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変化に対応する能力がとわれる現代、ゲーム理論が面白い 御立尚資・柳川範之/ビジネスゲームセオリー 経営戦略をゲーム理論で考える

ボストン・コンサルティング・グループの日本代表である御立さんと
東大教授の柳川さんが経営戦略とゲーム理論をテーマに対談する本。

ゲーム理論って自分の動きが相手にどう影響するか、
それを考えた上でどこが均衡点みたいな話なので非常に経営戦略とも相性がいい。
難しい数式なしで進むので、万人にお勧めできる内容。


価格競争を避けるためには競合の価格引き下げインセンティブを落とす

言い換えると、価格競争での共倒れを防ぐためには、ライバル企業の価格低下メリットを小さくすることが重要になるということです。例えば、商品の差別化やブランド価値の確立等を行えば、ライバル企業が価格を引き下げても、あまり消費者を奪われずにすみます。すなわち、ライバル企業の価格引き下げメリットが小さくなり、共倒れにならずにすみます。つまり、ライバル企業の価格引き下げインセンティブを落とすことによって、価格競争の激化を防ぐ努力をしているのが、多くの現代企業であるということができます。
P.65 - P.66

たしかに価格を下げても売れないならば価格を下げる人はいなくなる。
自らの製品やサービスがどういった土俵で戦い顧客に選ばれているのかってのはすごく重要なことだな。


プライシングの要諦は顧客が満足して儲かること。

今の値段で例えば焼きそば500円、大盛り焼きそば700円と書いてある。でも大盛り焼きそばは、倍の量がある。そうすると、こちらはおなかが空いている高校生ですから、200円追加して倍量はお得だと、心理的効用が大きいので必ずそちらを食べてしまうのです。あとで胸焼けするのですが(笑)。ところが、サプライヤーから考えると、これは先ほどのレストランの話と同じで、原価コストは相当低いのです。焼きそばの玉を1個加えて、キャベツと肉とショウガの端切れを足して、光熱費を入れても、想像では30、40円です。40円の追加コストで200円の追加収入を得ることは、私からするとプライシングの極意のような気がします。しかも、消費者も大満足です。
P.88

顧客に選択肢を与え、とてもお得であるかのようにオファーする。
顧客も得した気分で満足、事業者も利益が増えて満足。
何でもかんでも安くすれば良いってもんじゃない。
プライシングって本当に重要だな。

消費者自身の満足感はコストとは関係ない。逆に言うと、そのギャップを作るのがビジネスのコツなのです。先ほど話に出た品質のゲームの場合も、ブランドと呼ばれるものの価値なども皆本質は同じです。心理的満足感はコストと無関係なので、そちらのゲームに持っていってしまうことが、実際に利益を増やす構造なのです。
P.88

心理的満足感はコストをかけなくても上げられる。
これが本当に重要なポイント。


組織がでかくなると内部の取引コストもでかくなる。

実務の側からいうとー同じことをたぶん違った表現をしているのだと思いますがー一定の規模を超えると管理コストが高くなるという考え方があります。よくあるのは、部門間の調整が必要になったために、その調整を行うための部門を置くことでコストが発生するという問題です。例えばものすごく巨大な営業組織を考えると、仙台の営業組織と青森の営業組織の間で値段の齟齬が起きないように調整したり、予算をきちんとモニタリングしたりする人や組織が必要になります。
P.104

他の所でも耳にしたけど、社内は取引コストが低いという前提を見直す動きがあるそうな。
一定の規模を越えると社内でも調整が必要になってきて非常に取引コストがかかるようになってしまう。

先ほど企業間の取引をするときには取引コストがかかると言われましたが、実は企業内で取引をするのにも取引コストが大きくかかるという話は、最近の組織の経済学の1つのキーワードでもあるのです。
P.107

まぁ、ある種の官僚化して行く組織とか典型だよな。


CRMはカスタマー・リレーション・マネジメントからコーズ・リレーテッド・マーケティングへ

CRMという略語があります。少し前までCRMは、カスタマー・リレーションシップーマネージメント(Customer Relationship Management)だと理解されていたのですが、最近、コーズーリレーテッドーマーケティング(Cause Related Marketing)の略だと捉えられる機会が増えています。
これは何かというと、例えば、「この商品を買っていただくと東日本大震災被災地支援事業に1円寄付します」というソーシャルーコーズ、社会的な理由でこの商品を支持してくださいというマーケティングが、けっこう出始めているのです。

まぁ、確かにそこで買う理由、みたいなものが重視されつつある。
物語がより重視されているみたいな傾向。
まぁ、気持ちはわかるんだけど、そういう理由が無いと買わないってのもなんか面白くない。
それにそういう理由もなんか薄っぺらくて素直に良いことだとは飛びつけない。
まぁ、そのうち廃れる気がするな、これは。