日本酒界のホープ、平和酒造の山本さんとアパレル界のベンチャー、ファクトリエの山田さんの対談。
お互いの共通点は、メイドインジャパンの真のブランドを作り、世界へ届けること。
ファクトリエの山田さんは思いで突っ走ってる感じがすごい。
アパレル生産の国産比率は3%、国内の工場は次々に潰れている中、
真のブランドを作ろうと立ち上がる。
が、工場を巡り直談判しても門前払いされることも多かったという。
アパレル業界でこのチャレンジはすごい。
- 作者: 山本典正,山田敏夫
- 出版社/メーカー: dZERO(インプレス)
- 発売日: 2015/11/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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*ファクトリエと工場の取引
半分は一旦工場が在庫リスクをもつ仕組み。
黒子に徹してきた工場に自分たちで自分たちの商品を売る、という意識を持って欲しいという試みでもあるらしい。
作るのは最低ロットでいいと言っています。工場にあまりリスクを負わせたくないということがあるからです。彼らにしても、自分たちのブランドで売れるかどうか心配じゃないですか。だから、三十枚でも、極端な話、十枚でもいい。そのうちの半分をぼくらが買い取るということです。
P.142
結局ファクトリエ側の在庫が売り切れれば、余った工場の在庫は引き取るらしいので工場側のリスクは少なめ。
ちゃんと工場に儲けが残る値付けをしてもらい、胸を張って勧められる商品を作ってもらう。
セールはしない、正価で売り切る。
歪みきったアパレル業界の中で、非常にまともなビジネスを始めてる。
周りが歪んでいる分、正しさが際立つし、成功して欲しい。
職人の立場
フランスに行ったときに職人、例えばワインの作り手、料理人、手工業に携る方たちは、アーティスト扱いなんですよ。ものづくりをする人たちに、フランス国家最優秀職人章(MOF)という日本でいう人間国宝みたいなものがどんどん与えられていて、MOFの職人たちを国民がスターのように思っていて、いろいろなところからひっぱりだこという状況があるんですね。
P.179
日本の人間国宝はあげるのが遅すぎるきらいがある。
もっといろんな分野でさっさとあげて、スターにしたほうがいい。
後継者がいないで職人の技術が失われるなんてちょっと国の損失なんじゃないの。
ビジネスとして成立しないものは淘汰されるべき?
いやいやいや、成立するような仕組みを整えてあげることも大切なのではと思う部分はある。
なんか文化を育てることが苦手なのかな、とすら思う、この国は。
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