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意外とハズレだったのは期待値が高かったからかもしれないけれど。 ジョン・ブルックス/人と企業はどこで間違えるのか?

バフェットがゲイツに贈った本、という帯に釣られて読みました。
これはあくまでも個人的な感想だけど、正直あんまり面白くない。
期待値があがりすぎていたからかもしれんけど。

失敗から多くのことを学べるはずなのだけど、
どのエピソードもいまいちピリっとしない。

文章もいまいちで、もしかすると翻訳の問題もあるのかもしれないが・・・


人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」

人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」


大してぐっと来ないもんだから・・・

そんなに心に残るところも無く、読み進んでしまった。

そんな中、こんなくだらないところメモしてる。

今度はフォードの設計センターの正面に、白い布で覆われた幽霊のような車が停まっている。
キャッチフレーズはこんな調子だ。
「近ごろ、あなたの町のある男が人生を変える決断をした」。
その決断とは、エドセルのディーラーになることだと説明がある。
誰が書いたセリフか知らないが、本当にディーラーたちの人生を変えてしまうことになるとは想像もできなかっただろう。
P.30

エドセルってのは当時のフォードの新車。
世紀の大失敗と言われる事例になるのだけど、
そのことをちょっとシニカルに表現してるわけだ。

事例としては大して面白くなかったのだけど、
この大失敗をしでかした当時のエドセルチームの人たちの後日譚みたいなのが面白かった。
なんかよくわからんけど、みんなすごく前向きなのね。
なんかこういうの好きだな。仕事を通じた戦友ってあるよね。

戦友とともに挑んだもっともスリルに満ちた戦線について、生き生きと、そして饒舌に語ってくれるのだ。
中でもとりわけ熱く振り返るのはドイルかもしれない。
「あとにも先にもあんなに楽しいことはなかったね」。
彼は六〇年に、ある人物にそう語っている。
「たぶん、これまででいちばん力を入れて取り組んだからだと思う。
みんながそうだった。すごくいいチームだったよ。
エドセルに関わった誰もがリスクを承知で勝負に打って出た。
私はそういう連中が大好きだ。
残念な結果になったけど、本当に素晴らしい経験だった。
P.68

で、そんなんをひっくるめて最後に総括する一言がこれかよってのが、
この本の残念なところかもしれない。

エリザベス朝の演劇には幾度となく描かれてきたのに、アメリカのビジネス界ではこれまでほとんど縁のなかった情景が、つまり、挫折が成功にはないある種の深遠さを宿す、そんな情景が見られる時代がきているのかもしれない。
P.69

曖昧であること

確かに曖昧であることへのインセンティブは至る所に仕込まれている気がする。
でも、それって罠だ。
一見インセンティブに見えて、それに釣られると良いこと無いぞ、って類のもの。
色んな意思決定があると思うけど、
倫理観が問われる場面での曖昧さは致命的かもしれないってのは肝に銘じておこう。

ビジネスを離れた場面でのコミュニケーションについて考察した漫画家ジュールズ・ファイファーはこう語っている。
「コミュニケーションの断絶は個人の内面から生じる。
自分自身との対話がうまくいかなければ、他人との対話など不可能だ」。
あくまでも仮説だが、部下に反トラス卜法の順守を命じる経営者が、それを語る自分自身とうまく対話できず、自分が本心から法令の順守を望んでいるのかどうかわからないとしたらどうだろう。命令が無視されれば価格協定によって会社は利益をかさ上げし、命令が守られれば正しい行いをしたことになる。
前者の場合、経営者の罪は問われず、後者の場合は正しい行いを積極的に導いたことになる。いずれにせよ、経営者は何も失わない。そうなると、明確な命令を発するよりも曖昧でいるほうが好都合だという考え方が生まれてくるのは無理もない。
また、コミュニケーションには、メッセージの送り手が自覚すらしていないことが伝わってしまう危うさもあり、これについても今後研究がなされることを願わずにはいられない。
P.206 - P.207


人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」

人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」