宣伝会議の「インスタグラムマーケティング基礎講座」を書籍化したもの。
インスタに限らず、流行のアプリ情報なども織り交ぜつつ、
ビジュアルコミュニケーションを中心にしたSNSトレンドを分析している。
社会学的に整理しようとする側面があり、思っていたよりも真面目な口座。
その行動の裏にどういった価値観が共有されているのか、といった視点で現象を読み解いている。
その話の中で最新の事例や海外のデータなどを引用しており、
時代の空気感を掴むこととビジネスっぽい話が両方入っている本だという印象だった。
- 作者: 天野彬
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: Kindle版
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Pay Your Selfie
自分のセルフィーをマーケティングデータとして活用してもらう為に販売するサービス。
ブランドから指示された写真を撮ると1ドル貰える、といった仕組みらしい。
では、このアプリによって実際にどんなインサイトが収集できるのか。例えば歯ブラシメーカーがこのPay Your Selfieを活用してユーザーに歯を磨いているシーンのセルフィーを募ったところ、実はユーザーの多くは(利き手ではないと思われる)左手で磨いていることが分かったという。
P.26
へー、なるほどそういう活用の仕方するのね、と思った反面、
歯磨いてるところ写真に撮れって言われたから、利き手でスマホいじってたんじゃないの?
という突っ込みもしたくなるよね、これ。
終わりなき日常
90年代を回想しながら当時のスナップ文化に触れた一節。
たしかに、この感覚があったんだろうし、
それは2000年代にも引き続き存在していた気がするんだよな。
日常の中の見過ごされがちな楽しさや美しさをすくいとること、何気なく続いていってしまう日常の中で素敵だと信じられるものを自分から見つけ出していくこと、日々出会うさまざまなものに意味を見出すこと、そしてそれをきっかけとした自分の気持ちを写真に託すということ。
P.60 - P.61
我シェアする、ゆえに我あり
何を買ったのか、何を持っているのかということよりもはるかに、自分はどんな体験をしたのかということの方が、自分がどんな人間であるかを説明するようになっている。
P.86
記事の文字数
短文化してるとばかり思っていたけど、長文記事にもニーズはあるという話。
中途半端なものが駄目なのね。
アメリカのデジタルニュースメディア「Quartz」が提唱した「Quartzカーブ」という現象だ。Quartzが自社のトラフィックデータを分析した結果、ネット上で読まれるのは短文の記事が多い反面、長文の記事もよく閲読/シェアされる傾向があるということが分かった。
P.158
- 作者: 天野彬
- 発売日: 2018/01/17
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