凄いんだけど、怖いAmazon AutoRip
先週くらいに見かけたこの2つの話題が頭の隅にこびりついている。
まぁ、HMVの倒産は時代の必然というか、
あー、時代の変化に生き残れなかったね、ていう象徴でしかないんだけど。
Amazon、購入したCDのMP3データを無料提供する「AutoRip」を米国で開始 : ギズモード・ジャパン
レコード販売大手・HMVが経営破綻 英国 | 日テレNEWS24
で、問題はオートリップですよ。
TLとかでも凄いね、っていう話として語られているけれど、
これって、凄いって手放しで喜んでいいことなのだろうか。
コンテンツ産業の従事者としても、一消費者としても、
凄いなって思った後に、ちょっと待てよ、となったわけ。
おさらいしておくと、オートリップは米国アマゾンで始まったサービスで、
AmazonでCDを購入すると、デジタルデータももらえちゃうというもの。
しかも、過去に購入した商品に対してもさかのぼって適用されるというのが凄すぎる。
自分の購入履歴を保持、管理できているEC事業者のみが提供できるサービス
考えりゃすぐわかることだけど、オートリップのサービスは店舗じゃできないわけだ。
私が過去にこの店で何のCDを買ったかを完璧に管理できているわけがない。
あと、今現在保持しているかどうかにかかわらず、購入履歴だけをベースにデータがもらえるというのもすごい話。
Amazonで買ったCDはデータがもらえて、HMVで買ったCDはデータがもらえない。
Amazonで買ったCDはとっくにディスクユニオンに売り払っているけれど、データがもらえた。
HMVで買ったCDは手元に持っているのに、データはもらえない。
これって、なんなのよ、と思う。
Amazon以外でコンテンツを買うことのリスクができちゃった
今後コンテンツの流通手法としてデジタルデータ配信がメインとなってくる、そんな変化はものすごいスピードで進んでいくでしょう。
音楽はその中でも一番進んでいる分野。
この先、動画も書籍も、デジタルデータを楽しむ時代がやってきている。
このままだと3年後なのか、5年後なのか、日本でもオートリップ(動画)とか
オートリップ(本)とか始まっちゃうんじゃないの?
Amazon様はやる気満々なんじゃないの?
そうなると、Amazonで買った本のデータはもらえるけど、それ以外で買った本は電子書籍データもらえない。
Amazonで買ったDVDやブルーレイは動画ファイルもらえるけど、それ以外で買ったものはもらえない。
そんな時代が来ちゃうかもしれないって予想が立つわけです。
もうこれって、消費者にAmazon以外で買ってると、損するよって思いっきり突きつけている気がしてならない。
コンテンツ買うなら、将来のことを考えてAmazonで買っときなさいよっていう脅迫?
これが消費者としてゾッとしたっていう話。
みんな、喜んでAmazonで買うのかな・・・