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調査時に発生するバイアスとか理解してないと、定量調査は誤解を生む! 辻中俊樹、櫻井光行/マーケティングの嘘 団塊シニアと子育てママの真実

団塊シニアと子育てママの真実」というサブタイトルにある通り、
その2つのセグメントを調査した結果わかった面白い事例を示しつつ、
定量調査の難しさとか、実態を把握することの難しさを示す本。

たぶん、両方のセグメントに関して、当事者だったり、
身近にいたりすると、特に新鮮ではないと思う。

でも、両方詳しいって人はまれだと思うので、
たいていの人は面白がれるはず。

そして意外と、自分が知ってるリアルな実態って、
調査からあぶりだすのは難しいものなんだなってのもわかる。

マーケティングの嘘: 団塊シニアと子育てママの真実 (新潮新書)

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定量調査やアンケートの難しさ

コトバは社会の中で共通概念になるべき「指示的」な意味を持っている。
あるコトバを聞いて、誰もが同じモノやコトを思い浮かべる場合である。
一方、個人はそのコトバに対して解釈をしたりイメージをしたりして、「自己表出的」な思いやモヤモヤとした感じを持つ。
したがって、コトバの持つ指示的な意味の概念と、生活の実態の中でのコトバの多様性と不明確さをしっかり把握する必要がある。
こうした前提を踏まえていない定量調査の回答は、「不正確」なものであると言わざるをえない。
P.24

コトバの定義とか、ニュアンスをアンケートから拾い上げるのは本当に難しい。
アンケート調査の難しさ、そこからどれだけバイアスを取り除くかってのは、すごく難しい問題。
典型的なのは、意識する、しないに関わらず、回答者が嘘をついてしまうこと。

定量調査がダメな二つ目の理由は、定量調査の対象者は嘘をつくことである。
『「社会調査」のウソ』(谷岡一郎著)という本によれば、選挙前に行なわれる調査では、毎度のように七割前後の大が「必ず投票に行く」と答え、「なるべく行く」を含めれば九割程度が投票に行く計算になるが、実際に投票に行った人の割合は、「必ず行く」と答えた人の割合より二割ばかり下回っているのが実情だという。
P.25

自分の実態ではなく、あるべき姿を答えてしまったり、
自分の回答の整合性を取るために、後の質問の回答をしてしまったり・・・

ちょうどビジネススクールでもこの手の話があって、
マーケティングリサーチのことを本格的に学ぼうかしら、と思って見つけたのが
マルホトラさん。
結局高いし、入手しづらいしでほしいものリストに入れたままにしてるけど。

マーケティング・リサーチの理論と実践 理論編

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  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本
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マーケティング・リサーチの理論と実践―技術編

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面白メモ

コーヒーとの接点、男女で違うって話は面白かった。
うちの場合はあまりそういう感じはしないけれど、それは共働きだからだろうか??

簡単にいえば若い時にコーヒーというものにエントリーする確率が大きく減ったということである。
若者のコーヒー離れである。
とりわけ男性で強い。
通常、二五年間にわたりエントリー期にこれだけコーヒー離れを起こしていけば、その余波で二五~二九歳の時期でもコーヒー離れが加速するはずなのである。
ところが、男性ではその傾向がみうけられるものの、女性ではまったくそれがない。
つまり、出産、子育てというライフステージの転換が、コーヒーの飲用の習慣化を促しているといえる。
P.83

いや、たんにうちの嫁さんがコーヒー好きじゃないだけかもしれない・・・。
そしてシニアの家がダウンサイズしない理由もすごく納得。

シニア夫婦二人の生活の実態やニーズは、明らかに「シングルミックス」なのである。
シングルの生活を確保しつつ、共有化できるところだけをミックスするというスタイル、シングルミックス=ミングル」だ。
三世代連鎖という新たな家族の拡大期を抱えたシニアにとっては、ミングルスタイルに加えて、孫たちが安全に楽しめ、娘たちも集えるような、さらに複合的な空間機能を必要としている。
これではさらに、ダウンサイズなどしようがない。
P.118

子供や孫が遊びに来ることを考えるとダウンサイズせずに、
住み続ける、それって子供たち側からのニーズもあるし、
元気なうちはそうなるんだろうなぁ。

総じてこういった話は、行動観察の本を依然読んでいたのですんなり理解できた。
なので、こちらの本もお勧め。

digima.hatenablog.jp


マーケティングの嘘: 団塊シニアと子育てママの真実 (新潮新書)

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