小売りの進化の最前線を走っているのはシリコンバレーではなく中国。
で、その事例を多数紹介してくれているのが本書。
- 作者: 劉潤
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
売上を目的としない体験型店舗
ブランド自らが売上を目的としない体験型店舗をオープンすれば、ネットではもっと安い、
店で買うから値引きしろ、といったお客様にはどうぞネットで買ってください、と言えるようになる。
どちらにしてもブランドの売上になるから。
さらに、財務の面では、体験型店舗の家賃や在庫管理コストなどの情報流コストは、将来的にはマーケティングコストとして計上することもできるだろう。
P.59
ECサイトが実店舗をもつことのメリット
体験性はインターネットでも目下代替することができない。もちろん今後VRといった分野の進化は期待されるけど、
それってつまるところECがリアル店舗に近づいていくだけなのかも?
実店舗での小売を始めてみると、キャスパーはプロモーションとマーケティングにかけるコストの予算が減少したことに気がついた。そして一番重要なのは、返品が減少したことだった。
これこそがオフラインの小売の持つ代替できない体験性である。インターネットの長所は情報流の「高効率性」にあり、より早く、より完全で、より安いことだ。オフラインの長所は情報流の「体験性」にあり、より複雑で、より多感で、より立体的であることだ。
P.69
「人が物を見つける」→「物が人を見つける」
人が物を見つけるから物が人を見つける世界へ。
人が物を見つける場合は行動範囲が限られるが、物が人を見つけるようになると新たな状況が生まれる。全世界から商品があなたの元へとやって来て、価格差もなくなる。これこそがインターネットのeコマースの物流の広範性という優位性なのだ。
P.98
現金決済させないスーパー
フーマーフレッシュは、オンラインもオフラインもある生鮮スーパーなのだけど、自社アプリをインストールさせ、アプリ決済でしか支払いを受け付けない。
それは、ユーザーをオフラインからオンラインへ移行させるための必須事項と位置づけているから。
短期的な売り上げを犠牲にしてでも、アプリインストールを優先させた事例。
- 作者: 劉潤
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る