ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

世界はぜんぜんフラットじゃない! 天才学者の代表作。 パンカジ・ゲマワット/コークの味は国ごとに違うべきか

天才学者の代表作。
本書の原題は『グローバル戦略の再定義』、
親しみやすいようにタイトル変えたんだと思うのだけど
果たして成功だったのかは微妙・・・。

コークの味は国ごとに違うべきか

コークの味は国ごとに違うべきか


ゲマワットがどれだけ天才かというと・・・

ゲマワットは優れた才能と探究心に加え、国際的な見方のできる、存在感のある学生だった。一年間彼と一緒に仕事をして、私は彼が将来すばらしい業績をあげると確信した。ゲマワットがハーバード大学の学部から博士課程までを六年問で修了するのを私は興味深く見ていた。
そして彼が博士課程修了後コンサルティング業界に進むことに決めたときはうれしかった。彼がマイケル・ポーターの誘いにより二三歳でハーバードービジネススクールの教員に加わったときは歓喜した。
その後、持続性と競争のダイナミックスに関する優れた研究が評価された彼は、最年少でハーバードービジネススクールの教授になった。
P.8

で、本書が発表された時って、
フリードマンの『フラット化する世界』が話題になっていたタイミング。
ゲマワットはそれを真っ向から否定、グローバル化していく世界は
必ずしもフラットにはならないということを様々なデータを用いて示した。

フラット化する世界〔普及版〕上

フラット化する世界〔普及版〕上


というわけで、グローバル系の人には必読書なのだと思う。
超ローカルな仕事なので、個人的にはまぁそんなもんかなぁ、くらい。


CAGE理論

世界はフラットじゃない。そこには差異がある。
その差異を分析する4つの切り口がCAGE。
文化的(Cultural)、制度的・政治的(Administrative /political)、
地理的(Geographical)、そして経済的(Economic)。
それぞれの側面の頭文字をとって、CAGEフレームワークとして提起し、
これによって国ごとの戦略的差異を認識する必要性を説いている。

で、差異を分析した上での対応策としてAAA戦略を提唱。
Adaptation(適応)とAggregation(集約)、
そして国ごとの差異を活用するArbitrage(裁定)の3つのA。
わかるんだけど、なんか具体的にイメージつきづらい気もした。

グーグルがロシアと中国で苦労したことは第一章で述べた。
これにはCAGEな隔たり全部が関係している。
・文化的な隔たり グーグルがロシアで苦労したのはロシア語が比較的難しいことが原因の一つだと思われる。
・制度的な隔たり グーグルが中国の検閲への対応に苦労したのは中国の制度・政治的枠組みとアメリカ本国の枠組みの違いを反映している。
・地理的な隔たり グーグルの製品はデジタル化できるが、遠いアメリカからロシアに適応するのに苦労し、結局現地にオフィスを設立した。
・経済的な隔たり ロシアは資金決済のインフラが未整備だったため、グーグルは現地の同業者と競争するのに不利であった。
P.63

なんかでも、もやもや、ふわふわしたフレームワークな印象がぬぐいきれない。
まぁスケールがでかすぎるのかな。


グローバル企業は国の概念は超越するべき?

「本国なんてものはない」と宣言したゴイズエタの下でのコカ・コーラほど極端に走った企業は非常に少ない。しかし、真のグローバル企業たるもの「国」などという概念は超越すべく努力すべきだと多くの経営者は考えているようだ。そういう考えを持った経営者は失望することになるだろう。外国企業は「外来種らしさ」を捨て去ることができないからである。
P.51

差異に適応するか、差異を活用するか。
差を自覚しないとスタート地点にも立てないってことかな。

これまでの実績を見る限り、ウォルマートは本拠地であるアーカンソー州ベントンヴィルからの距離が遠くなるほど業績が落ちる。柔軟性と適応性の不足が最大の原因と考えられる。その一例として、サッカー熱の高いブラジルでアメフト用のボールの在庫を持つなどの取扱商品の失敗が挙げられる。
しかし問題はもっと深いところにある。私の推測では、同社を国内で成功に導いた五〇項目の方針のうち、三五項目は概ねそのままで、一二項目は部分的に、海外事業でも使われている。国ごとの差異に左右される業種でこの数は驚くべき多さだ。
P.170

例えば、この事例は、差に鈍感な例なのだろう。
コンテンツビジネスなんて、文化的な隔たりの前にどう対応するかを常に問われるよな。
ということは、超ローカルな自分も考えさせられた。

コークの味は国ごとに違うべきか

コークの味は国ごとに違うべきか