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成功への抜け道ではなく、多大な努力と挫折の積み重ねの上にできた成功への獣道 アレックス・バナヤン/サードドア

精神的資産の増やし方、とか自分の殻を破るとかって帯に書いてあるから、
内省的な話なのかしらと思っていたのだけど、全然そんなんじゃなかった。

少年が困難や壁にぶつかりまくりながらも前に進むドキュメンタリー。
なので、小難しい話が苦手な人でも楽しめる。

別に楽な抜け道ってことじゃない

ちなみにサードドアの由来をご紹介。

僕がインタビューした人たちはみんな人生にも、ビジネスにも、成功にも、同じやり方で向き合っている。僕から見たら、それはそれはナイトクラブに入るのと同じようなものだ、常に2つの入り口があるんだ。
 「まずファーストドアがある」と僕はマットに言った。
 「正面入り口のことさ。長い行列が弧を描いて読き、入れるかどうか気をもみながら99%の人がそこに並ぶんだ」
 「次にセカンドドアがある。これはVIP専用入り口で、億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる」。マットはうなずいた。
 「 学校とか普通の社会にいると、人生にも、ビジネスにも、成功にも、この2つのドアしかないような気分になる。でも数年前から僕は、常に必ず⋯⋯サードドアがあることに気づいたんだ。
 その入り口は、行列から飛び出し、裏道を駆け抜けて、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先に、必ずあるんだ。
アレックス・バナヤン『サードドア』P.334 - P.335

正直最初は誰も何も持ってない、みんなそこから始まるんだけど、
そういう時に人と同じことをしていたらダメだって話。
正面玄関に行儀よく並んでいたって誰も注目なんかしてくれない。

これは別にズルをしろとかそういうことじゃなくて、
サードドア目指して足搔けってこと。

自分の頭で考えて動け、という一方で、そうした結果、
動いた分だけめちゃくちゃ失敗するし、めっちゃ凹む。
そんな等身大の姿がこの本にはある。

成功への抜け道、と帯にあるけれどこれは別に抜け道なんかではなくて、
多大な努力と挫折の積み重ねの上にできた成功への獣道だと思う。

伝え方がすべて

 「お前がわかってないのはここさ」とエリオットが言う。
 「お前はみんなが、自分のやったこと自体に興味を持ってると思ってるだろ。なんせ有名なテレビ番組の話だしな。でも大事なのはそこじゃない。伝え方こそが大事なんだ」
アレックス・バナヤン『サードドア』P.136

自分の経験、考えていること、伝え方がすべて。
エレベーターピッチなんてことが良く言われるけど、
お偉いさんとエレベーターで乗り合わせたとき、その数十秒で、
自分の考えをいかにコンパクトに、そして鮮烈に印象づけるか。

伝え方には工夫しすぎて無駄なことはない。

見えない努力

ウォーレン・バフェットのエピソードは印象深い。

 他の人は報告書の上っ面しか読まないのに、バフェットは小さな活字の上から下まで丁寧に目を通し、一言一句をチェックして手がかりを探すんだ。
 脚注を読むのは天才でなくたってできるよね。選択の問題なんだよ。時間をかけて、努力に努カを重ねて、他の人がやりたくないことまで引き受ける。それを選ぶかどうかだ。
アレックス・バナヤン『サードドア』P.220

皆すべからく努力している。凡人がしないことを、しっかりと確実にやっている。
そういう地道な努力が成功を支えているのは事実で、決して楽ちんルートがあるわけじゃない。
サードドアは、売り出し方が成功の秘訣を教えるよ的な雰囲気をまとっているけれど、
実はその内容はとてもまじめで堅実な真理を自分の体験を通して伝えようとしてくれている。

なので、なんか胡散臭いなと思っていた人こそ読んでみて欲しい1冊。