Gunosyの創業者である福島さんの著書。
地味な出版社から地味に出ているんだけど、
結構良い本だと思うの。
なんでもっと話題にならないんだろうと思うが、
本なんてそんなもんで、
だからこそ良書と出会えることはとても大切。
- 作者: 福島良典
- 出版社/メーカー: 総合法令出版
- 発売日: 2018/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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目的設定の重要性
機械がプロに勝った象徴的な事例である、囲碁AlphaGoの開発過程の話。
囲碁は「相手との目数の差」が多いほど有利ですから、開発当初は「目数の差を大きくする」という目的が設定されていたそうです。ところが、それでは思うように勝率が上がりませんでした。そこで、目的を「勝つこと」に設定し直したところ、劇的に勝率が上がったそうです。
P.72
解くべき課題の設定がいかに大切かということ。
間違えた問題に対する正しい答えほど厄介なものはない。
マネジメントにおいてもチームに適切な課題を与えてあげることがとても大切。
安易にコンバージョンを追い求めると短期的費用対効果だけ追い求めて崩壊したりする。
何を取り組むべき課題とするか、そこを考え抜くのがマネジメントの大事な仕事。
グノシーのダウンロードが伸びたコミュニケーションとは
最初はグノシーの特徴を覚えてもらうためのCMを流していた。認知は上がったけど、ダウンロードは伸びない。
なぜか??
必要なのは使いたいと思わせるCMだ。ようやくそう気づいて、使い勝手の良さやおトク感を前面に出した内容に作り変えたのが、先ほどのCMです。
P.102
これも先ほどの課題設定の話と似ている。
何のためのCMなのか、どうしたいのか、という目的設定がとても重要。
サービスを知ってもらいたいだけなら、以前のCMでも良かったのだろう。
ただ、本当の目的は知ってもらうことではなく、ダウンロードして使ってもらうこと。
だとすると、使いたいと思わせるCMじゃないといけなかったという話。
目的は何なのか。その目的は本当に適切か。ここがずれてると成功しようがない。
結局、目的自身も見直しながらPDCAしまくっているというのがこの本。
とにかくそこから逃げなければ何も怖くない、と。
うまくいくかな、どうかな、と不安がる意味は全くなくて、
仮説と検証、結果からまた仮説構築、検証というサイクルをひたすら回せばよくなっていく。
徹底的にそこにこだわるべきなんだな、と気づかされる。
徹底的にPDCAに取り組む組織文化の醸成こそが肝ってことだと理解した。
特にソフトウェアはリリースした後の改善が肝ですから、社員たちの間で「トライ&エラー」を繰り返すことにインセンティブが働くようにする必要があります。たくさん実験し、たくさん失敗し、たくさん学習することを良しとする。そうした会社の姿勢を示すことで、「ナイストライ文化」を行き渡らせています。
P.180
- 作者: 福島良典
- 出版社/メーカー: 総合法令出版
- 発売日: 2018/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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