ビジネス書大好きMBAホルダーが教える私の学びシェア

本を読んでそこから新しい知識を得たり、学んだりすることが大好き。学びたい、成長したいという意欲のあるビジネスマンの皆さん、一緒に成長しましょう。

売る前提で買うという消費行動を喚起した日本発のユニコーン企業のルポ 奥平和行/メルカリ

日本のスタートアップ史上稀に見るユニコーン企業となったメルカリのルポ。
試行錯誤と紆余曲折が語られているけれど、本当はもっとジェットコースターみたいだったんだろうな。

メルカリという名称はラテン語で市場を意味するってのも本書を読んで初めて知ったんだけど、
こういうトリビアは好物だったりする。

それと、本書を読んで本当にグローバルで勝負しようとしているんだという決意を改めて強く感じた。
頑張ってほしい!


メルカリ  希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

世界一周

創業者の山田さん、ウノウが買収されてその後退職してから、世界一周旅行に行っている。
本書によると、世界一周旅行に強い代理店があるらしい。

あー、自分も行ってみたいなぁ、と素朴に思ってしまった。

そしてググってみたら、、、、結構ある。
そして見てたら行きたくなってしまった。

世界一周堂
https://www.sekai1.co.jp/

メルカリ山田進太郎コースとかあったら面白いね。

そういえば本書でも触れられているけれど、
山田さんはずっとブログを書いていたそうな。
調べてみたら今でも書いてる。

suadd.com

Twitterはこちら。

twitter.com


メルカリが変えたもの

「再販を前提にきれいに使ったり、購入時のタグを捨てずにとっておいたりといった行動が広がってきた。『どう利用するか』『どう廃棄するか』が重要になり、常識が変わるかもしれない」
P.8

とにかく手軽にものが売れる。不要なものが現金化できる。
売る前提で買う、という消費行動が増えてきているということ。

自分もなんか売ってみようかな。

高田馬場 コットンクラブ

共同創業者の富島さんを山田さんが口説いた店として本書に登場!
なんどもいったことのある店が突然舞台になっていると面食らうね。

カフェ コットンクラブ 高田馬場
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-17-14 陽栄高田馬場ビル B1~2F
2,000円(平均)1,000円(ランチ平均)

シリコンバレームラ社会

シリコンバレーは開放的なイメージを持たれがちだが、完全な「コネ社会」「ムラ社会」だ。有益な情報、優れた人材に出会うためにはインサイダーにならなければいけない。
P.185

実は閉鎖的。
福満しげゆき的に言うならばコネコネ社会である。

いや、でもそれって合理的なんだよね。
信用している人の紹介ほど確実なものはない。

紹介された人は紹介してくれた人の信用を背負っている。
何かあればその人の顔を潰すことになるから下手なことはできないし、
下手をすればそんな奴とは思わなかったと自分がぶった切られる。
それが信用の世界。

わざわざ紹介してもらえるのは信用してもらってるから。
逆もまた然り。
信用している相手に対して自分ができることなら力になってあげたい。

でも信用を失うと、そう言うルートが閉ざされる。
信用を失うのは一瞬なので、気をつけないとね。。


メルカリ  希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

一見無駄に見える一定の不確実性も抱えておくことは、1周回って合理的なことなのだ。 佐藤航陽/未来予測の技法

タップスの社長佐藤航陽の著作。
『お金2.0』の影に隠れてあまり目立たないけれど、
こちらもコンパクトでわかりやすい良書。

国家の概念も揺さぶられる

国境を越えていく超巨大な多国籍企業や、
ビットコインなどの非中央集権的、分散型管理の通貨などが出てくると、
国家の概念自体が揺さぶられてくる。
社会課題も民間でどんどん解決されていき、資金の流動性もどんどん高まっている。
やりたいことがある人は資金をどんどん集めやすい社会になってきている。

銀行に借りずとも、ベンチャーキャピタルなどの投資の枠組みもあるし、
クラウドファンディングなどで自ら調達する道もできた。

そうなってくると国の役割って??
すでにAmazonから徴税できない問題とかも起きているし、
国の力が及ばない領域は出始めてる。

未来予測の難しさ

「飛行機の実現までには百万年から一千万年はかかるだろう」
ニューヨーク・タイムズがこの記事を掲載してわずか数週間後、ライト兄弟は人類で初めて空を飛び、この予測を覆しました。
P.44

人が未来を見誤る典型的な事例だけど、派手に見誤っていて、現代から見ると滑稽なケース。
当時の人でさえ、このずれを笑ったそうだが、笑った人々もまた宇宙船の実現は夢のまた夢だと思っていたという。
それくらい、未来の予測は難しい。
しかも、現代はインターネットによって情報と資本の流動性が一気に高まり、
信じられないくらいのスピードで社会が変化していっている。

いかに現代が変化の早い時代かはフリードマンの『遅刻してくれてありがとう』でも
冒頭から非常に強調されていた事実だ。

digima.hatenablog.jp


ただ、その一方で、人の行動、意思決定は俯瞰してみると、
びっくりするくらい似通っている部分もある。
データを分析していくといくつかのパターンで認識されてしまうほど。

なので分析→パターンを認識→寄せていく、というやり方で
やりながら自ら変化していくことがビジネスでは有効。

合理性vs 不確実性

広告配信の最適化を例に、人によるマニュアルの運用とシステムによる最適化のどちらが
優れた成果を出すかという話は、非常に面白い。
というか、実際自分たちもやってきた道なので象徴的なエピソードであり、かつ、真実だな、と思った。

システムは膨大なデータから人では予測し得ないパターンを見つけ出し、最適化していく。
それは短期間ではシステム優位の成果を出す。
ただ、次第に効率はよくても母数が取れなくなってくる。
そして長期的には再び人が逆転するという結果に。

「最適」な配信しかしないことを突き詰めていくと、配信対象の母数が減っていくのだ。
顕在化したニーズの中で確度の高いものは見極められても、
需要自体を喚起するような行動はとれないということ。

というわけで、あまりにも短期的な合理化や最適化を進めると、
いかに危険かというお話。

「今」に最適化しすぎる思考は事業を滅ぼす。
一見無駄に見える一定の不確実性も抱えておくことは、1周回って合理的なことなのだ。

当時のノルマ必達、生き馬の目を抜く野村の営業スタイルが覗き見できて超面白い。 横尾宣政/野村證券 第2事業法人部

オリンパス粉飾事件で逮捕された著者が、
実名で記した手記。

オリンパス粉飾事件に関する部分の真偽はわからんが、
まだネット証券がなかった時代の猛烈な仕事ぶりが赤裸々に語られている。

いやー、ほんとまともな神経してたら務まらんね。

野村證券第2事業法人部

野村證券第2事業法人部

推奨銘柄は本部指示でノルマ必達

本部からこれを売れと言われたら、売る。
とにかく営業して買ってもらう。
結果的にそれでお客が得するか、損するかは関係ない。
あと、いくらこれを買わせる、あるのはそのノルマのみ、って感じ。

個人で数億円運用してたって歯牙にもかけられない。

野村は手数料商売でとにかく売買してくれないと儲からない。
このコミッションを得るために細かな値動きで売買させまくる。
同じ銘柄を買ったり売ったり、買ったり、売ったり、
そんなことしてても手数料で野村が儲かるだけだと顧客がクレームをつけても、
出来高作るのが大事なんだと一喝されたりしたらしい。

顧客へ発送された運用報告書を顧客の郵便ポストの前で待ち受け、
顧客の手に渡らないように破り捨てる、とかもただただ苦笑いしかない。
(↑記載されている損失が気づかれないようにw)

そんなはちゃめちゃな世界がのぞき見できるのはめちゃくちゃ面白い。

後半は裁判絡みの話が多くてつまらん。
でも前半は最高の回想録だね。

野村證券第2事業法人部

野村證券第2事業法人部

ファクトリエのまともさにむしろアパレル業界の異常さが際立つ 山田敏夫/ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

ファクトリエの山田さんの本を引き続き。

黒子として表に出ることのなかった工場との連携、
価格も工場に決めさせ、セールなし。

それも全て、日本発の真のブランドを作りたいから。
ヨーロッパのブランドは職人に支えられている。
でも日本の工場の地位は低い。

その構造から変えたいと奮闘しているのがファクトリエだ。

日本のアパレルがどんどんつまらなくなってきている昨今、
こういう企業は応援したくなる。

山田さん自身はファッションウォーカーで働いていたことがあるらしいというのも驚き。

本書は山田さんの思いがつまっている。
言ってること、やってることはすごく真っ当なんだよね。
ファクトリエのまともさにむしろアパレル業界の異常さが際立つ印象。

ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

行動だけは自分で決められる

ウォーレン・バフェット氏の投資先を決める基準が書かれていました。彼が判断を下す基準は、「自分で決めたことをやる人間か」というたった一つなのだそうです。
P.33


出典がなんなのかはわからないけれど、自分との約束を守るというのはシンプルだがとても難しいこと。
でも基本中の基本でもある。強い意志と行動力、やりきる力。
最終的には行動が全てなんだよなぁ。行動しなくては何も変わらん。


アパレル業界の実態

皆さんは、Tシャツを1枚つくるのに、2720リットルの水が必要だとご存知でしょうか?
P.156

あらゆる業界で2番目に水を使うのがアパレル業界で世界の排水量の20%はアパレル産業らしい。

今、日本には年間27億点の服が供給されています。一方で年間消費点数は13億点。
P.159

実に半分以上が余剰在庫。
どう考えても業界全体で供給過多。
セール販売と廃棄を前提とした流通になってしまっている。
これはどう考えても業界の構造がおかしい。


ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

アパレル業界は変われるのか・・・ファクトリエの試みに期待。 山本典正・山田敏夫/メイドインジャパンを僕らが世界へ

日本酒界のホープ、平和酒造の山本さんとアパレル界のベンチャー、ファクトリエの山田さんの対談。

お互いの共通点は、メイドインジャパンの真のブランドを作り、世界へ届けること。

ファクトリエの山田さんは思いで突っ走ってる感じがすごい。
アパレル生産の国産比率は3%、国内の工場は次々に潰れている中、
真のブランドを作ろうと立ち上がる。

が、工場を巡り直談判しても門前払いされることも多かったという。
アパレル業界でこのチャレンジはすごい。

メイドインジャパンをぼくらが世界へ

メイドインジャパンをぼくらが世界へ


*ファクトリエと工場の取引
半分は一旦工場が在庫リスクをもつ仕組み。
黒子に徹してきた工場に自分たちで自分たちの商品を売る、という意識を持って欲しいという試みでもあるらしい。

作るのは最低ロットでいいと言っています。工場にあまりリスクを負わせたくないということがあるからです。彼らにしても、自分たちのブランドで売れるかどうか心配じゃないですか。だから、三十枚でも、極端な話、十枚でもいい。そのうちの半分をぼくらが買い取るということです。
P.142

結局ファクトリエ側の在庫が売り切れれば、余った工場の在庫は引き取るらしいので工場側のリスクは少なめ。
ちゃんと工場に儲けが残る値付けをしてもらい、胸を張って勧められる商品を作ってもらう。
セールはしない、正価で売り切る。

歪みきったアパレル業界の中で、非常にまともなビジネスを始めてる。
周りが歪んでいる分、正しさが際立つし、成功して欲しい。


職人の立場

フランスに行ったときに職人、例えばワインの作り手、料理人、手工業に携る方たちは、アーティスト扱いなんですよ。ものづくりをする人たちに、フランス国家最優秀職人章(MOF)という日本でいう人間国宝みたいなものがどんどん与えられていて、MOFの職人たちを国民がスターのように思っていて、いろいろなところからひっぱりだこという状況があるんですね。
P.179

日本の人間国宝はあげるのが遅すぎるきらいがある。
もっといろんな分野でさっさとあげて、スターにしたほうがいい。
後継者がいないで職人の技術が失われるなんてちょっと国の損失なんじゃないの。
ビジネスとして成立しないものは淘汰されるべき?
いやいやいや、成立するような仕組みを整えてあげることも大切なのではと思う部分はある。
なんか文化を育てることが苦手なのかな、とすら思う、この国は。

メイドインジャパンをぼくらが世界へ

メイドインジャパンをぼくらが世界へ

このネタは、毎年ウォッチし続けて欲しいし、3年くらいのスパンでこうやって本にして欲しい。 スコット・ギャロウェイ/GAFA 四騎士が創り変えた世界

世界の覇権を握るといっても過言ではないグローバル超巨大企業。
Google, Apple, facebook, amazonの頭文字をとってGAFA(ガーファ)。

この圧倒的な巨大企業を前に、どうすりゃええのん?という話。

かなり話題になっていて、売れているようなのだけど、
個人的にはそこまでハマらなかった。

なぜかといえば、基本的にネガティブなんだよね、この人。
状況に対して悲観的だし、GAFAに対しても否定的。

ただ、健全な批判だとも思う。

まぁ確かに巨大すぎる企業のデメリットはあると思うのだが、
それでも自分はこの4企業のこれまでとこれからにワクワクしているし、
期待もしているということなんだろうな。

読んでみてかえって自分はGAFAに対して思ったよりも肯定的なんだなということに気づけた。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

メモ的なもの

アマゾン・プライムはアメリカにおいて銃よりも普及している!

全米の世帯の44%に銃があり、55%にアマゾン・プライムがある。
P.33

他にもファクトは色々面白い、読んで色々考えるのが良いと思われ。

これまで読んだGAFA関連書籍をまとめてみたら、facebookの本が無かった。

digima.hatenablog.jp

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the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

10年後、動画に関してIPTという概念を明示した古典として語られる名著なんじゃないかな。明石ガクト/動画2.0

来るべき動画の世界の最前線を走っている明石ガクトの著作。
もともとadtech九州でお話聞いて面白いなーと思ってたところで著作が出たので迷わず購入。

そもそも映像と動画は違うっていう話が素晴らしかった。
それは情報の密度が違うということ。
彼はこの本ではそれをIPT(Information per time)と表現している。
時間あたりの情報の密度、だ。

動画はその密度が圧倒的に濃い。
動画になれた子供たちがテレビを退屈に感じるというのも
すべてIPTの問題。

IPTが薄いコンテンツを、若年層は忌避する。この流れは、何も映像に限った話ではなくて音楽や雑誌、漫画、あらゆるところで発生している現象だ。
P.73

ここまで明確に定義してくれるととてもわかりやすい。

そして明石さん自身がクリエイターであるからなのか、
とにかく語りがうまい。
彼自身がストーリーテラーなのだ。

動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)

動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)

アフォーダンス理論

「ガラスが割られるのは、そもそもガラスが割られたがっているように見えるからだ」という内容で、目に見えるものは何らかの行動を喚起させるシグナルを送っている、という理論。
P.8

良いデザインはこれと矛盾しないようにできているわけ。
むしろよりわかりやすくシグナルを増強しているとも言える。
それがデザイン。

その辺に関しては、『誰のためのデザイン?』が超良書。
デザインする人で読んでない人は信用ならんくらい古典的名著。

digima.hatenablog.jp

目に見えるものがすべからくシグナルを発しているのだとすれば、
人もまた同じであろう。

人のシグナルを読み解くことは物事を円滑に進める助けになるだろうし、
自らがどのようなシグナルを発しているように見えるのかを自覚することは有意義。

この場合、自分がどのように見えるのかが重要。
自分がどうしたいか、どのように見られたいか、何を発しているつもりか、ではなく、
意志と見え方のギャップに自覚的であれと思う。
マーケティング的にはパーセプションが全てだから。
どのように受け取られるか、それがすべて。


Me at the zoo

You Tubeに初めてあげられた動画。
あげたのはジョード・カリム、You Tube創業メンバー。


Me at the zoo


大勢で観る?一人で観る?

シネマトグラフとキネトスコープ、デバイスの特性がこれからのコンテンツにどんな影響を生むのか考えてみよう。
シネマトグラフ方式の「大勢で観る」という指向性と、キネトスコープ方式の「一人で観る」という指向性の違いが最も重要なポイントになってくる。
「大勢で観る」ことはつまり、皆で同じものを見て盛り上がれるようなコンテンツと相性がいい。(中略)
一人で楽しむメディアとして、忘れてはならないのがラジオの存在だ。「テレビの前のみなさん」とアナウンサーが表現する一方で、ラジオのパーソナリティは「ラジオの前のあなた」と表現する。
エジソン的回帰時代のコンテンツは「あなた」のためであって「みなさん」のためではない。
P.95

スマートフォンという画面で楽しむコンテンツは一人で観るもの。だからコミュニケーションの質がラジオ的なものが良いというお話。
これは真理だと思うし、こんな素晴らしいことをしれっと教えてくれるなんてとても素晴らしいことだ。
本質的にパーソナルなコミュニケーションなんだね。

Instagramのフィルター

こういう雑学的な情報かつ複数の課題を解決するアイデア、大好物なんだよね。

Instagramで写真をUPする時にかけるフィルターは写真のデータを軽くするという目的がきっかけで考案されたアイデアだ。個性的なフィルターをかけることで、画質が多少落ちてもわからない状態になる。それにより、サーバにあげる写真のデータを圧縮することができた。
P.99

ユーザーが喜ぶサービス(自分が撮った写真の見栄えを良くしたい)でもあり、事業者側の課題の解決(最新のスマホの画像データがでかいから少しでも圧縮したい)にもなっている、こういうお互いの課題をいっぺんに解決してしまうのがアイデアの力だと思う。
強いアイデアは複数の課題を解決する。

昔、ある人が主人公とは何か?という話をしてくれたことがある。
A or Bを選ばなければいけない状況の中で、Cという選択肢を提示できるのが主人公。
これもアイデアの話に通じるものがあるんだよね。


コンテンツとメディア

コンテンツが積み上がって、日々コミュニケーションが生まれて、そうやって初めて視聴者や読者が付いてくる。メディアになりたかったけど、そのためにはコンテンツ量が大事だということに気づいた時には、会社のキャッシュがなくなりかけていた。僕らは食いつなぐために受託で動画制作の仕事をやることにした。
P.178

こんなに成功しているように見える人たちも、とんでもなく苦労して、努力している。
きっとこれからますます成功して行くんだろうけど、潰れかかってたなんて想像つかないんだろうな。
皆、見えないところでもがき、努力している。

さて、
コンテンツ制作とメディアになることは別物なんだよな、と常々思っている。
そしてコンテンツは作っただけでは流通しない。
YouTubeというプラットフォームは流通プラットフォームデアはあるが、
コンテンツは生まれた瞬間、無数のコンテンツに埋もれる。
砂漠の中の砂つぶの1つ。
メディアになるということはユーザーにコンテンツを流通させる力を持つこと。
両方できると最強だけど、クリエイターとしてコンテンツ制作とメディア運営はまた別物だから、
両立はとんでもなく難しいと思うのだけど、真のメディアとは制作能力とセットになっている。

NewsPicksもキュレーションだけではなく、オリジナルのコンテンツを急拡大させて初めて真のメディアになった気がする。
今や落ち目だけど、昔は雑誌もコンテンツとデリバリーの両方を兼ね備えていた。
今は出版流通という既存のデリバリー構造がぶっ壊れているイメージ。

いや、しかし本当に動画に関する考察やノウハウをここまで開示している本は無いと思う。
10年後、IPTという概念を明示した古典として語られる名著なんじゃないかな。

動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)

動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)