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サンクコストに縛られた人生を知らずに生きていないか?と考えさせられた。 岸見 一郎・古賀 史健/嫌われる勇気

欧米ではフロイトユング、と並ぶ偉大な心理学者として著名なアドラー
日本だと正直そこまでの知名度は無いと思うのだけれど、
このアドラー心理学の肝をわかりやすく解説した本。
それも哲学者と若者の対話として構成されているので、とても読みやすい。

少しキャッチー過ぎるよな、と馬鹿にしていたところもあったのだけど、
実際に読んでみると個人的にはとてもしっくりくる話が多くて、
とても学びが大きかった。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え


怒りの感情は道具

要するに、怒りとは出し入れ可能な「道具」なのです。
電話がかかってくれば瞬時に引っ込めることもできるし、電話を切れば再び持ち出すこともできる。
この母親は怒りを抑えきれずに怒鳴っているのではありません。
ただ大声で娘を威圧するため、それによって自分の主張を押し通すために、怒りの感情を使っているのです。
P.35

確かに我慢できなくなって怒っている風に思っていても、
実際は怒ろうという意思で怒っている気がする。
コミュニケーションにおいて、
その方が良いと判断してその感情を選択しているってのはあるかもしれない。

逆に怒っている人には怒ることで伝えたいこととか、達したい目的があるはず。
それを察してあげられれば、コミュニケーションも円滑に進むのだろうけど・・・

アドラーの面白いところは、かなり自分が自分の主人であることに根ざした考え方のところ。
結局、主体は自分であり、自分の意思や考え方を重視している。
それはある種の強さが必要なことなのかもしれないけれど、個人的にはとても共感できた。

「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」と。
あなたがYさんなり、他の誰かになりたがっているのは、
ひとえに「なにが与えられているか」にばかり注目しているからです。
そうではなく、「与えられたものをどう使うか」に注目するのです。
P.44

サンクコストと人生

例えば、コンプレックスに関して語っているこんな発言も、
他者や外部環境のせいにするのではなくて、あくまでも自分の考え方次第。

そして、以下の青年と哲人の対話は、まさにその核心が詰まっている。

青年 そうじゃない、わたしのいっている厳しさは違います! 
先生のお話を聞いていると、「トラウマなど存在しないし、環境も関係ない。
なにもかもが身から出た錆なのであって、
お前の不幸はすべてお前のせいだ」と、
これまでの自分を断罪されている気分になってくるんですよ!

哲人 いえ、断罪しているのではありません。
むしろ、アドラーの目的論は
「これまでの人生になにがあったとしても、
今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない」といっているのです。
自分の人生を決めるのは、「いま、ここ」に生きるあなたなのだ、と。
P.56 - P.57

これって、まさにサンクコストの考え方!
ビジネスでは常識でも自分の人生はサンクコストに縛られまくるってのはありそうな話。


他者と自分

孤独を感じるのは、あなたがひとりだからではありません。
あなたを取り巻く他者、社会、共同体があり、
そこから疎外されていると実感するからこそ、孤独なのです。
われわれは孤独を感じるのにも、他者を必要とします。
すなわち人は、社会的な文脈においてのみ、「個人」になるのです。
P.70

確かに、他者がいるから孤独を感じたり、
差異が明らかになったり、その違いを恐れたりするんだろうな。

権威の力を借りて自らを大きく見せている人は、
結局他者の価値観に生き、他者の人生を生きている。
ここは強く指摘しておかねばならないところです。
P.87

つまるところ、自分の人生は誰のものでもなく、自分のもの。
すべては自由。「いま」は自分の選択の結果であり、
気に食わなければいくらでも未来は変えられる。

「他者の価値観に生き、他者の人生を生きている」ってのは
本当に考えさせられるな。

自分の人生を生きていきたいものです。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え