ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

ファンを大切にすることの合理性を説きながら事例とともにヒントを与えてくれる。マーケターにとって読むと希望が持てる本。佐藤尚之/ファンベース

いわゆるマス型のマーケティングや広告がどんどん効かなくなってきている時代。
どのような変化が起きていて、これからはどう考えていくべきなのか。
それが本書ファンベースに書かれていること。

自分たちが大切にしている価値観に共感してくれる「ファン」をとことん重視せよ、と本書は言う。
その「ファン」を熱狂させられるかどうか。
しっかりと「ファン」を獲得し、熱狂させられるのであれば、結果は自ずとついてくる。
そのことを丁寧に解説した書。

最近、コアなファンのことや、コミュニティといったものに興味を持っていたから、
関心ドンズバな内容で色々と勉強になった。

もちろん、従来も言われていたことではあるのだけど、
それが綺麗事じゃなくてちゃんとビジネスになるんだよ、ってことを
改めて事例とともに整理してくれる。

何よりも、そう言う関係がお客様と成立するのであればそれはとても幸せなことだし、
やってる人たちもめちゃ楽しいんじゃないか。

そう思える、希望が持てる本なんだよね、これ。
なので、全てのマーケターはとりあえず一旦読むべきだと思う。

ファンベース (ちくま新書)

ファンベース (ちくま新書)


SONYのαシリーズのCRM

いわゆるマーケティング・オートメーション的なお話の成功例。
こういった個別具体的な事例における数字って、マーケターにはものすごく参考になる。
業界は違えども具体的な数値って1つのベンチマークになるから本当に考えるきっかけにもなるし最高。

彼らは、顧客がαを購入した後に、「P3」と呼ばれるCRMアクション(購入者に3ヶ月に3回以上コンタクトをする顧客施策)をして、購入した商品を使いこなすための情報やサポートを提供している。
(中略)
高度なユーザーから初心者まで、レベルに応じた多様なコンテンツをメールで配信しており、WEBサイトへの誘引率は、一般的なメルマガが1.3%程度なのに対し、P3メールは32%を示している
P.047

選択肢が多すぎると人は買うのをやめてしまう

選択肢が多ければ多いほど人は選ぶのに悩み、選んだ結果が本当にいいのか気にもなり、自信をなくし、結局選ぶのをやめてしまう。
P.058

これは非常に示唆に富む。
今でこそ増えてしまったが、ジョブスも復帰後に製品ラインナップをめちゃくちゃ絞ったのは有名な話。

そしてこれは渥美俊一はもう何十年も前から言っていることだったりする。
これは真理なんだろうなぁ。

選ぶ楽しみと探す苦痛は違う、という話は
この話と全く同じことを言ってる。

digima.hatenablog.jp

それに関しては上記の記事でも書いてるのでぜひご覧あれ。
小売業全てに通じることだね。

東京は別の国

びっくりすることに、検索を活用している人はほぼ東京に一極集中している。
P.067

東京は別の国と思った方がいいくらい、地方との格差は大きい。
検索を使いこなして情報を取りに行く、のは東京などの都市の人々がほとんど。
決してこれはマスではない、ということ。

もちろん、やがてこうなって行く、ということではあるのだろうけど、
東京の感覚だけだと見誤るよ、ということは肝に銘じておくべき。

ユーザーは自信がない

ユーザーは自分が好きなものに対して自信がない。
だからこそ、これは好きと言っていいんだ、褒めていいんだ、
人にオススメして良いんだ、と思わせることはとても重要。

有効なのは他のユーザーの声をアクセスしやすいようにおいておくこと。
あるいは自社のサービスを褒める記事にアクセスしやすくしておくこと。
そう言ったものにユーザーが触れることで、私もこれ好きって言って良いんだ、という安心感につながる。
自信がつくと、一気に発信してくれる。
これ、多分ものすごく重要なポイントなんだろうなぁ、と思うのよ。


ファンベース (ちくま新書)

ファンベース (ちくま新書)