ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

小売業も単なるモノ売りから顧客との関係づくりに変化してきている。 アン・H・シャンザー/サブスクリプション・マーケティング モノが売れない時代の顧客との関わり方

所有から利用へ。
モノからサービスへ。
販売から関係づくりへ。

小売のサービス化が進んでいく中で、
その中心にあるのがサブスクリプション型のサービスだ。

サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

サブスクリプション導入の注意点

これはどの企業にも起こりうる話。
まずは試験的に導入してみようというやつ。
ただ、この試験的導入というのには大きな落とし穴がある。
本気にならないのだ。

これはテストだから、と関係者がベストを尽くさない。
お試しだからこそ、お試し期間は持てるリソースを全て突っ込むくらいの勢いで
トライしなければいけないのに。

テストがうまくいかない本質的な理由がここにある。
どうせこれはテストだから、という意識を払拭させることが、
正しいテストの第一歩。

これはリスクの比較的低い手法のように思えるが、コミットメントの欠如から失敗に終わることも考えられる。現在の売り上げが減ることを恐れて営業担当者はサブスクリプションを売り込もうとしないかもしれない。マーケティングチームはこれを試験的なものと考えて、理想的な顧客を求める十分な努力をしないかもしれない。顧客を成功に導くしああ署の段階で力を入れなければ、契約の更新離されず、チャーンレート(解約率)が高くなるかもしれない。
P.43

数字でとらえる

これはサブスクリプションに限らず、今の時代のマーケティング・スタンダードだと思うんだよ。

・顧客を1人獲得するための平均コストはいくらか。制約に至るまでのマーケティングや営業にいくらお金がかかるのか。
・契約者1人あたり収益はいくらか。
・顧客を維持するのにかかるコストは。
・顧客の獲得に要した費用を回収して利益を得るまでにどれだけの時間を要するか。契約更新が何回必要か。
・平均的な顧客はどれほどの期間サービスを利用し契約を更新するのか。現在のチャーンレート(解約率)はいくらか。
P.59

獲得と維持にかかる費用をどれくらいの期間で回収するか、その設計ができれば実行するのみ。

サブスクリプションモデルは一方通行のファネルじゃない

サブスクリプションモデルはいわゆる漏斗状の一方通行のファネルではない。
購入後の顧客をいかに満足させ、継続させるかという視点が重要になる。
したがって購入後のユーザーが再び見込み客になるようなフィードバックループが組み込まれていると考えられる。

・既存顧客を育成して契約更新につなげる。
・既存顧客にアップセルをかける。
・顧客の口コミによって新しい見込み顧客を創出する
P.69

ただ、これはサブスクリプションモデルに限ったことではない。

例えばファンベース的な考え方でコミュニティを育成していく時もこの考え方は有効だろう。

digima.hatenablog.jp

通販会社の高度なCRMもこの考え方が前提とされている。
結局、顧客との関係性の維持、という視点を持つと必然的にここに行き着くのだ。

個人的には伝統的なカタログ通販会社などがもっているCRMのノウハウはものすごく有効だと思っていて、
そのノウハウこそ、カタログ通販以外の業界が求めていると思うんだよね。


支払いという苦痛

サブスクリプションモデルはつどつど支払いという意思決定をする必要がない。
先払いで後は楽しむだけ。最初のハードルさえクリアすれば後はいかに満足してもらうかだし、
消費者のマインド自体が後は楽しむだけ、となるので満足感を与えやすい。

支払いという苦痛を体験してしまえば、あとはテニしたものを存分に楽しむことも認知科学でわかっている。(中略)先払いをした後で消費すると多くの喜びが得られる、と述べている。
P.79

顧客とストーリーを共有する

口コミやレビューを書いてくれとお願いはするけれど、既存顧客がそれを読みたがっているという視点を忘れがち。
自分が購入した行為を承認する効果もあるだろうから、満足度の向上にも寄与する。
自分が買った商品のCMを見るとちょっと嬉しくなることあるでしょ、私、これ持ってるよってなるやつ。

人は常に自分の選択が正しかったのか不安になる存在。
承認されたいニーズが無意識のうちに存在している。
だから、あなたの買い物は間違いなかった、他の人もこんなに喜んでいる、という
エピソードを提供するのは理に適っているんだよね。

マーケティングチームは既存の顧客に体験談を語ってくれるよう依頼をするが、彼らが体験談を聞きたいと思っていることは忘れがちである。ストーリーは、他の人がどのようにして成功を収めたかを雄弁に物語る。ストーリーによって顧客は自分が今どんな恩恵を受けているかを改めて認識するかもしれない。もっと商品、サービスを活用しようという気になることだって考えられる。
潜在顧客を引き寄せ、見込み顧客を創出するために、すでにストーリーは用意されているだろう。それを顧客に届けるのだから、それほど手間はかからない。すでにあるコンテンツを利用するこの戦略は、価値育成の無料お試しと考えてほしい。
・契約を済ませた顧客に適切なストーリーを届ける。
・新しい体験談を公開するときは、既存顧客にも届ける。
・顧客に成功談や、商品、サービスの興味深い活用法を聞かせてくれるよう積極的に働きかける。
P.107

顧客が得た恩恵をデータで示す

実際あなたはこれだけ得してますよ、みたいな情報をデータで示す。

データは、サブスクリプションによってその顧客がどれくらいの利益を得たかがわかるような形で示すとよい。時間をどれだけ節約できたか、どれほど健康的な食事ができたか、何度ブログを更新したか。あなたのビジネスに合えばどんな形でもよい。
P.111

これもまた色んな応用が効く視点。
例えばあなたはこれだけ得してます、を定量的に示す。
例えば通販サービスなら、あなたは年間送料無料キャンペーンでこれだけ得してます、とか。

コンテンツマーケティング

僕は下記の考え方には賛同できない。
コンテンツ・マーケティングは関係性を構築するのには向いていると思うが、
短期的な収益施策としてはよくないと思う。

自分がこういう思考に陥らないように気をつけたい。

ジョー・ピュリッジはこう述べている。「顧客をより長く引きつけ、より満足させる。そして/または、より多くの支払いをさせることが、コンテンツマーケティングの第一の目的である。
P.192 - P.193

エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書

エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書

↑ちなみにこの本でそういうことが語られているらしい。
賛同できそうにないけれど、読んでみようかな。。。


サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

良質な入門書は改めて色々なことに気づかせてくれる。初学者からベテランまでオススメ 逸見光次郎/マーケティング 顧客ファーストの時代を生き抜く新しいルール

オムニチャネルといえばこの人、みたいな感もあるマーケターが書いた入門書。
逸見さんが基本的な要素を整理しつつ、第一線で活躍するマーケターがコラム的に寄稿している構成。

基本と濃い話が絶妙に混じってる。

そしてこういう入門書は必ずしも初学者のためだけじゃない。
基礎であるがゆえに良質な入門書は改めて色々なことに気づかせてくれるから。

主観的に考える

これはスマートニュースの西口さんのコラムの一節。
ロジカルな最適化は早晩AIがやるようになるよ、と。
そうなった時に人間じゃないと出せない価値はなんなのか。
自ら没入し、同化して、主観的に考えることが大切なんだね。

知識を蓄え、そこから論理的に考えるのは、AIが担当してくれます。最も重要なのが、マーケットに身を置いて、主観的に新しい需要やニーズを考えること。ターゲットを客観的に見るのではなく、自らをターゲットとして、非線形的に、これまでにない価値のあるもの、サービス、コミュニケーションを考えてみてください。
P.38

主観ってすごく大切なんだけど、持ってる人以外と少ない気がする。
全然自分の頭で考えてなくて、誰かの受け売りだったり、人の意見に合わせているだけだったり。
真の主観とは他人に何と言われようと自分がたどり着いた思考であり、真実。
自分にとって真実なのであれば、それは真実なのよ、自分にとっては。
それが理解されるかどうかすら関係ない。
そういう自分にとっての真実にたどり着く思考力と、
空気読まない自立心がないと、主観的に考えられないと思うのよね。

計画と実行

数字に落とし込んだ明確な目標を作ることがスタート地点。

実行フェイズになったら、現場での販売活動が中心になってくる。商品の確保、店頭への販促物(ポスターやPOP)の掲示確認や各種宣伝など、「実行すると決めた施策」を、「決められたタイミング」で「決められた担当者」がきちんと実行していくことが大切だ。
(中略)
「各施策の実行」と「その数値の見える化・共有化」が両輪で回ってこそ、キャンペーン効果の最大化がはかれるのだ。
P.136

数値を見える化して、公開、皆と共有することで全員当事者意識を持てるようになる。
状況の理解、把握を一緒にしないとダメ。
認識を揃えて皆で考えればいい知恵もわくが、当事者意識を持たないまま考えろと言っても意味がない。

商品勘定から顧客勘定へ

売り上げの計画は商品ではなく顧客で勘定する。

「商品がどれだけ売れるか」という「商品勘定」から、「年間いくら使う顧客が何人いたら予算が達成できるか」という顧客勘定になる
P.152

目標設定した期間で、何人の顧客が、平均何回買って、注文あたりの単価はいくら、例えばこれらがどうであれば目標が実現するのかイメージできているか?
できてないなら、今すぐ計算して明示したほうがいい。
例えば上記の場合、購買客数が少ないのか、購買頻度が少ないのか、単価が少ないのか、どこがうまく言っていないのかを常にモニタリングできる。
分解した指標を持てば、モニタリングできる。モニタリングできれば常に異変に気づけるし、改善アクションの頻度も高まる。

KPIの立て方に気をつけろ

例えばコールセンターは通話時間を短くして業務効率を上げることを目的にするのではなく、応対した顧客が実際に次の買い物をしてくれたかどうかをデータで見える化し、頻度向上を図ることが重要になっています。
P.162

上記はとても良い例。
お客様への対応時間を短くすることがKPIなのと、応対した顧客が次回も買ってくれるかがKPIなのでは行動が変わる。
何が目的なのか、目的とKPIはしっかりと整合しているか、マネジャーはここを死ぬほど考えぬかないといけない。

メッセージは1つじゃない

マス媒体の時代は顧客には共通の1つのメッセージを伝えていればよかった。
でも、もうそういう時代じゃない。

同じ商品・サービスの情報を伝えるにしても、顧客の利用シーンやニーズに合わせて伝えるメッセージを変えていかなくてはならない。
P.182

マネジャーとは何なのかを明瞭に示してくれる伝説の名著。 アンドリュー・S・グローブ/HIGH OUTPUT MANAGEMENT ハイアウトプット マネジメント

田端さんが絶賛していて知りました。
インテルの経営者が書いた本。
マネジメントの要諦というか、生産性を上げるために
どういう視点で見て、考えるのかを具体的に書いてくれている名著。
そしてマネジャーとは何なのかをこれほど明瞭に示してくれる本もないだろう。

朝食工場

コーヒー、トースト、半熟卵からなる朝食を生産する工場に例えて、
生産の肝を解説することからこの本は始まる。

まずやらなければならないことは、取りかかる作業の全体的な形を決める中心的なステップをはっきりと突き止めることである。それを、制約的ステップと呼ぼう。(中略)答えは明らかに卵である。そこで、卵をゆでるのに必要な時間を中心に全体の仕事を計画しなければならない。(中略)
ここでカギとなる大切な考え方は、最も長い(あるいは最も困難な、最も要注意の、または最も費用のかかる)ステップから生産の流れを組み立てて、逆に考えてゆくという点である。
P.41-P.43

ワークフローの中心にすえるべき事柄は最も時間がかかったり、難しかったり、コストのかかること。
要は失敗してしまうとクリティカルなものを確実にこなすフローを中心において、他の作業を周辺に配置する。
この抜き書き部分だけで多くの示唆がある。

生産性を上げるためには、クリティカルなリスクから潰すということ。
仕事は様々な工程、作業によって成り立っているのだけど、どの工程が最もクリティカルな工程なのか、ワークフローを客観的に分析することは非常に重要だし、既存のワークフローの改善もそこからしか始まらない。これは個人の作業に関しても当てはまる。

もう一つは逆算思考。この工程を中心に据えるならば、というところから後はどうであるべきかを逆算していく。
ゴールからゴールに達する道を逆算していく思考はビジネスマン必須のスキル。
個人的には構造化と逆算思考がビジネスマンの基礎戦闘力だと思ってる。これが弱いと、応用きかない。

マネジャーのアウトプット

マネジャーのアウトプットとは何か?判断と意見?指示?部下の育成?計画の立案?
どれも違う。それらはアウトプットではなくて、活動(=アクティビティ)なんじゃないのか、とグローブさんは申しております。
なすべきことではあるが、アウトプットではない、と。

マネジャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット
P.85

くっそシンプルで明確である。
この定義を組織に理解させ、浸透させねばなるまい。

仕事とはチームでやるもので、マネージャーのアウトプットは個人のアウトプットではなく、組織としてのアウトプットを見てやらねばいけない。
組織としてのアウトプットを出すのがマネージャーの仕事。

「影響力が及ぶ」というのはいい影響力を与えなければいけないということでもある。

往々にしてマネジャーは、オフィスにいながら、様々な出来事に何がしかの影響を与えるために、様々なことを行う。たとえば、仲間に電話をして意思決定はこんな風にしたらと提案したり、ノートやメモを送って状況に対する自分の見方を示したり、あるいは口頭でのプレゼンテーションの際にコメントを述べたりなどする。このような場合、マネジャーは自分として望ましい解決の仕方を主張はするが、指示や命令を出しているわけではない。しかしやっていることは、単に情報を伝えるというよりは強いことである。これは個人あるいはミーティングを軽くつついて自分の思う方向に進ませようとするので「ナッジング(突っつき、とか一押し)と呼ぶことにしよう。これはマネジャーが常時行う極めて重要な活動であり、確固として明確な指令となる意思決定とは慎重に区別しなければならない。
P.99

そう、マネジャーは意思決定以外にも、周囲にプラスの影響を与え、組織全体のアウトプットが最大化するよう動かねばならない。
歯車も放置しておくと噛み合わない、ということでもあるんだろうな。
しっかりと噛み合った歯車は最高の仕事をするけれど、放っておいて噛み合うわけでもなく。
なので常に自分の見解や意見を伝え、部下たちの方向性を整えることは非常に重要。

権限移譲の肝

マンジャーの時間は、その値打ちに上下があるので、権限移譲がマネジメントにとって不可欠な側面となる。「委譲する人」と「委譲される人」は、どのように問題を解決していくかについて、共通の情報基盤と共通した業務処理場の考え方を持たなければならないが、この点がよく見落とされがちである。
P.109

権限移譲は必須だが、委譲する先とは何を見てどう考えるかの部分をよく擦り合わせておかねばならない。
結局マネジャーはすべての意思決定に関与するには時間がなさすぎる。
一方で、仕事は現場レベルの無数の意思決定の束で出来上がっているから、それらの判断がてんでバラバラではうまくいかないのも道理。

ただ、権限委譲したからといって、自分には関係ない、ではダメ。

最後までトコトン、フォローしない権限委譲は“職務放棄”だという原則をよく考えておいてほしい。マネジャーがタスクからすっかり足を洗うことなどはできない。権限委譲をした後でも、仕事の完了に対してはやはり責任があり、委譲した仕事のモニタリングは、結果を確実にもたらすための唯一の実際的方法である。
P110

マネジャーのアウトプットは組織のアウトプットだからね。
モニタリング、超大切。
権限を委譲しても責任から解放されるわけではない。
委譲しながらも責任の一端を担うからこそ、いざという時には口も出すって感じか。

ミーティングの善悪

ミーティングというと無駄の塊のような、少なければ少ないほどいいような語られ方をすることもある。
実際、それだけ無駄な会議が世の中には溢れているということなのだろう。
ただ、グローブさんはこれに異を唱える。

マネジャーは意思決定もするし、人の意思決定の援助もする。この基本的なマネジャーの仕事は両方とも、膝を交えての話合いのとき、したがってミーティングを通じてのみ遂行できる。だから、ミーティングがマネジャーが仕事を遂行する“手段”そのものに他ならないと、私はここでもう一度主張しておきたい。ということは、われわれはミーティングの存在の当否と戦うのではなく、むしろその時間をできるだけ能率よく使わなければならないのである。
P.126

全くもってその通りで、参加するものを無駄だと断じる前によくすることを考えるべきなのだ。

同僚プラス1

同僚同士だと議論はしても何も決まらない問題というのが起きる。
だから、そういう時には上の立場の人間を1人混ぜる、ということ。
しかし今度はそうなると、皆の発言が歯切れの悪いものになる。

人々が同僚の面前で意見を出すことを躊躇する理由のひとつは、グループの意見と異なる意見を述べることはグループに反対することにならないかと恐れるからである。
P.156

その結果腹の探り合いになって、個人ではなくグループの意見として落とし所を探り出す。
これは、不毛だ。
しかし人は皆、浮きたくないし、嫌われたくない。
だからなるべく、安全、安心を確保してあげないと意見はなかなか出てこない。

マネジャーの評価

組織としてのアウトプットが出ていないチームのマネジャーは、
その上司がどんなに彼は優秀で、悪いのはチームのメンバーだと言っても、評価できない。
マネジャー個人の評価は、彼の組織に与える評価よりも高くすることはできない。
外見ではなく、アウトプットを評価する。

マネジャーのアウトプットとは何か?

マネジャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット
P.85

なのだから。

マジで意志を持ってメモ取らない派だったけど、取りたくなったよ、メモ。前田裕二/メモの魔力

メモ嫌いだったんです。
外部記憶装置のようにメモとって、ほとんどのこと忘れて、
とったメモも見返すこともないようなそういうメモの取り方なんてホントバカバカしいと思っていたから。

そんな人たちがメモとってる間に本気で理解し、頭の中に入れる方がなんぼか重要だろう、と。
だから結構本気でメモ取らない意志を持ってたんだよね。

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

でも、この本読んだら、こういうメモならありだわって思った。

結局前田さんのメモはメモを超えている。
外部記憶装置的なメモなんていうことではなくて、
ファクトから抽象化して抽象化された概念をどう転用してアクションに落とすか。

ファクトからアイデアを創造する工程を彼はメモと言っている。
これはもうメモじゃないよね。

自分の中でもそれってこういうこと?じゃあこうできる?っていう風に、
まさに抽象化と転用を考える思考回路は実装されてる気がする。

そして、それを高速、高頻度でこなす装置として、
習慣づけの手法としてメモを活用しているんだよなぁってのがすごい腑に落ちた。

結局、息をするように思考する、そのためのメモなんだよ。

あー、面白かった。

抽象化と転用をもっともっと高頻度で高速にやろうと思いました。
きっとそれが構造化し、言語化する力になる。

非常に理にかなっているんだよね、すごい。

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

ディープラーニングとか、機械学習とか、AIとか、とにかく概要掴むには最高の入門書。 岡田陽介/AIをビジネスに実装する方法

ABEJAという日本で最初のディープラーニング企業。

目の付け所が早かったから最初は相当苦労したみたいだけど、
今は儲かっているんだろうな。

ある意味、会社の営業本なのだけど、
昨今流行りのAIとか機械学習とか、ディープラーニングとかの
基礎的な知識はとてもわかりやすくまとまっているから、
とにかく文系でよくわかってないんだけど、
興味はあるっていう人はすぐに買って読んだほうが良いよ。

AIをビジネスに実装する方法

AIをビジネスに実装する方法

まぁ、そもそもこの期に及んで興味ないとか言う人は、
正直いけてない人なので、この先の世の中で高給取るのは難しいと思うけど、
ご活躍をお祈り申し上げる。

お祈り〜。


うまく使うと、とても便利そうだし、
適用できる領域は結構広い。

そしてABEJAみたいな企業が、パッケージして、
導入しやすいサービスを提供するのはとても良いことだと思う。

まぁ、興味ないの終わってるよね、と思いつつも、
そんな小難しいこと意識しなくても使えちゃうんです、便利でしょ?って言う
レベルに達していないと世の中には普及しないのも確か。

きっとこう言う企業が、ディープラーニングとか、機械学習ってのを、
意識せずとも恩恵を受けられるサービスとしてどんどん出てくるんだろうな。

そして実際、導入後に一定の成果もあげちゃうんだと思う。

まぁ、本当に入門書だから、新鮮な驚きはそんなになかったけど、
最初の1冊としてはものすごくオススメ。

小売の店舗をカメラと映像解析で分析するサービスとか出てくるのだけど、
これなんかは、まんまパコ・アンダーヒルの世界を簡易かつ大規模にできるようにしたってこと。
そりゃあスゴイよね。

何がどうスゴイかってのは実際にパコの著作と合わせて読むと理解が深まると思う。

digima.hatenablog.jp

ECの世界ではサイト上でのユーザーの行動分析とか当たり前だけど、
それをリアル店舗でひたすらやってた人が昔からいたということ。

そしてそれが今やディープラーニングとかのテクノロジーによってパッケージになってる。
スゴイ世の中だな、


AIをビジネスに実装する方法

AIをビジネスに実装する方法

現場が学んで、やってみようと思えるように平易に書いてあるのがいい感じ。 有村友見/トップ販売員が使っている売れる販売心理術

接客業というのは、望むと望まないとにかかわらず心理的な影響からは逃れられない。
自分も、お客様も。

意識しているかどうかは別として、成功する人にはそれだけの理由がある訳で、
自分に対しても、相手に対しても、心理的にプラスな影響を与えている行動をしている。

それを具体的に書いているのがこの本。

〈完全版〉 トップ販売員が使っている 売れる販売心理術 (Asuka business & language book)

〈完全版〉 トップ販売員が使っている 売れる販売心理術 (Asuka business & language book)

この本がちょうどいいのは、上記のような話を、具体的かつ平易にまとめていること。

結局小難しく書いても、読まないし身にならないんだよね。
相手は別にMBA持ってますとかそういう人たちじゃない訳で。

これなら読んでみな、と渡すこともできるだろうし、
1つ1つ実践していきましょう、なんて使い方もできそう。

そういう意味では非常に現場向きの本。

そもそも自身がポジティブ思考じゃないとダメってことから、
じゃあどうやってポジティブに捉えるかというリフレーミングの話をしたり、
平易なんだけど内容はちゃんとしているからちと感心した。

スタッフに渡してみよう。

〈完全版〉 トップ販売員が使っている 売れる販売心理術 (Asuka business & language book)

〈完全版〉 トップ販売員が使っている 売れる販売心理術 (Asuka business & language book)

点で考えず、点の集合体であるかたまりで捉えるのが肝。アパレルMDの基本をまとめた良書。田村登志子/実戦!リテールマーチャンダイジング

アパレルの基本を学び直そうと思って読んでみた。

アパレルMDの5適

MDが追求するべき5適。しかし言うは易し、行うは難しの典型だけどな。

①適品 シーズンの方針に基づいた最適な商品の開発と構成
②適所 基本コンセプトにおけるターゲットにとって最適な売り場の選択
③適時 販売時期を想定したシーズン内の適切な納期計画
④適量 販売における適正な数量の設定と生産ロットの検討
⑤適価 商品の価値に対する適切な価格設定
P.26

まぁ、これだけ言われても、できたら苦労しねーよ、と言いたくなるよね。
で、これをリテール(小売)の5適だとどうかを考えると微妙に変化が起きる。

①適品 シーズンの方針に基づいた最適な商品の品揃えとその構成
②適所 商品または商品群に対して売り場内の適正な販売場所の設定
③適時 販売時期を想定したシーズン内の適切な商品展開計画
④適量 売り場のFKUに対して適切な商品量と販売に対する商品量の確保
⑤適価 商品の価値に対する適切な価格設定
P.32

うむ。言ってることは正しいと思うが実行するのが難しいのだ。

仕掛け

仕掛けの連打なんだよね、それで常に山が来るようにするんだよ。

シーズン中の売り上げの山と、山を作るための施策をいかにリンクさせるかがポイントです。複数あるMDサイクルの山を連ならせて、一定の売り上げをキープさせるために仕掛けを施します。一つの大きな山(MDグループ)に依存すると、それが作れなかった時のダメージが大きく、立て直しが困難になります。そうならないために、一つひとつのMDグループにおいて、それぞれきめ細やかにしかけを作ります。MDグループ内の商品と連動させたフェアを企画し、山の紹介期に見て欲しいものを実需期に購買してもらえるように、フェアの告知を商材の確保を行います。
P.112

品揃えと売り場

什器の台数から計算してFKUを算出する。
当たり前なんだけどこれちゃんと計算しないと、店頭あふれるんだよね。。

売り場に「どの大きさの重機が何台入るのか」を確認します。これは、売り場のFKU(フェイス・キーピング・ユニット)を算出することです。
P.195

お客様がストレスなく行き来できる幅は600ミリです。2人がすれ違うことができる幅はその2倍、1200ミリとなります。これは、少しゆったりとした通路幅であり、お客様は必ずバッグを持っていたり、冬場であればコートを着ていたりするため、それを考慮しています。また、お客様が重機に向かって商品を見ている際に、その後ろを他のお客様がすんなりと通れる幅は900ミリとなります。
P.216

定量の適正化

MDは科学である。

「シーズン売上予算」から、「アイテム別予算」を設定した後、アイテム別金額構成比が明らかになります。そこからMDグループへの落とし込みを行い、商品レイアウトで、展開するMDグループの配置を決めます。すなわち、アイテム別予算がMDグループに分散され、売り場における配置が明らかになるということです。
P.204

結局、点で考えないと言うのが重要なことのように思うが、ついつい商品は点で捉えがちになってしまう。

かたまりとは、「点」を集め、集合体にすることです。マーチャンダイジングは、点で物事を語りだすときりがない上に、点の種類によっては間違いを起こしやすくなるのです。
この間違いはとても怖いのです。一度間違えると、また別の点を追いかけてしまう傾向にあり、どんどん深みにはまってしまいます。そのため、点を集合体にして、それぞれのかたまりを扱うようにします。
P.252