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10年前の本だけど、世の中はやっと追いついてきた感じ 原田保/カスタマーマイニング

ビジネススクールの教授が参考書や教科書に
指定する本には良書が多いのではないか。
しかも、それらは書店のビジネス書コーナーで平積みされている本ではない。
つまり、普通に書店にっても出会えない。
そんな気がした。

だから興味の向くままに片っ端から読んでいこうと思って
手に取った最初の1冊がこれ。

カスタマーマイニング―ターゲットからプレイヤーへ (資源ベース経営戦略論)

カスタマーマイニング―ターゲットからプレイヤーへ (資源ベース経営戦略論)


正直10年前の本だとは思えないほど良いことが書いてある。
そしてビックデータがいかに薄っぺらいバズワードかもわかる。
10年かけて時代がようやく追いついた感じ。
というか自分も昨年からようやく今の仕事に関して
この辺の問題意識を持てるようになった。
無知は罪だなぁ、と反省した次第。


顧客は資源であり、主体、という発想

顧客は企業にとっての貴重な資源であることはもちろんだが、
顧客をビジネスのターゲットと捉えるのではなく、
主体としてビジネスモデルに組み込む発想を持たねばならない。
これはまさにおっしゃる通りなのだが、10年前の話と思うと凄い。
全然古びていない。


データマイニングとカスタマーマイニング

マイニングすべきは顧客の過去の購買履歴に代表されるデータなどではなく、
顧客が何を求めているかを企業に確実に伝達し得る深い情報であることになる。

必要なのは単なる過去の分析ではない!
深い情報をどう収集し分析に活かしていくのか、
その仕組み全体を考えないといけない。


ケイパビリティが失われるのは一瞬

バリューネットワークのケイパビリティ醸成には時間がかかるが、
失うときは一瞬で失ってしまう。
バリューネットワークの中のリレーションシップを意識すること。
自社のことだけを考えていると、いつの間にかバリューネットワークの
ケイパビリティは下がり、競争優位を失っているかも。
B to Bの視点も忘れちゃいけないなぁ、と思う。


顧客エクイティの最大化

要するに重要顧客を識別し、そこに費用を投下しろ、ということ。
重要顧客の見極めにはデシル分析が有用。
カテゴリーごとのデシルで上位30%を拾うだけで、
重要な顧客を選別できる。
デシル分析は単純に10分割するだけの簡単な分析なのですぐに始められる。


セグメント・ターゲティング

Frequent Shoppers Program(FSP)ではデシルランク30%に対して、
特典や割引を提供している。他にもRFM分析などが良く利用されているが、
RFMの各ランクを上位30%とその他の2段階で評価するという簡易手法も
わかりやすくて意外と使えそう。


効果測定

プロモーションが行われたら必ず効果測定をすること。
効果測定をしないプロモーションは次の計画や予測に
つながらないので意味なし。


SFA導入の意義

SFA(Sales Force Automation)は
営業と顧客の関係を構築する支援システム。
暗黙知として個人の中に蓄積されてしまう
営業のノウハウをナレッジとして共有しましょうと言う考え方。
暗黙知であることで生じる機会損失は
大きいというのは大いに共感できる。


「知識ベース」

意思決定上において価値が高く、競争に勝つ行動を起こすことを
可能にする資源が「知識ベース」なのである。

「知識ベース」が資源ベース理論における競争優位の源泉になると言う考え方。
確かに模倣困難性もあるし有効だと思う。
ナレッジの蓄積が組織的に行われる環境をいかに構築するかが問題。
つまるところ組織作りなんだよな。


データウェアハウスの戦略的活用

限定された業務や目的の効率を高めるためのものではない!
競争環境において持続可能な優位性を生み出すのが目的。

予め測定可能な期待値に対して適正なコストを使うのではなく、
さらに多くの手段を用いて、期待値を上回る結果を
得ようと言う考え方である。

そこまで持っていくつもりで望まなければ!!


自発的な情報への欲求が必要

データウェアハウスは情報活用の環境。活用の強制力は持たない。
というか活用の強制は不可能。
強制できるのは定型情報レベルの話。
本当に大切なのは、非定型的な情報分析であり、
自発的に疑問を持って発見していく姿勢をサポートするものでしかない。
強制するのではなく、小さな成功を積み重ねさせることが大切。

カスタマーマイニング―ターゲットからプレイヤーへ (資源ベース経営戦略論)

カスタマーマイニング―ターゲットからプレイヤーへ (資源ベース経営戦略論)