オライリーの本て、著者の名前があまり立っていないよね、あくまでもオライリーの本、っていうブランディング。
そんなことはさておき、カスタマージャーニーマップやサービスブループリントなど、
主要なマッピング手法をまとめて解説してくれる実務家向けの本。
具体的なマップが多数掲載されているので自分がマップを作る際にイメージしやすいはず。
マッピングエクスペリエンス ―カスタマージャーニー、サービスブループリント、その他ダイアグラムから価値を創る
- 作者: James Kalbach,武舎広幸,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2018/01/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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座席のデザインとマッピング
IDEOが電車の座席ので事案を依頼された時のこと。
列車の旅の全体をマッピングしてみたら、全体は10ステップあり、
8番目のステップになってはじめてようやく列車の座席に座るということがわかった。
つまり、7番目までのステップはどれも素晴らしいインタラクションを生み出すチャンスだ、との結論を下した。
座席のデザインのみに焦点を当てていたら見逃していたであろうチャンスなんだ、と。
この事例は非常に示唆に富んでいる。
なんのためにいけてる座席をデザインするのかといえば、
顧客の乗車体験をより豊かなものにするためだろう。
であるならば問題は座席のデザインだけではなく、
席に座るまでの工程のすべてが顧客の満足に繋がっていなければいけない。
逆にいえば、それだけ満足度を高めるチャンスが存在しているということ。
そのチャンスを見極めるのだよ。
カスタマージャーニーマップ
色々なマップがある中でカスタマージャーニーマップのポイントとしては、
「決定的瞬間や満足感など、個人の認知、感情面に焦点を当てる」ってところにある。
単なる経験の羅列でなく、顧客のパーセプションを整理するんだよね。
パーセプションがすべて。
顧客のパーセプションのas is を整理してto be も可視化するツールなんだよね。
サービスブループリントは舞台裏のサービス提供の構造を詳細に示すもので、
個人の経験を深く掘り下げるものではない。
部門間のインタラクションなど、構造や仕組みの可視化。ワークフローの整理に最適。
セグウェイは顧客を何にしたのか?
その商品やサービスを使うと顧客は何になれるのか?
それが好ましいものでなければ顧客はついてこない。
笑ったのはセグウェイの事例。
セグウェイに乗ると顧客は何になれるのか?→スクーターに乗った変人
マクドナルドの超特大スーパーサイズは?→不健康になれる。
これじゃ成功しないってバッサリ言ってるんだけど、あまりにも救いがなくて笑える。
意思決定モデルの変化
顧客の購買に関する意思決定は、円形のモデルに変化してきている。
検討から購入、購入後の体験がロイヤリティを高め次の意思決定に影響を与える。
円環のようにこのサイクルがループするモデル。
いわゆるコンバージョンファネルと言われるような漏斗状のモデルではないのだ、と。
マッピングエクスペリエンス ―カスタマージャーニー、サービスブループリント、その他ダイアグラムから価値を創る
- 作者: James Kalbach,武舎広幸,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2018/01/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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