9章はブランドとブランディングに関する話題のまとめ。
ブランドとは
個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。
P340
と定義されている。
ブランドの力は認めるけど、ブランド・マーケティングと言われるとどうも胡散臭さが先に立つというか、
ブランドがどうのこうのという話を先に持ってくる人がどうしても信用できないというか、
ブランドを語る人に中途半端な人が多いというか、という個人的現実的な経験から、
この分野はかなりイメージが悪いのですが、薄っぺらい言説に惑わされぬためにも、
先入観を抜いて学ぶことが必要だと自分に言い聞かせて読んでます。
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ブランディングの範囲
最終的には、ブランドは消費者のマインドの中に存在するものである。ブランドは現実に根差してはいるが、消費者の知覚と思い込みで形成されている。
P.341
というわけで、いきなり思い込みにすぎないと宣言。
で、マーケターはこの思い込みをどのように醸成するのか、に知恵を絞る。
その製品が何者で、何をするのか、なぜ気にかけるべきなのかを消費者に教えることが大切。
ブランド・エクイティとそのモデル
ブランド・エクイティ=製品やサービスに与えられた付加価値。
まぁ結局この付加価値が、定性的な思い込みにすぎないために、
定量化することが難しいというかある種の飛躍がそこにあるような気がして
いまいち信用できないんだとは思う。
ブランド資産評価バリュエーター
ヤング・アンド・ルビカムが開発したモデル。
差別化、重要性、尊重、知識、の4つの柱でブランド・エクイティの比較手段を提供する。
アーカー・モデル
カリフォルニア大学バークレー校の元教授が提唱するモデル。
ブランド・エクイティをブランド資産とブランド負債のまとまりと捉えている。
これらは常に加えられたり差し引かれたりする。
ブランド資産と負債は5つのカテゴリーを持つ。
ブランドロイヤルティ、ブランド認知、知覚品質、ブランド連想、その他の所有資産、の5つ。
と、言われましてもやっぱりピンとこない。
他にも、BRANDZやブランド・レゾナンスもでるが紹介されてた。
結局相対的な比較はできても絶対的な定量化はできないイメージなのだけど、
実際のところはどうなのだろうか?
ブランディングの観点からみたone to oen
細やかで活発な関係を作り出すことによって、消費者をもっと積極的にブランドに関わらせるものである。
P.355
まぁ、そうなのだが、、、
とりあえず、最近の新しいマーケティング手法の数々は、
従来のマーケティング・ミックスや4Pの考え方が、
うまく当てはまらないこともあるのを示唆している。
パーミッション・マーケティング
- 見込み客に自分から応えたくなるインセンティブを与えよ。
- 製品やサービスについて消費者に教える長期にわたるカリキュラムを、興味を持った見込み客に提供せよ。
- 見込み客がパーミッションを確実に維持するよう、そのインセンティブを強化せよ。
- 消費者からもっとパーミッションを得るため、さらにインセンティブを与えよ。
- 時とともに、消費者行動を利益に転換するよう、パーミッションを活用せよ。
P.356
このパーミッション・マーケティングの欠点は、
消費者が自分が何を望んでいるか知っていると想定していること。
最近はこの前提に疑問を呈していて、消費者に尋ねてもわからない、
だから消費者の行動を分析しないと見えてこないという考え方があるわけで。
でも、このネット時代、とても大切な考え方の気はするので、深掘りしてみたいテーマではある。
とりあえず参考図書
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2冊とも同じ本。最初の邦訳が翔泳社の方。
ブランディングの決定
最初に下す決定は、製品のためにブランド名を開発するか否か。
良く用いられる戦略は4つある。
個別の名称をつける。
企業の評判と製品の評判がすぐに結びつかない。
ゆえに、製品が失敗しても企業のイメージには傷がつきにくい。
1つのファミリー・ネームを使う
名称を決めるための調査がいらず、ブランド名の認知のために
多額の広告がいらない。
いくつかの異なるファミリー・ネームを使う
まったく異なるジャンルの製品を生産している場合は、
あまり共通のファミリーネームを使うのは望ましくない。
個別の製品名と社名を組み合わせる
企業名によって、新製品がどの企業のものかを明示し、
個々の名称は新製品を特徴づける。
ブランド・ポートフォリオ
1つのカテゴリーに複数のブランドを導入する理由
- 店舗内における棚での存在感を増し、小売業者の依存を高めるため。
- 多様性を求め、もしそれがなければ別のブランドにスイッチしてしまったかもしれない消費者を引きつけるため。
- 社内の競争を増やすため。
- 広告、販売、マーチャンダイジング、物流において、規模の経済性を生むため。
P.378
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