れて抵抗を発生させたり、舵に使ったりするたびに、勢いが失われ、転覆の危険が増します。
P.349

コネクテッド・カウ

常時接続された乳牛の話が面白かった。
大規模酪農場での繁殖率を改善するプロジェクトなのだけど、
乳牛は発情から人工授精の完了までの期間が極めて短いんだとか。
21日ごとに12〜18時間ほどしかなく、主に夜間。
これをいかに効率的に管理し、発情を検知するか。

富士通が編み出した解決策は、無線接続された歩数計を取り付けること。
発情すると、歩数が大幅に増えるのでそれで検知できるようにしたらしい。
こういう事例紹介はすこぶる面白い。

宅配でのセンサー利用

車、1台に200個のセンサー、ドライバーは完全に監視下におかれてる。

配達車には200台のセンサーがあり、ドライバーがシートベルトを締めているか、どれくらいの速度で走っているか、いつブレーキをかけているか、似合いとの境のドアは開いているか、車は前進しているか、バックしているかを知らせてくれます。通っている通りの名前や、停止してアイドリングしている時間と移動している時間の比率もわかります。
P.94

GitHubでとオープンソース

マイクロソフトが.NET(ドットネット)と呼ばれるテクノロジーを開発し、ソースを公開。
マックやLinuxでも動くようにすると宣言したところ、
GitHubのコミュニティがマック版を一夜にして作り上げてしまったという話。

オープンソースコミュニティのパワーを物語るエピソード。

地球環境自体も激変

テクノロジー分野だけの話ではなくて、環境面でも激変しているという話。
こう言うのはなかなか自分ごとにならないけど、こうやって定量化されるとぞっとするね。

グリーンランド氷床の誘拐は加速しているという。「2003〜2010年に解けた氷の量は、1983〜2003年の倍であるだけではなく、20世紀中に失われた総量に相当する。
P.290

でも、対策がうまく効いてるものもあるらしく、
オゾン層はフロンを世界的に禁止してから工業化以前のレベルの
5%以下の消失というレベルまで回復しているらしい。

しかし、人口はわずか30年の間に20億人以上が増える予想がある。
人々が都市部で暮らし始め、経済的にもミドルクラスになってくると、
環境への影響は幾何級数的に進む。

未来の工場

近未来、労働が機械に代替されていく世界を風刺したジョーク。

未来の工場で働いているのは、1人の人間と1匹の犬だけだ、人間は犬に餌をやるためにいる。犬は人間が機械に触らないように見張るためにいる。
P.342

貧困の救世主はニワトリ

ビル・ゲイツは財団の活動を通じて、ニワトリの飼育が貧困の救済にかなり有効であることを学んだらしい。

極端に貧しい暮らしをしている人々がニワトリを飼うと、暮らし向きが良くなることが、はっきりとわかった。それどころか、私がそういう立場だったら、必ずそうする--ニワトリを飼う
下巻 P.86