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アパレル業界の基本の「き」をまとめた教科書。 久保茂樹/役に立つアパレル業務の教科書

著者は業界のシステム開発に30年以上も携わった人らしい。
それもあって、業務の流れがフローチャートで図示されており、直感的に流れが理解しやすい。

ECはおまけ程度に触れられているだけという印象だが、
店舗運営のメカニズムからすれば、ECはシンプル。

逆に、これだけの店舗運営、生産管理の業務システムを持っていながら、
業界全体のITリテラシーは低いってのが、不思議でならない、という印象も持った。

評価替え

シーズンやトレンド性が強く、商品寿命が短いアパレル製品は、
売れ残った在庫品の評価金額を替えることができる。

3000円の原価の商品でも、売れ残って時間が経過してしまうと、
もはや3000円の価値もないから、という理屈。
評価損を計上し、期末在庫金額を圧縮することができる。

メンズ重衣料の評価減の割合は、カジュアル(軽衣料)よりも下げない傾向があります。
P.118

という傾向もあるらしい。
何をどういった基準で評価損計上していくかは、
アイテムのカテゴリなどに対して一定のルールを定めて行うもの。

品番別動向把握

アパレルに限らないと思うけど、小売の在庫管理、売上管理の仕組みはすごい。
商品が細々しまくってるからここの動きを以下に簡単に把握し、アクションしていくかというのは
事業の成否を決めるといっても過言ではないわけで。

プロパー消化率の向上、滞留在庫の削減では、品番別動向分析である投入商品の販売推移を追跡していく業務が不可欠です。投入から販売までの情報把握を品番単位で押さえ、在庫日数、初回投入日から累計消化率、期間販売点数の動向、期間消化率の増減推移から販売立ち上がり動向、売れ筋、滞留状況を把握します。消化率アップのためマークダウンや移動判断、さらにマークダウン後の値下げによる利益インパクトのシミュレーションなどを行います。
P.149

商品画像があった方がいいよね、とか使い勝手を考えれば考えるほど奥が深いシステム。
でも、肝だよね。

とりあえず、業界の仕事を理解させるには良い本だったので、周囲にもおすすめしとこう。