学びや思いつきを記録する、超要約・要点抜き書きまとめノート

国内MBA2013年入学、2015年無事卒業!読んだ本、記事、などの読書ノート。 忘れないために超要約整理。そんな記録。

ファクトリエのまともさにむしろアパレル業界の異常さが際立つ 山田敏夫/ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

ファクトリエの山田さんの本を引き続き。

黒子として表に出ることのなかった工場との連携、
価格も工場に決めさせ、セールなし。

それも全て、日本発の真のブランドを作りたいから。
ヨーロッパのブランドは職人に支えられている。
でも日本の工場の地位は低い。

その構造から変えたいと奮闘しているのがファクトリエだ。

日本のアパレルがどんどんつまらなくなってきている昨今、
こういう企業は応援したくなる。

山田さん自身はファッションウォーカーで働いていたことがあるらしいというのも驚き。

本書は山田さんの思いがつまっている。
言ってること、やってることはすごく真っ当なんだよね。
ファクトリエのまともさにむしろアパレル業界の異常さが際立つ印象。

ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

行動だけは自分で決められる

ウォーレン・バフェット氏の投資先を決める基準が書かれていました。彼が判断を下す基準は、「自分で決めたことをやる人間か」というたった一つなのだそうです。
P.33


出典がなんなのかはわからないけれど、自分との約束を守るというのはシンプルだがとても難しいこと。
でも基本中の基本でもある。強い意志と行動力、やりきる力。
最終的には行動が全てなんだよなぁ。行動しなくては何も変わらん。


アパレル業界の実態

皆さんは、Tシャツを1枚つくるのに、2720リットルの水が必要だとご存知でしょうか?
P.156

あらゆる業界で2番目に水を使うのがアパレル業界で世界の排水量の20%はアパレル産業らしい。

今、日本には年間27億点の服が供給されています。一方で年間消費点数は13億点。
P.159

実に半分以上が余剰在庫。
どう考えても業界全体で供給過多。
セール販売と廃棄を前提とした流通になってしまっている。
これはどう考えても業界の構造がおかしい。


ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

アパレル業界は変われるのか・・・ファクトリエの試みに期待。 山本典正・山田敏夫/メイドインジャパンを僕らが世界へ

日本酒界のホープ、平和酒造の山本さんとアパレル界のベンチャー、ファクトリエの山田さんの対談。

お互いの共通点は、メイドインジャパンの真のブランドを作り、世界へ届けること。

ファクトリエの山田さんは思いで突っ走ってる感じがすごい。
アパレル生産の国産比率は3%、国内の工場は次々に潰れている中、
真のブランドを作ろうと立ち上がる。

が、工場を巡り直談判しても門前払いされることも多かったという。
アパレル業界でこのチャレンジはすごい。

メイドインジャパンをぼくらが世界へ

メイドインジャパンをぼくらが世界へ


*ファクトリエと工場の取引
半分は一旦工場が在庫リスクをもつ仕組み。
黒子に徹してきた工場に自分たちで自分たちの商品を売る、という意識を持って欲しいという試みでもあるらしい。

作るのは最低ロットでいいと言っています。工場にあまりリスクを負わせたくないということがあるからです。彼らにしても、自分たちのブランドで売れるかどうか心配じゃないですか。だから、三十枚でも、極端な話、十枚でもいい。そのうちの半分をぼくらが買い取るということです。
P.142

結局ファクトリエ側の在庫が売り切れれば、余った工場の在庫は引き取るらしいので工場側のリスクは少なめ。
ちゃんと工場に儲けが残る値付けをしてもらい、胸を張って勧められる商品を作ってもらう。
セールはしない、正価で売り切る。

歪みきったアパレル業界の中で、非常にまともなビジネスを始めてる。
周りが歪んでいる分、正しさが際立つし、成功して欲しい。


職人の立場

フランスに行ったときに職人、例えばワインの作り手、料理人、手工業に携る方たちは、アーティスト扱いなんですよ。ものづくりをする人たちに、フランス国家最優秀職人章(MOF)という日本でいう人間国宝みたいなものがどんどん与えられていて、MOFの職人たちを国民がスターのように思っていて、いろいろなところからひっぱりだこという状況があるんですね。
P.179

日本の人間国宝はあげるのが遅すぎるきらいがある。
もっといろんな分野でさっさとあげて、スターにしたほうがいい。
後継者がいないで職人の技術が失われるなんてちょっと国の損失なんじゃないの。
ビジネスとして成立しないものは淘汰されるべき?
いやいやいや、成立するような仕組みを整えてあげることも大切なのではと思う部分はある。
なんか文化を育てることが苦手なのかな、とすら思う、この国は。

メイドインジャパンをぼくらが世界へ

メイドインジャパンをぼくらが世界へ

このネタは、毎年ウォッチし続けて欲しいし、3年くらいのスパンでこうやって本にして欲しい。 スコット・ギャロウェイ/GAFA 四騎士が創り変えた世界

世界の覇権を握るといっても過言ではないグローバル超巨大企業。
Google, Apple, facebook, amazonの頭文字をとってGAFA(ガーファ)。

この圧倒的な巨大企業を前に、どうすりゃええのん?という話。

かなり話題になっていて、売れているようなのだけど、
個人的にはそこまでハマらなかった。

なぜかといえば、基本的にネガティブなんだよね、この人。
状況に対して悲観的だし、GAFAに対しても否定的。

ただ、健全な批判だとも思う。

まぁ確かに巨大すぎる企業のデメリットはあると思うのだが、
それでも自分はこの4企業のこれまでとこれからにワクワクしているし、
期待もしているということなんだろうな。

読んでみてかえって自分はGAFAに対して思ったよりも肯定的なんだなということに気づけた。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

メモ的なもの

アマゾン・プライムはアメリカにおいて銃よりも普及している!

全米の世帯の44%に銃があり、55%にアマゾン・プライムがある。
P.33

他にもファクトは色々面白い、読んで色々考えるのが良いと思われ。

これまで読んだGAFA関連書籍をまとめてみたら、facebookの本が無かった。

digima.hatenablog.jp

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the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

10年後、動画に関してIPTという概念を明示した古典として語られる名著なんじゃないかな。明石ガクト/動画2.0

来るべき動画の世界の最前線を走っている明石ガクトの著作。
もともとadtech九州でお話聞いて面白いなーと思ってたところで著作が出たので迷わず購入。

そもそも映像と動画は違うっていう話が素晴らしかった。
それは情報の密度が違うということ。
彼はこの本ではそれをIPT(Information per time)と表現している。
時間あたりの情報の密度、だ。

動画はその密度が圧倒的に濃い。
動画になれた子供たちがテレビを退屈に感じるというのも
すべてIPTの問題。

IPTが薄いコンテンツを、若年層は忌避する。この流れは、何も映像に限った話ではなくて音楽や雑誌、漫画、あらゆるところで発生している現象だ。
P.73

ここまで明確に定義してくれるととてもわかりやすい。

そして明石さん自身がクリエイターであるからなのか、
とにかく語りがうまい。
彼自身がストーリーテラーなのだ。

動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)

動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)

アフォーダンス理論

「ガラスが割られるのは、そもそもガラスが割られたがっているように見えるからだ」という内容で、目に見えるものは何らかの行動を喚起させるシグナルを送っている、という理論。
P.8

良いデザインはこれと矛盾しないようにできているわけ。
むしろよりわかりやすくシグナルを増強しているとも言える。
それがデザイン。

その辺に関しては、『誰のためのデザイン?』が超良書。
デザインする人で読んでない人は信用ならんくらい古典的名著。

digima.hatenablog.jp

目に見えるものがすべからくシグナルを発しているのだとすれば、
人もまた同じであろう。

人のシグナルを読み解くことは物事を円滑に進める助けになるだろうし、
自らがどのようなシグナルを発しているように見えるのかを自覚することは有意義。

この場合、自分がどのように見えるのかが重要。
自分がどうしたいか、どのように見られたいか、何を発しているつもりか、ではなく、
意志と見え方のギャップに自覚的であれと思う。
マーケティング的にはパーセプションが全てだから。
どのように受け取られるか、それがすべて。


Me at the zoo

You Tubeに初めてあげられた動画。
あげたのはジョード・カリム、You Tube創業メンバー。


Me at the zoo


大勢で観る?一人で観る?

シネマトグラフとキネトスコープ、デバイスの特性がこれからのコンテンツにどんな影響を生むのか考えてみよう。
シネマトグラフ方式の「大勢で観る」という指向性と、キネトスコープ方式の「一人で観る」という指向性の違いが最も重要なポイントになってくる。
「大勢で観る」ことはつまり、皆で同じものを見て盛り上がれるようなコンテンツと相性がいい。(中略)
一人で楽しむメディアとして、忘れてはならないのがラジオの存在だ。「テレビの前のみなさん」とアナウンサーが表現する一方で、ラジオのパーソナリティは「ラジオの前のあなた」と表現する。
エジソン的回帰時代のコンテンツは「あなた」のためであって「みなさん」のためではない。
P.95

スマートフォンという画面で楽しむコンテンツは一人で観るもの。だからコミュニケーションの質がラジオ的なものが良いというお話。
これは真理だと思うし、こんな素晴らしいことをしれっと教えてくれるなんてとても素晴らしいことだ。
本質的にパーソナルなコミュニケーションなんだね。

Instagramのフィルター

こういう雑学的な情報かつ複数の課題を解決するアイデア、大好物なんだよね。

Instagramで写真をUPする時にかけるフィルターは写真のデータを軽くするという目的がきっかけで考案されたアイデアだ。個性的なフィルターをかけることで、画質が多少落ちてもわからない状態になる。それにより、サーバにあげる写真のデータを圧縮することができた。
P.99

ユーザーが喜ぶサービス(自分が撮った写真の見栄えを良くしたい)でもあり、事業者側の課題の解決(最新のスマホの画像データがでかいから少しでも圧縮したい)にもなっている、こういうお互いの課題をいっぺんに解決してしまうのがアイデアの力だと思う。
強いアイデアは複数の課題を解決する。

昔、ある人が主人公とは何か?という話をしてくれたことがある。
A or Bを選ばなければいけない状況の中で、Cという選択肢を提示できるのが主人公。
これもアイデアの話に通じるものがあるんだよね。


コンテンツとメディア

コンテンツが積み上がって、日々コミュニケーションが生まれて、そうやって初めて視聴者や読者が付いてくる。メディアになりたかったけど、そのためにはコンテンツ量が大事だということに気づいた時には、会社のキャッシュがなくなりかけていた。僕らは食いつなぐために受託で動画制作の仕事をやることにした。
P.178

こんなに成功しているように見える人たちも、とんでもなく苦労して、努力している。
きっとこれからますます成功して行くんだろうけど、潰れかかってたなんて想像つかないんだろうな。
皆、見えないところでもがき、努力している。

さて、
コンテンツ制作とメディアになることは別物なんだよな、と常々思っている。
そしてコンテンツは作っただけでは流通しない。
YouTubeというプラットフォームは流通プラットフォームデアはあるが、
コンテンツは生まれた瞬間、無数のコンテンツに埋もれる。
砂漠の中の砂つぶの1つ。
メディアになるということはユーザーにコンテンツを流通させる力を持つこと。
両方できると最強だけど、クリエイターとしてコンテンツ制作とメディア運営はまた別物だから、
両立はとんでもなく難しいと思うのだけど、真のメディアとは制作能力とセットになっている。

NewsPicksもキュレーションだけではなく、オリジナルのコンテンツを急拡大させて初めて真のメディアになった気がする。
今や落ち目だけど、昔は雑誌もコンテンツとデリバリーの両方を兼ね備えていた。
今は出版流通という既存のデリバリー構造がぶっ壊れているイメージ。

いや、しかし本当に動画に関する考察やノウハウをここまで開示している本は無いと思う。
10年後、IPTという概念を明示した古典として語られる名著なんじゃないかな。

動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)

動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)

短期的なPLをよくすることが目的化しているPL脳から脱却せよ! 朝倉祐介/ファイナンス思考

日本企業を蝕むPL脳、それは短期的なPLの数字に囚われて、
長期的な成長を描けなくなる病。

企業価値を向上させることはPLをちょっぴりよくすること、ではない。
経営者も、投資家も目先のPLばかり見ているからダメなんだと言う話。

例えばGAFAの場合

・短期的なPLの既存を厭わない
・市場の拡大や競争優位性の確保を重視し、極めて大規模な投資を行う
・投資の目線が長期的で未来志向である
P.24

投資が短期的な回収と言う目線ではなく、競争優位性の確保、企業価値の向上に向けて投資される。
来期のPLがそれで悪化しようと構わない。
ただ、日本の企業だと、PLに傷つけるな、となる。そっち優先じゃないでしょ?ってこと。

会社の意思決定の中には、会社の価値向上ではなく、
実は、目の前のPLを最大化することを目的とした近視眼的な内容が紛れていることが珍しくありません。
P.26

四半期ごとの増収増益を作ることが目的化されてしまうと本質的な投資は行われない。
これをPL脳と呼んで、警鐘を鳴らしている。
お説ごもっともで、会社の中ではPL脳的な議論が繰り返されているなぁ、と実感する。

会社の成長ステージに応じた「経営者」

経営者とは職種で、別に出世してなるものでもない、と言う感覚が日本にはない。
マーケターとか研究開発と同じ、職種、なんだよ、本来。
そして経営者の中にもいくつかのタイプがあって会社のステージによって最適な経営者というのは変わる。

P.68 -P.69のをざっとまとめると以下の感じ。

創業期:「起業家」
→0から1を産み出す、立ち上げ段階、視点はあくまでもプロダクトの作り込み

成長期:「事業家」
→立ち上がったプロダクトから継続的な利益を創出するビジネスへ。規模拡大とオペレーションの洗練。

成熟期:「経営者(狭義)」
→自社事業が10まで育った会社を100まで持っていく。既存事業のほかに複数事業を並行稼働する組織運営。
 資産が使える。ファイナンス思考超重要。

経営者を職種として捉える考え方はほとんど浸透していない。
プロ経営者という方がちらほらいるけれど、絶対数はとても少ないし
世間一般からは認知されていない。

社長=会社のオーナーであるかのようなイメージがつきまとっているのもよくない気がする。
株式会社は誰のものか?
株主のものです。
社長のものってわけじゃない。

経営者は、株主から経営を任されているだけ。

所有と経営を分離した仕組みが株式会社というイノベーションなのだけど、
このことを一般の人たちがほとんど理解していない。

売上至上主義の罪

PL脳の最たるものが売上高至上主義だ。
売上高の成長が最優先されると、どんどん採算性は低下していく。
例えば、同じ100万円の売上でも
単価100円*10000個なのか、単価1000円*1000個なのかで意味が違う。
製造コストは10000個の方が低いだろうが、営業コストやマーケティングコストは高くなる。

どっちがいいかはトータルのコストで考えないとダメということ。

上場企業を蝕む短期主義

決算は1年や四半期といった期間によって区切られ、会社はその期間の結果によって評価されます。
したがって経営者は、どうしても目の前の決算内容をよくしたい、PLをよく見せたいという動機をもつものです。
P.212

これは日本の企業の成長にキャップをかける要因にもなっている。
四半期や1年での決算をよく見せることが気になるって、PL脳を社会全体で推進するような構造。
経営者の任期が短いことも長期的なビジョンで投資できない弊害が指摘されている。
そんな文脈の中で非上場企業やファミリービジネスが再び注目を集めている。

資金需要がなければそもそも上場する必要ないし、
上場以外の資金調達手段もある。

資金調達コストを低く抑える中での選択肢の1つでしかない、上場なんて。

理、心、運

朝倉さんの前著の話。

理と心と運の影響度合いは「1:4:5」くらい。
でも運は理と心を尽くしていないところには降りてこない。
理と心は必要条件なんだ、というの実によくわかる。

本田宗一郎は「理念なき行動は凶器であり、行動なき理念は無価値である」と述べています。
(中略)
もちろん、いくら正論を振りかざしたところで、現実がままならないことは、自身の経営経験を通じ、骨身にしみて実感しています。正論と現実は、得てしてかけ離れているものです。
ですが、だからと言って、「現場感」や「リアリティ」といった名の下に現状を肯定し、追従しているようでは、進歩は望めません。理想と現実の乖離を理解したうえで、思い描いた理想を100%は実現できないにしても、ままならない現実を少しでも「あらまほしき世界」に引き寄せる。数多上げることが出来る「できない理由」を少しでも多く潰す。ことを成すには、こうした不断の努力が必要です。
P.260

そういうものなんだ、という覚悟を決めるしかない。
それでもがくしか無いんだと思われる。
励まされる一節だった。


仮説と検証、結果からまた仮説構築、検証というサイクルをひたすら回すのだ!! 福島良典/センスのいらない経営

Gunosyの創業者である福島さんの著書。
地味な出版社から地味に出ているんだけど、
結構良い本だと思うの。

なんでもっと話題にならないんだろうと思うが、
本なんてそんなもんで、
だからこそ良書と出会えることはとても大切。

センスのいらない経営

センスのいらない経営

目的設定の重要性

機械がプロに勝った象徴的な事例である、囲碁AlphaGoの開発過程の話。

囲碁は「相手との目数の差」が多いほど有利ですから、開発当初は「目数の差を大きくする」という目的が設定されていたそうです。ところが、それでは思うように勝率が上がりませんでした。そこで、目的を「勝つこと」に設定し直したところ、劇的に勝率が上がったそうです。
P.72

解くべき課題の設定がいかに大切かということ。
間違えた問題に対する正しい答えほど厄介なものはない。

マネジメントにおいてもチームに適切な課題を与えてあげることがとても大切。
安易にコンバージョンを追い求めると短期的費用対効果だけ追い求めて崩壊したりする。
何を取り組むべき課題とするか、そこを考え抜くのがマネジメントの大事な仕事。


グノシーのダウンロードが伸びたコミュニケーションとは

最初はグノシーの特徴を覚えてもらうためのCMを流していた。認知は上がったけど、ダウンロードは伸びない。
なぜか??

必要なのは使いたいと思わせるCMだ。ようやくそう気づいて、使い勝手の良さやおトク感を前面に出した内容に作り変えたのが、先ほどのCMです。
P.102

これも先ほどの課題設定の話と似ている。
何のためのCMなのか、どうしたいのか、という目的設定がとても重要。
サービスを知ってもらいたいだけなら、以前のCMでも良かったのだろう。
ただ、本当の目的は知ってもらうことではなく、ダウンロードして使ってもらうこと。
だとすると、使いたいと思わせるCMじゃないといけなかったという話。
目的は何なのか。その目的は本当に適切か。ここがずれてると成功しようがない。

結局、目的自身も見直しながらPDCAしまくっているというのがこの本。
とにかくそこから逃げなければ何も怖くない、と。
うまくいくかな、どうかな、と不安がる意味は全くなくて、
仮説と検証、結果からまた仮説構築、検証というサイクルをひたすら回せばよくなっていく。
徹底的にそこにこだわるべきなんだな、と気づかされる。

徹底的にPDCAに取り組む組織文化の醸成こそが肝ってことだと理解した。

特にソフトウェアはリリースした後の改善が肝ですから、社員たちの間で「トライ&エラー」を繰り返すことにインセンティブが働くようにする必要があります。たくさん実験し、たくさん失敗し、たくさん学習することを良しとする。そうした会社の姿勢を示すことで、「ナイストライ文化」を行き渡らせています。
P.180


センスのいらない経営

センスのいらない経営

戦略というものを構造的に捉えて、言語化しているマーケター必読の書。 音部大輔/なぜ戦略で差がつくのか

マーケティング界隈で活躍しまくっているP&Gマフィア。
彼らはP&Gの卒業生。

そんなP&Gマフィアの筆頭ともいうべき人が音部大輔氏だ、

戦略とは何か?
わかっているようでみんなわかっていない。
戦略をちゃんと定義できていなければ、戦略なんか立てようがない。
本書は戦略とは何か、どう考えるものかを丁寧に解説した本。

戦略にフォーカスして、どのように考えていくかを噛み砕いているので、わかりやすい。
最も、膨大なデータと予算が必要そうな印象も抱いてしまうのだが、
弱者の戦略というよりは王道の戦略論。

優秀な人は言語化能力がすごい。

戦略というものを構造的に捉えて、言語化してるのでマーケター必読の書だと思う。


戦略とは何か

一言で言うなら「目的達成のための資源利用の指針」である。

なぜ戦略が必要なのか?に対する答えは、「達成すべき目的があり、かつ資源が有限であるから」である。目的がなければ戦略は必要ないし、資源が無限であれば戦略は必要ない。
P.27

目的を常に意識することは戦略とはまた違う次元で重要だ。

このサンプリングの目的はなんですか?と言う質問に対して、「1人でも多くの利用者に製品を渡すことです」と回答されたことがある。会話になっているように聞こえるが、これではサンプリングという行動の記述に過ぎない。カテゴリー(製品分野)の被使用者にカテゴリーの体験をしてもらいたいのか、ブランドの使用者に新しいアイテムを追加しようしてもらいたいのか、競合ブランドの使用者に製品体験を通して自ブランドの優れた点を認識してもらいたいのか。目的によって最適なサンプリングの仕方は異なるだろう。
P.25

この何のために?という目的を浸透させることは非常に重要だ。
目的の認識が間違っていると、とんでもない結果を招きかねない。
間違った課題に対する正しい答えほど手に負えないものはないからだ。

良い目的を設定するために

目的は解釈の余地がない、誤解の招きようがない表現で設定されなければいけない。
そのための要素がSMACだ。

SMACというのは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Consistent(一貫性がある)をつなげた単語だ。
P.44

達成可能性をどう捉えるか、ということに関しては、
確実に達成できるというよりも、確実に達成できないことを排除するイメージ。
既存のデータと仮説の組み合わせで構築していく。
ロジカルな仮説思考が求められるということ。


資源を解釈し直す

「目的」に並ぶもう一つの需要な構成要素が「資源」である。戦略における残り半分の創造性は、資源を解釈し直すことにある。目的の再解釈に創造性が必要であったように、ここでも戦略は創造性を要求する。(中略)
目的を達成できなかったり、成果がはかばかしくなかったりといった場合に、資源の欠乏を理由とされることはよくある。(中略)すべての問題を資源の欠乏に帰結させてしまうという姿勢自体も、戦略的に思考できていないことが原因かもしれない。
P.86-P.87

自分たちの資源に、自分たちがどれだけ気付けるか。
組織の中には顕在化していない資源も隠れている。
当たり前だと思っていたことが非常に強力な資源になることすらあり得る。
気づけていない隠れた資源はないか、資源の組み合わせで相乗効果が発揮できないか、
資源になりうる要素をとことん洗い出して整理しなくてはいけない。

ブリーフィングの重要性

ブリーフをいかにわかりやすく、かつ、彼らの専門性を鼓舞できるように書くか、というのはとても重要な工程である。自分たちが提示した目的や戦略が十分に理解しやすいもので、代理店担当者を鼓舞し奮起させるものになっているだろうか。もしクライアントとしてよくわからないのであれば、彼らに直接確認してみるのもいいだろう。
P.118

代理店活用に際してのブリーフが重要だというお話なのだが、
これは代理店のみならず、あらゆる関係者を巻き込み、予想や期待を超える結果を出してもらうための技術。
目的や戦略を明確にした上で、やる気を引き出す伝え方をする。
チームで仕事をする際の要諦でもある。

人は一体どういう時にやる気になるのだろう。
やはり自分が貢献できそうだ、という感触や、自分の働きへの期待が伝わる時なのではないか。
そう考えるとブリーフィングは細部まで規定されたものでは逆効果になる気がする。
それぞれの専門性を持った人材が、創意工夫する余地、余白みたいなものもあるべきだ。


最悪を回避する思考実験

「今日は、計画実行から半年後である。叡智の限りを尽くして組み上げた戦略と、それに基づく計画を、全員が全力で遂行した。誠に残念ながら、我々の試みは完全な失敗に終わった。さて、なぜ失敗したのか」
P.284

これから遂行するプロジェクトを未来から振り返る。
なぜ失敗したのか。
これは遂行の精度をあげる重要な思考実験だ。

個人的には常に意識してる思考実験。
イデアを考えるときはポジティブに広げていくが、ある程度アイデアがまとまってきたら、
一度自分ですべてを否定してみようと試みる。
どうしたら失敗させることができるか。
そのネガティブチェックによって思いついた穴が、
失敗を回避するために対策しなければいけないポイントだったりする。


ポジ、ネガを交互に繰り返し、穴を埋めていく脳内ディベートこそ、
思考を深めるのに有効な手段だと思うのだがこれをやらない人が多すぎる。

これに慣れてくると、一人でいつでもどこでも、思考できるようになるし、
大抵の質問には即答できる。
とにかく思考し続けることは大事。