ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

結果を出している超有能マーケターの入門書。すごい人だ! 森岡毅/USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

USJの業績をV字回復させた仕掛け人、それがCMOの森岡氏。
P&Gのマーケターがマーケティングの大切さやその思考法の重要性を、
自身の体験を踏まえてまとめたのが本書。

自身の体験に根ざしているところがリアリティがあり、
アカデミックな理論をまとめただけの教科書とは一線を画している。

別に教科書が悪いという話ではなくて、森岡さんもそういった理論もたくさん学んで、実践し、
失敗も成功も繰り返してきたんだろうな、というのはこの本を読むとよくわかる。
その上で、今ご自身の血肉となっているエッセンスをまとめて書いたのだろうと思うので、
そこに書かれていることは実に凝縮された純度の高いものが揃っている。

これがもう、実務家としては絶対に避けて通れない王道って感じではあるのだが、
その王道をしっかりと抑えている人というのは稀なのだとも思う。

正直、自分にはまだまだできていないことが多すぎると痛感し、凹んだりもするのだが、
裏を返せばまだまだできることは多いということでもある。
少なくとも森岡さんのように信念を持って語れることを自分の中にも増やしていこうとは思った。

その為には理論の復習や定着も必要なんだろうし、もっと高速に思考と試行を繰り返さないといけないとも感じる。



パーチェス・フローと各ドライバー

パーチェス・フローというのは消費者が認知してから購入し、
さらに再購入に達していく、購入に至る流れのこと。

ターゲットとなる消費者の母数に対しての認知率や購入率のかけあわせで考え、
それぞれのドライバーがどの程度の数字を目指せるのかを考える。
上昇させやすく、インパクトの高い数字はどこか、
そこに資源を集中させるという意味でも自覚しておくことが必要。


経営資源はいつも足りない

選択と集中。言葉は誰でも知っているくらいだけど、真の意味でこれを考えられる人は少ないということ。
この言葉って都合よく飛び交っていることが多い気がする。
森岡さんが言う「選ぶことで足りるようにする」というのがとてもわかりやすい。
それを選んだことで何が足りて、可能になるのか。
それは何のために?というまさに「目的」が明確じゃないといけない。

余談だけど、本書に書いてあった日本語の「目標」という言葉はTargetとGoal、
両方の意味があるから要注意というお話が結構なるほどって感じでした。

経営資源は常に足りないのです。私がUSJに入ったときも足りなかったですが、V字回復した今も足りません。もちろん使える絶対額は大きくなっていますが、図体が大きくなってくると必要な出費もどんどんかさんでくるわけです。
経営資源が足りない中で目的を達成するためには、限られた貴重な経営資源をどれだけ無駄なく有効に使うのか、考えて考え抜くことが必要になります。考え抜いて選ぶのです。選ぶことで足りるようにするのです。その選択こそが戦略です。
P.98

意思決定プロセス

MBAで経営者の仕事は意思決定と教わり、自分の会社には経営者不在だな、と思っていたのだけど、
そんな会社は割とたくさんあるというか、日本の企業の体質なのですね。

それでも普通の会社はもう少しちゃんとしているもんだと思っていたけど・・・。

根回し前提の企画は中地半端なものになる必然がある。
関係各所の合意が取りやすい八方美人な企画になりがちで、
そこには消費者主導の視点は無いから。

上司や他部署の顔色うかがって企画考えてもしょうがないって話だね。

大手日本企業で働く関係者達が異口同音に言っていますが、会社の重要な意思決定に関して、誰がどこで決めているのかよくわからないそうです。社長や会長が決めているのではないの?と突っ込むと、最終的にはトップが承認した形はとるけれども、実際には幹部やその下だけでなく横も含めたコンセンサスを整えた後の稟議をトップが追認するケースが多いとのこと。
P.191

本書でも触れられている新刊が

この本が出た当時次に出る予定の本として紹介されていた
より具体的な手法を紹介する本が先日発売された。

数学といわれると少し尻込みしてしまうのだけど、
そんなこと言ってると時代に取り残されそうなので、
ちゃんと学びたい。