一応文学史に燦然と輝く名作ってことになっているのだけど、読んだことなかった。
サマセット・モームは世界の十大小説に入れたし、
エドモンド・ブランデンは『リア王』『白鯨』と並ぶ
英語文学屈指の三大悲劇とさえ絶賛してるらしい。
松田優作がヒースクリフ役をやった吉田喜重監督の嵐が丘は、
学生の頃観て、結構衝撃を受けた記憶が。
DVD化されてるみたいだから、欲しい気もするけど、
今さら買うならブルーレイが欲しい、みたいな気もする。
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作者は想像力だけで書いた
イギリスの片田舎で、厳格な父親に育てられ、30歳で死亡。
唯一残した長編小説がこれ。
発表当時はそんなに評価されなかったらしいが、
没後評価がうなぎ上りに。
経験もなく、資料もない、作者の想像力によって書かれた物語らしい。
125夜『嵐が丘』エミリー・ブロンテ|松岡正剛の千夜千冊
私のいない小説
読んでみてびっくりしたのは、全編聞き語りだということ。
本作は何人かに訳されているのだけど、その一人の鴻巣さんが
『嵐が丘』のことをそう評していたと書いてあって、
読んでいるときに感じていたことが物凄くスッキリした。
文学というもやもやとした対象に対して、時に優秀な評論家は
ズバリと本質をついた一言を放つことがある。
コルクの佐渡島氏が言ってたけど、優秀な編集者は
なぜ面白いのかを言語化できなくちゃいけない。
作品相手にそういうことをやってると、
自然と物事を構造化する力が強化される気がする。
ヒースクリフ
新訳版だからかわからんけれども、
そんなに悪人という印象は持たなかったな。
どちらかというと不器用な人のイメージが強い。
結局抱えた感情の表現の仕方がわからなくてああなっちゃう感じ。
今回は光文社の古典新訳シリーズだったけど、
他のバージョンも読んでみたくなったな。まぁ、ちょっとヘビーだけど。
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