14章は価格に関する解説。
4Pの中で唯一収益を生み出すのがこの価格。
価格政策は、収益を出す上で非常に重要な問題。
消費者にとって価格は品質の目安にもなっている。
価格を下げれば裾野は広がるかもしれないが、
一方で失うブランドイメージもある。
- 作者: フィリップ・コトラー,ケビン・レーンケラー,恩藏直人,月谷真紀
- 出版社/メーカー: Pearson Education Japan for JP
- 発売日: 2008/04/02
- メディア: ハードカバー
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価格の改善が営業利益へ大きく影響する
当たり前っちゃ当たり前なのだが、とにかく影響が大きい。
マッキンゼーの調査によると、価格を1%改善すると、
営業利益は11.1%改善される、という調査があるらしい。
ただ、これって逆もしかりのはずで、
競争によって価格競争に飛び込むと、お互い営業利益を削りまくる熾烈な戦いに。
価格政策のステップ
まずは目的を決める。
業界での生き残りが目的なのか、経常利益の最大化が問題なのか、
シェアの最大化なのか。
そして需要の判断が必要。
需要はそもそも価格に対してどの程度の弾力性を持っているのか。
需要を判断した後は、価格設定なのだが、
これに関しても色々な考え方がある。
知覚価値価格設定
顧客の知覚価値を基準に価格を設定する企業が増えつつある。
企業は買い手に価値を知覚させなければならない。
ただ、顧客がどの要素を重要視して価値を感じているかは、千差万別。
バリュー価格設定
顧客のロイヤリティを勝ち取る方法。
イケアやサウスウェスト航空が成功事例。
一般的に一時的な値引きを繰り返す、ハイ・ロー・プライシングよりも、
EDLPの方が、平均値が同じだったとしても、長期的に価格が低いと知覚されやすい。
価格適合
地理的需要やコスト、受注水準などの様々な要素を検討して、価格は決定される。
ZARAなんかはスペインから離れれば離れるほど、価格をあげているらしい。
ペプシコののロシアでの相殺取引の例も面白い。
受け取った金を現地で落とすことを契約に盛り込んでいるという。
ペプシコの場合は、コーラで手に入れたお金でウオォッカを買うようになっている。
価格変更の実施と反応
値下げすることのリスク。
低品質の罠
価格が安い=価値、品質が低いと思われてしまう。
脆弱な市場シェアの罠
低価格によってシェアは得られても、ロイヤリティは得られない。
値上げするときのやり方。
遅延価格設定
製品が完成、あるいは納入されるま最終取価格を決めないやり方。
エスカレーター条項
ある特定の物価指数を値上げの根拠として、あげる。
アンバンドリング
価格は維持するが、ここまでにオファーに含まれていた要素を
外したり、別途価格をつける。
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