コトラーといえばマーケティング、マーケティングといえばコトラー。
そんなコトラー先生の直近(と言っても2017年だけどね)の著作がこれ。
スマホ時代の変化や留意点を指摘しているのだけど、
2年経過しても本質的な部分は有効。
指摘されている部分はなお重要になってきているくらいの感じじゃないかな。
コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則
- 作者: フィリップ・コトラー,ヘルマワン・カルタジャヤ,イワン・セティアワン,恩藏直人,藤井清美
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/08/21
- メディア: 単行本
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新しいタイプの顧客
ここに新たな顧客像の全てが表現されている。
ネットを使いこなすが、体験や人間的な触れ合いを求めるというあたりはますます重要になってきそうなキーワード。
モノ消費からコト消費へという転換もこういった時代の要求なんだろう。
彼らはデジタル・ネイティブなので様々な機器を使って、いつでも、どこでも購買決定をすることができる。インターネットを自在に使いこなすにもかかわらず、ものごとを実際に体験することを好む。ブランドと交流するときは、ハイタッチ(人間的な触れ合い)な関わりを評価する。きわめて社交的でもあり、互いにコミュニケーションをとり、信頼し合う。実際、彼らは企業やブランドより、友達や家族のネットワークを信頼している。要するに、彼らはきわめて接続性が高いのだ。
P.39
ロイヤルティの定義を見直そう
ロイヤリティをリピート率やフリークエンシーからブランドの推奨度合いへとシフトするべきだという話。
こういう考えを背景に、NPS(ネット・プロモーター・スコア)調査などが幅を利かせてきているんだろうな。
欧米と違いNPSは日本になじまない気がしていて、やってみるんだけど中立に固まりすぎるんだよね。
それでも定点観測による変動をモニタリングしていくことで変化を検知できる可能性はあるけど、
それも十分なN数とかないとさ、統計的に有意な変化かわかんないからさ。要注意だよね、あれ。
接続性以前の時代には、ロイヤルティは往々にして顧客維持率とか再購入率として説明されていた。だが、接続性の時代には、ロイヤルティは究極的には、ブランドを推奨する意思として定義される。
P.96
好奇心を最適化する
カーネギーメロン大学のジョージ・ローウェンスタインは、好奇心のきわめて単純な定義を打ち出している。「知っていることと知りたいこととの情報ギャップから生じる欠乏感」である、と。
P.128
その上で、好奇心は逆U字カーブを描くという指摘も。
期待と乖離のレベルが離れ過ぎてもダメで、
そもそも興味がないと好奇心は強く出ないし、
興味があっても、知っていることとの乖離が大きすぎるとその真実を避けようとして好奇心を失う。
なるほどねぇ。
オムニチャネル
オムニチャネルを利用する買い手は、単一チャネルの買い手より、三十パーセント程度高い生涯価値をもたらす。メイシーズでは、オムニチャネルの買い手は単一チャネルの買い手の八倍も価値をもたらしている。選択肢があり、しかも自分の買いたい時に買える仕組みがあるとき、顧客のコミットメントの度合いは高まるのだ。
P.208
この最後のくだりが大切なんだよね、選択肢を提供するっていうやつ。
選ぶのはお客様で良い。ニーズに対してはお答えできる選択肢を用意することってのはとても大切。
コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則
- 作者: フィリップ・コトラー,ヘルマワン・カルタジャヤ,イワン・セティアワン,恩藏直人,藤井清美
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/08/21
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