落合陽一、清水高志、上妻世海、三人の鼎談。
フランクな対話の中で、落合陽一が何をどうやって脱近代しようとしているのか、
彼の関心領域とか、何をしようとしているのかが語られている。

- 作者: 落合陽一,清水高志,上妻世海
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2018/09/18
- メディア: 単行本
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実はきっかけは上妻世海だった。
彼の『制作へ』を買って、読み始めたら、
なんとなく落合陽一に通じる部分あるかも?と思っていたら、
あれ?あの鼎談本に出てるの上妻世海じゃん、
こっち読んでから『制作へ』読んだ方が理解できるかも、と思って読みだした。

- 作者: 上妻世海
- 出版社/メーカー: オーバーキャスト エクリ編集部
- 発売日: 2018/10/16
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マイブリッジの馬
走行中の馬の4本の蹄が同時に地面につくのかどうかが賭けの対象になったんですが(以下略)
P.24
微妙にニュアンスが違って、4本全ての脚が離れている瞬間があるかどうかの賭けだったと思うんだよね。
コンピューターの知覚
ディープラーニングのGANという手法で学習させているコンピューターに以下の画像を認識させると90%以上の確率でこれは○○である、と認識を騙せる画像がこれ。スクールバスはただのボーダーに見えるけど、コンピューターにはこれがスクールバスに見える。
この事例を取り上げながら落合陽一は、人間に知覚できない特徴をコンピューターが知覚している、と言っている。
人間は人間が知覚できるセンサーで知覚しているに過ぎなくて、
センサーが変われば、違う知覚のされ方があるでしょう、と言っている。
犬が匂いを知覚する感覚は人間には想像もできないだろうし、イルカの超音波によるコミュニケーションも人と全く違う。
「空間にそういう構造を、人間に知覚不能なレンジで構成可能か?」と言われたら、それはホログラフィで構成可能です、みたいな。あとは強度の問題なので、「可視光以外でも使えるんじゃないですか」という話になってくるわけです。
P.62
人間の知覚以外の方法で世界を記述する、そういう考え方があるんだなってことが知れた。
脳の成長
みなさん実体験として、小さい頃に天井を見ていると顔がたくさん見えていたでしょう。だけど今はもう見えないですよね。いつから見えなくなってしまったかは、もう覚えていないと思いますけど、大人になると見えないんですよ。それは脳が発達したからなんです。脳が発達する前の子供は、明らかに事前に導入された特徴量で動いているんです。それをぼんやり見ているから、変なところに顔が見えるとか言い出したり、なにか怖いとか言い出したりするんです。
P.137
特徴量の検出問題と説明されるとなんかすごく納得。
最近一番面白かったのは、赤ちゃんが泣いている時の音声の周波数というのは結構高めなんだけど、その周波数帯の音が鳴ると彼も泣くんですよ。周りで誰かが泣いていると勘違いしているのかもしれない。「君が聞いたのはただのテクノだよ」みたいな。でもその区別がつかない。
P.138
このエピソードも面白い。
人は脳の成長とともにだんだん特徴量の検出精度が上がっていって、
違いを判別できるようになっていくんだね。

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