ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

良質な入門書は改めて色々なことに気づかせてくれる。初学者からベテランまでオススメ 逸見光次郎/マーケティング 顧客ファーストの時代を生き抜く新しいルール

オムニチャネルといえばこの人、みたいな感もあるマーケターが書いた入門書。
逸見さんが基本的な要素を整理しつつ、第一線で活躍するマーケターがコラム的に寄稿している構成。

基本と濃い話が絶妙に混じってる。

そしてこういう入門書は必ずしも初学者のためだけじゃない。
基礎であるがゆえに良質な入門書は改めて色々なことに気づかせてくれるから。

主観的に考える

これはスマートニュースの西口さんのコラムの一節。
ロジカルな最適化は早晩AIがやるようになるよ、と。
そうなった時に人間じゃないと出せない価値はなんなのか。
自ら没入し、同化して、主観的に考えることが大切なんだね。

知識を蓄え、そこから論理的に考えるのは、AIが担当してくれます。最も重要なのが、マーケットに身を置いて、主観的に新しい需要やニーズを考えること。ターゲットを客観的に見るのではなく、自らをターゲットとして、非線形的に、これまでにない価値のあるもの、サービス、コミュニケーションを考えてみてください。
P.38

主観ってすごく大切なんだけど、持ってる人以外と少ない気がする。
全然自分の頭で考えてなくて、誰かの受け売りだったり、人の意見に合わせているだけだったり。
真の主観とは他人に何と言われようと自分がたどり着いた思考であり、真実。
自分にとって真実なのであれば、それは真実なのよ、自分にとっては。
それが理解されるかどうかすら関係ない。
そういう自分にとっての真実にたどり着く思考力と、
空気読まない自立心がないと、主観的に考えられないと思うのよね。

計画と実行

数字に落とし込んだ明確な目標を作ることがスタート地点。

実行フェイズになったら、現場での販売活動が中心になってくる。商品の確保、店頭への販促物(ポスターやPOP)の掲示確認や各種宣伝など、「実行すると決めた施策」を、「決められたタイミング」で「決められた担当者」がきちんと実行していくことが大切だ。
(中略)
「各施策の実行」と「その数値の見える化・共有化」が両輪で回ってこそ、キャンペーン効果の最大化がはかれるのだ。
P.136

数値を見える化して、公開、皆と共有することで全員当事者意識を持てるようになる。
状況の理解、把握を一緒にしないとダメ。
認識を揃えて皆で考えればいい知恵もわくが、当事者意識を持たないまま考えろと言っても意味がない。

商品勘定から顧客勘定へ

売り上げの計画は商品ではなく顧客で勘定する。

「商品がどれだけ売れるか」という「商品勘定」から、「年間いくら使う顧客が何人いたら予算が達成できるか」という顧客勘定になる
P.152

目標設定した期間で、何人の顧客が、平均何回買って、注文あたりの単価はいくら、例えばこれらがどうであれば目標が実現するのかイメージできているか?
できてないなら、今すぐ計算して明示したほうがいい。
例えば上記の場合、購買客数が少ないのか、購買頻度が少ないのか、単価が少ないのか、どこがうまく言っていないのかを常にモニタリングできる。
分解した指標を持てば、モニタリングできる。モニタリングできれば常に異変に気づけるし、改善アクションの頻度も高まる。

KPIの立て方に気をつけろ

例えばコールセンターは通話時間を短くして業務効率を上げることを目的にするのではなく、応対した顧客が実際に次の買い物をしてくれたかどうかをデータで見える化し、頻度向上を図ることが重要になっています。
P.162

上記はとても良い例。
お客様への対応時間を短くすることがKPIなのと、応対した顧客が次回も買ってくれるかがKPIなのでは行動が変わる。
何が目的なのか、目的とKPIはしっかりと整合しているか、マネジャーはここを死ぬほど考えぬかないといけない。

メッセージは1つじゃない

マス媒体の時代は顧客には共通の1つのメッセージを伝えていればよかった。
でも、もうそういう時代じゃない。

同じ商品・サービスの情報を伝えるにしても、顧客の利用シーンやニーズに合わせて伝えるメッセージを変えていかなくてはならない。
P.182