任天堂のゲームデザイナー玉樹さんの本。
ゲームがどのようにデザインされているのか、という所から
そもそもユーザーを行動に導くデザインとは、といった話に展開していく。
もう最高に面白い本当のデザインの本。
「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ
- 作者:玉樹 真一郎
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
直感のデザイン
自ら気づき、試し、歓喜する、という直感のデザインこそこのゲームは面白い!という感想につながる。
それは実に計算され尽くされた誘導。
例えば部下や上司を自分の意図通りに動かす最高の方法は、
相手が自分で思いついたように誘導することだったりするのだけど、
それもコミュニケーションを直感のデザインと同じ考え方で設計しているんだよね。
一連の体験を通してプレイヤーに情報を伝える……そんな体験のデザインを「直感のデザイン」とよぶことにしましょう。
仮説「〇〇するのかな?」と相手に仮説を立てさせる
試行「〇〇してみよう」と思わせ、実際に行動で確かめさせる
歓喜「〇〇という自分の予想が当たった!」とよろこばせる
P.56
シンプルであること
人の行動を変えているのは、シンプルであるかどうかです。
P.78
真理だよね。
だからこそ、問題や解決すべき課題をフォーカスしないといけない。
複雑にみえる状況を構造的に分解して、フォーカスしないといけない。
逆にそれさえできてシンプルになれば人は動き出す。
なぜゲームを遊ぶのか?
人はなぜ、ゲームを遊ぶのか?
(中略)
ゲーム自体がおもしろいからではなく、
プレイヤー自身が直感する体験そのものがおもしろいから、遊ぶ。
P.109
深い。
実は僕は任天堂系ゲームの良きプレイヤーではなく、
マリオも、ゼルダも、あまりはまっていない。。。
アクション系が得意でないというのがあり、、敬遠していて、
何かとRPGに傾倒しがちなのだけど、
この本読んだらマリオとかゼルダをデザインって観点からやりたくなったよ。
ゲームの効用
プレイヤーの一挙手一投足に反応し相互作用することで、ゲームはプレイヤーの自己効力感を引き出し、成長しようとする気持ちが湧くまで導いているのですね。
P.224
ゲームする時間を規制する、みたいなバカな話も出てきているけれど、
ゲームには素晴らしい効用がたくさんあると思うよ。
僕は自分の子供にはちゃんとゲームやらせたいけどな。
共感を得るための脇役
主人公に同行する「面倒な同行者」がいかに重要かというお話。
主人公1人で辛い目にあっても、主人公は悲しいという主観的感情、プレイヤーはかわいそうだな、という客観的な感情。
といった形で感情移入できない。
感情移入とはプレイヤーと主人公の気持ちが同じになること。
そこで、面倒な同行者、とか嫌な奴の存在が必要なわけ。
主人公が腹立つ=プレイヤーも腹立つ、となって初めて感情移入が成立する。
これはすべての物語作者に重要なヒントだよね。
「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ
- 作者:玉樹 真一郎
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)