Amazonジャパンの立ち上げメンバーが語るAmazon本、ということで手にとってみたのだけど、これがすこぶる良い。
何かこう、大上段に構えた戦略とかそういう話じゃなくて、
会社の中で当たり前のように回っていたこととか、
どういう価値観で動いていたのか、とか、
そういう話が随所に出てくる。
なんかそういう話の方がリアルで学びも多いんだよなぁ、と。
なので、これすごくおススメの1冊です。
なんか、色々読みながら考えさせられるんですよね、それはきっと
信条や、価値観について語っているから、今の自分たちと否応なしに比較してしまう。
そんで出来てないことたくさんあるな、って思ってしまう。
そういう考えるきっかけを与えてくれる本は素晴らしい。
だから、この本はマネージャー層が読むと、とても良いきっかけになる気がする。
- 作者: 佐藤将之
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2018/04/06
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
階層や決裁者の少ない組織編制
オペレーションやリテールなど各部門に専任のHRやファイナンスがあります。ですから、人やお金の話を、人事や財務としっかり詰められます。そして、お金を例にすれば、「オペレーションのほうで倉庫を新設したいのはわかるけど、リテールのほうで新しいサービスを始めるので・・・・・・」といった影響は受けずに済むわけです。
P. 24
これは、本当にすばらしい組織だな、と。
この辺の仕切りをうまくやらないと、部門間調整に明け暮れて、皆やりたいこと、やるべきことが
しっかり進まない状況になってしまう。
しかも、そういう調整をする時って、どうしたって売上に直結するところばかりが見られがちで、
オペレーションとか裏方は後回しにされがち。
でも、本当はそれじゃいけないんだよね。
それぞれの部門がそれなりに自立した決裁で進んでいくようにしないとなぁ、と
システム開発の予算配分などで最近よく悩まされるのです。
クリスマスの特別感
これは単なるメモなのだけど、クリスマスの本気度が違うよって話。
本場の気合の入れ方は日本とは段違い。プレゼント10個あげたりするらしい。
子供が数人いる家庭が「1回のクリスマスで100万円使う」というデータは、きわめて妥当な数字のように思えます。
P.31
でも、文化ってそういうもんだし、そういうのって現地での体験とか、
こういう話を聞かないと気づけないんだよね、と思うのでメモ。
アメリカにはキャンピングカーに乗って1年中旅し、ホリデーシーズンだけ倉庫などで雇われて働き、終わるとまた旅に出るーーという季節労働スタイルの人たちがたくさんいます。彼らは「ホリデーテンプワーカー」と呼ばれています。アメリカの売り手たちは、そんなふうに、さまざまな労働力をかき集めて怒濤のクリスマスシーズンを戦い、乗り切っているのです。
P.32
仕組みづくり
「善意」は働かない。働くのは「仕組み」だ
P.54
社員個々の善意を前提にしていては、規模を拡張することも、継続することも出来ない。
大切なのは、いかに仕組みをつくるかということ。
その仕組みは、規模が今の100倍、1000倍になっても機能するのか、という視点で考えること。
マネジメントが考え、行う仕事はこの仕組みづくりが最も重要。
OLP
Amazonが従業員に求めるリーダーシップ14か条が本当によく出来ている。
とりわけ共感したものを抜粋。
自分の部下たちにも教えたいな、と思った。
これ、Amazonはサイトで公開してるので
そちらで全文読めます。
それにしても、素晴らしいな。
Customer Obsession
リーダーはカスタマーを起点に考え行動します。カスタマーから信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもカスタマーを中心に考えることにこだわります。
Ownership
リーダーにはオーナーシップが必要です。リーダーは長期的な視野で考え、短期的な結果のために、長期的な価値を犠牲にしません。リーダーは自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します。リーダーは「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしません。
Are Right, A Lot
リーダーは多くの場合正しい判断を行います。強い判断力を持ち、経験に裏打ちされた直感を備えています。リーダーは多様な考え方を追求し、自らの考えを反証することもいといません。
Learn and Be Curious
リーダーは常に学び、自分自身を向上させ続けます。新たな可能性に好奇心を持ち実際に追求します。
Think Big
狭い視野で考えてしまうと、大きな結果を得ることはできません。リーダーは大胆な方針と方向性をつくり、示すことによって成果を導きます。リーダーはお客様に貢献するために従来と異なる新たな視点をもち、あらゆる可能性を模索します。
Bias for Action
ビジネスではスピードが重要です。多くの意思決定や行動はやり直すこともできるため、大がかりな分析や検討を必要としません。計算されたリスクをとることも大切です。
Earn Trust
リーダーは、注意深く耳を傾け、率直に話し、人に対して敬意をもって接します。たとえ気まずい思いをする事があったとしても間違いは素直に認め、自分やチームの間違いを正しいと言ったりしません。リーダーは常に自分たちを最高水準と比較、評価します。
Dive Deep
リーダーは常に各業務に気を配り詳細も認識します。頻繁に現状を確認し、メトリクスと個別の事例が合致していない時には疑問を呈します。リーダーが関わるに値しない業務はありません。Have Backbone; Disagree and Commit
リーダーは、賛成できない場合には、敬意をもって異議を唱えなければなりません。たとえそうすることが面倒で労力を要することであっても例外ではありません。リーダーは、信念をもち、容易にあきらめません。安易に妥協して馴れ合うことはしません。しかし、いざ決定がなされたら、全面的にコミットして取り組みます。
Deliver Results
リーダーは、ビジネス上の重要なインプットにフォーカスし、適正な品質で迅速にそれを実行します。たとえ困難なことがあっても、立ち向かい、決して妥協しません。
OLPが現在の14か条にまとまる過程で消えていった言葉もあるらしい。
消えていったものの中で私が好きだった1つは、「Roll Up Sleeve」。直訳すれば腕をまくるという意味ですが、「誰か困っている人がいたら、自分が手伝うよ」というメンタリティーのことを指します。
P.134
上司の役割
部下のパフォーマンスを引き出して、最高の結果を生む、その演出全てが上司の役割。
自分が手を動かそうとしちゃう人はそれがわかってないことが多いよね。
アマゾンの昇進プロセスは、上司の推薦からスタートします。ですから、上司の重要な役割の1つは、「推薦状に書けるような実績を部下に積ませること」です。
私はよく自分の部下であるリーダーたちに、このように説明していました。
「君たち上司の役割は、舞台演出のようなもの。それぞれが演じる演目を用意し、それに合わせた舞台を用意し、俳優である部下たちに最高のパフォーマンスをさせてあげて、多くの人々に認めてもらうことだ」と。
P.121
- 作者: 佐藤将之
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2018/04/06
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る