Hot Pepperという事業がいかに立ち上がり、
どのようにしてスケールしていったのか、というサクセスストーリーなのだけど、
事業をどうマネジメントしていくのかということに関して、
かなり色々書いてくれている名著。
新しくはないけど、もっと読まれるべき本の1つだと思うのよね。
本当に実用的だと思う。
Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方
- 作者: 平尾勇司
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 19人 クリック: 342回
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売ってから考えるのでは遅すぎる
1/9サイズの3回連続に決めて顧客への案内を徹底したという話。
広告のメニューを規格化してイレギュラーを排除した。
それが一番売りやすくて、生産効率が高いから。
売ってから考えるのでは遅すぎる。生産効率を考えて売り方を設計しなければならない。商品の選択と集中のみならず、商品企画の選択と集中を行ったわけである。
P.51
創造性と型
「一番大切なのは、間違った型をつくらないことだ。正しい型をつくることがマネジメントだと思う。そして、全員でいっせいに訓練して型を習得すれば、それが組織力になる。」
上田は反論した。
「それって、人間の自由な創造性を阻害してませんか?」
「違う、基礎ができれば応用ができる。人間の創造性を最大のレベルに引き上げるために基礎の型を訓練するんだ。つまらない失敗や壁にいつまでもぶつかって前に進めないことこそ、時間の無駄だよ。それこそ創造性発揮の機会を失っていることになる。
P.95
本当にこれなんだよなぁ。
踏んじゃいけない地雷は避けられる。
絶対やれば成功することはないけど、絶対やっちゃまずいことはある。
そこを全部体験しながら学ぶ必要はなくて、型として教え込んでしまった方が早い。
それをいかに徹底して擦り込んでいけるかがオペレーションの優劣につながる。
誰がバカなのかわかる組織
フラットな組織のいいところをここまで明確に説明されてるの初めて読んだ。
「会社は現場が見えていない」とメンバーが発言した瞬間に会社とは直属上司の版元長かその1階層上の、たった一人の事業部長になる。現場がわかってない会社のバカは版元長か事業部長ということになる。つまりフラットな組織とは、誰がバカなのかが誰の目にも瞬時に明らかになる組織である。これをツーステップ組織と呼ぶ。
P.118
そして意思決定の文献かは絶対にダメだという。
確かにどんどん上手く回らなくなるし、ボトルネックが見えづらくなるんだよね。
改革も進まない。
どんなに大きな組織になってもこの「誰がバカかわかる」意思決定構造を決して崩してはならない。この一気通貫の組織構造単位を守りながら事業を細分化することはあっても、ただ単に組織構造を多層化し、専門化してならない。意思決定の分権化は絶対にしてはならい。
P.119
マネジメントの仕事
マネジメントの仕事は、メンバーが最小の努力で最大の成果を上げられる仕組みを作ること。
でもこれ、本当に理解してないやつ多い。
「土日に出社しないとできないのは、メンバーの問題ではない、お前の見通しの甘さと戦略の誤りが問題なのだ。お前のマネジメント能力の問題をメンバーに転嫁するな。今後一切の超過勤務を禁止する。」
P.125
Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方
- 作者: 平尾勇司
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