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一口にファストファッションと言っても、各社の戦略はかなり違って面白い! 斉藤孝浩/人気店はバーゲンセールに頼らない

H&M、ユニクロ、ZARA、しまむら、といった
ファストファッション企業を題材に各々の戦略の違いや工夫を解説した本。

一般的なアパレルの指標と比較して、
どう違うのかといった視点で語られているところが非常に勉強になった。

ファストファッションと括られる中でも、
実は個々の商品戦略、販売戦略はかなり違うと言う話は
知っておいて損はない話。


正価販売率は50~60%

アパレルの通常の正価販売率=値引きしないで売れる率は、こんなもんらしい。
60%後半に行けば十分合格点らしいのだけど、
それに対してZARAは80~85%というからさすが。


セールシーズンに向けて強くなる生産体制

ローリーズファームの事例で面白かったのが、
シーズン後半になるほど商品力が強くなると言う話。
ヒット商品と改良商品をシーズン当初から店頭の動きを見ながら
クイックに生産していく体制ができているので、
後半になればなるほど強くなる、という仕組み。
いっぽう、動きの悪いものは素早く値下げなどの対応を行い、早期消化を目指す。
セール終了後の期末最終消化率が業界水準=85~90%に対して、
ローリーズファームは97%以上らしいので、
データに基づいたクイックな生産&在庫コントロールが
いかに重要かを物語る数字。


52週で考える

アパレル業界はよく52週で考えると言われますが、
商品投入をどの曜日に行うかは悩みどころ。
週末に向けて金曜投入というのが普通らしいが、
そうなると実は月曜が手薄に。
で、ZARAは月曜と金曜の2回投入が基本らしい。
52週の中に2回商品投入機会を設けることで、
104回の機会を作り出していると言うわけ。
本書の中ではZARAが結構首尾一貫した
戦略を持っている感じがして面白かった。


粗利率*商品回転率=交叉比率

小売の経営効率指標らしい。
この指標は商品単位とかSHOP単位とか、
対象を変えるだけでも色々なことが見えてきそう。
これも今後の分析のヒントになるだろうな。