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人事にまつわる一般的な考え方をさらっと学べる入門的教科書! 高木晴夫/人的資源マネジメント戦略

人材系の領域は幅広く自分で適宜自習していかないと薄っぺらい話だけで終わってしまう。
というわけで、読んでみた1冊なのだが、基本的にわかりやすい入門書といった感じ。
著者は慶應の教授でこの領域では有名な人。

採用、評価、報酬、配置と移動、昇進、退職と解雇、人的資源開発、従業員を守る、
というトピックスについて語っており、それぞれに対して
どういった考え方が存在するかを教えてくれる。
当然、正解はなく、企業がどうしたいのか、どんな組織を作りたいのか、によって
正解は変わってくるもの。
ただ、選択肢やベストプラクティスを知っておいて損はない、ということは確か。

話は変わるが、この本を読みながら佐藤優が知らないものは速読できない、と言っていたのを思い出した。
と、同時に、しっかりとした教科書を丹念に読み、基本的な知識を得てからの多読を勧めていたのを思い出した。
人材系の本は『組織の経済学』をちゃんと読んでから読むと、本当に理解が早い気がする。

そういう意味では、あれを丁寧に読んでいたので、この本はかなりすんなり読むことができた。


ビジネススクール・テキスト 人的資源マネジメント戦略

ビジネススクール・テキスト 人的資源マネジメント戦略



年俸決定のベンチマーク手法

何人かの従業員をベンチマーク人材としてピックアップし、彼らの市場価値をコンサルティング企業から得た情報を元に確定して年俸モデルを作る。次に、これらの従業員の価値と他の従業員の価値を比較し、他の従業員の相対的な価値を決定する。

年俸制導入時の考え方のひとつとして、参考になった。


配置とは

配置とは、計画が先にあって行われるものであり、要員計画を実施することである。


はじめに計画ありき。


労働力の市場化

市場かとは市場価値のある人にとって市場があるということ。
でもそれは、裏を返せば、自分の代わりになる人は
いくらでもいるという状況の中での戦いになる。
専門分野での採用はこちらの方が有効そうだが、
自社にとって価値のある人材育成には日本型終身雇用年功序列が優れている面も多い気がした。


昇進格差

昇進格差のつき方にもいろいろと考え方がある。

  • 一律年功型

基本的に昇進格差はつかない。
アメリカ企業の現場の労働者はこのパターンが多いらしいというのも意外。

  • 昇進スピード競争型

昇進が遅れてもいずれは役職に就けるというパターン。
ただ、なるスピードが違うよ、という格差。

  • トーナメント競争型

昇進競争に一度敗れると、次の戦いには参加できない。
負けてしまうと復活できず、勝者は勝ち続けなくてはならない。


富士製薬のリーダー交代制

リーダーの交代制、実質的な降格も含む交代制を導入した際の話が紹介されているのだが、
これが実に面白い。
交代させられた側への配慮ばかり気にしてしまうが、
リーダーの交代制が当然のものになってくると、交代させられた側も内省をはじめ、成長していく。
結果、多くの人間がリーダーを経験し成長につながる。


ビジネススクール・テキスト 人的資源マネジメント戦略

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