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異業種からの参入者との戦いは、そもそも競争のルールが違う戦い。 内田和成/異業種競争戦略

同じ業界の中での戦いだけでなく、
想像だにしなかった異業種からの参入、競争が
至る所で起こっている。
こういった異業種競争にフォーカスした1冊。

事例に古さを感じる部分はあるけれど、
問題意識は今なお有効だと思うし、これからも益々起きてくるのではないか。

異業種競争戦略

異業種競争戦略


業種業界が違うから戦い方が違う

TSUBAKIのコマーシャルを覚えているでしょうか。旬の女優たちを6人そろえ、音楽はSMAP、「これがシャンプーの宣伝なのか」と驚くような豪華なものでした。つまり、化粧品型のコストのかかるマーケティングを、トイレタリー型のシャンプーという商品でやったのです。
P.40

自分の業界の常識は隣の業界の非常識、ってことは往々にして良くあること。
で、異業種からの参入の面白さと怖さは、まさにその点にある。
前提としている勝負のルール自体が違うのだ。
このTSUBAKIの事例も化粧品型マーケティングを
トイレタリー型の商材でやったと言われるとなるほど納得。

有料雑誌は記事が売り物ですから、記事を読んでもらいたい。しかし、フリーペーパーは、広告主を満足させることが目的ですから、記事はおまけで広告が売り物です。そういう意味では、広告料で稼ぐフリーペーパーと、購読料で稼ぐ雑誌とでは、おのずと戦い方、すなわちビジネスモデルも違ってきます。
P.42

でも雑誌の実態は、今やほとんどの雑誌が広告で稼ぐモデル。
そういう意味ではより直接的にフリーペーパーの登場でダメージを受けている気がする。


結局市場が飽和しているから新たな戦いが起きる。

成長しない業界で企業が成長するには、「競争相手をつぶす」といった選択肢もあります。しかし、競争相手も黙っていないでしょうから、そう簡単な話ではありません。となると、「新しい事業をはじめる」あるいは「新しい市場に進出する」ことを考えるのではないでしょうか。たとえば、海外市場に進出するなどといった方法です。しかし、このとき、新たに手がけた事業も、あるいは新たに進出した市場も、すでに他社が手がけている事業や市場である場合がほとんどです。
P.48-P.49

結局、それまでの自分の業界、自分の市場が飽和すると、
成長機会を求めて、外へ出て行く。
その時に異業種競争が起きる、という話。
確かに、自分たちのコアコンピタンスを活かして、
違う市場に打って出ると言うのは今後も益々ありそうな話。


競争のルールが異なる

事業連鎖には7つのボックス(要素)がありますが、このうち、絶対になくてはならないのは「ミュージシャン」と「消費者」だけです。そのあいだにある要素は手段であり、レコードでもCDでも音楽配信でも何でもよいのです。「音楽を聴きたい」という消費者のニーズが大前提であって、音楽をどこで手に入れたいのか、どのようにして聴きたいのかといった消費者目線で企業は考えなければなりません。
P.63

事業連鎖を整理した時、それぞれがどうなるかを考える。
ある部分は省略されてしまうかもしれないし、何かに代替されてしまうかもしれない。
自社が抑えるべき所はどこなのか、あるいはどこで生き残りをかけるのかが重要な問題。

これまでの競争では、競争相手が同じ業界のなかにいたので、手のうちはだいたいわかっていました。工場の規模や社員の質、社員の給料、年齢構成もだいたい似ていますし、コスト構造もあまり違いはありませんでした。たとえば、トヨタと日産を比べても、シェアや車種構成が違うくらいで、コスト構造はそれほど大きな違いはありません。ところが、異業種格闘技になると、予期せぬ相手が出現します。まったく異なる世界からやってきたプレーヤーはコスト構造も大きく異なります。
P.82

攻める側、守る側ともに、ルールが違う戦い。

異業種競争戦略

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