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デジタルマーケティング界隈の人は必読。プライベートDMPの構築は今すぐ始める価値がある。 横山隆治・菅原健一・草野隆史/DMP入門 顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム

前作の『DSP/RTB入門』がすこぶる良書だったので、次が出ると知って予約していた。
今回もすこぶる良質な本、デジタルマーケティング界隈の人は必読書。

今回のテーマは前著でも軽く触れられていたDMP=Data Management Platformがテーマ。
ビッグデータと言うバズワードに世の中が踊らされている感があるけれど、
データを活用する時代になることだけは間違いない。
じゃあそのデータをどう管理するのか?
サイト解析のデータと顧客の購買データ、
SNSなど色々な種類のデータを統合して管理したほうが、
データの価値は飛躍的に高まる。

データ統合分析サーバ的なものがDMP、
今、まさに構築しようとしている所なので非情に参考になった。
ただ、この本と同じ視座で見通せている人はかなり少ない印象。
日々学び、具体的な絵を描き続ける必要があるだろうな。

顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門 (NextPublishing)

顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門 (NextPublishing)



デジタルマーケティングとは

マスマーケティングの規模感でワントゥワンマーケティングができる時代。
デジタルマーケティングが向かう方向は間違いなくそっちだろうと思う。
どうやって1人1人に出し分けるのかと言うと、1人1人の顧客のデータに基づいて、
分析、予測した結果を出し分けていく形になるだろう。
じゃあ、その1人1人の顧客データってなんだ?

実は新しいデータをたくさん取ろうとしなくても、
今までのデータを統合管理するだけで、
データの価値は増大する。

わかりやすい例では、GoogleAnalyticsやSiteCatalystのサイト解析データと、
実際の顧客の購買データや属性情報が一元管理できていない例は多い。
「買ってる/買ってない」のCRMはできていても、
「サイトに来てる/来てない」と「買ってる/買ってない」の
掛け合わせができている人は少ない。そこから得られるものはでかいはずなんだけど。


データは繋がることで価値が増大する

ここで思い出したいのが、国領二郎『ソーシャルな資本主義』が強調されていた、
データのつながりが価値を生む、と言う考え方。
今あるデータを統合管理して、それぞれのデータを繋げるだけで、
既存データの価値は増大する。
ビッグデータとか言われているけれど、
まずはその目の前にあるものを活用する所から始めた方が良い。


ビッグデータの価値密度は低い

ビッグデータってのは1つ1つのデータは価値密度が低すぎる。
大量に集めて回したらなんか出るかも、みたいなデータ達。
サーバーのログとかセンサーのログとか。
こっちに行く前に、価値密度の高いデータを取得する方法を考えることが先だろ、と思う。
その上で今まであったものと一緒に管理すること。
そのデータ管理用のプラットフォームがDMP!
そりゃ非情に重要だよな、と思う。


広告主と広告会社で微妙に違ってくる

企業が自前で構築するプライベートDMPは、
自社のCRM戦略に活かすだけでなく、そのデータを用いた広告配信、
入札を行うことでプライベートDSPみたいなこともできるようになる。
メディア企業はプライベートSSPとして媒体価値を上げていくことも可能。
また、取得したデータを広告会社のDMPと連携して外販、
自社データに基づくDSP配信を他者に可能にさせると言った構想も。

広告会社のDMPはとにかくDSPのオーディエンス拡張の制度を高められる。
誰に配信したいのか、そのセグメントの切り方が精緻、多様にできる、ということ。

実はこの両者にはDMPの位置づけが微妙に異なっていて、
本書はそこも丁寧に説明してくれている。

これが残念ながらまだ理解されていないことが多い気がする。
先日某DSP事業者の営業の話を聞いたけど、
プライベートDMP的なサービスとその事業者全体としてのDMPとの話が
整理されていなくて、かなり違和感を感じた。
でも、現状はそんなもん。


というわけで、メディアは早くやった方が良いよ

メディア企業は独自のDMP構築を急いだ方が良い。
価値密度の高いデータを蓄積することを念頭に置いてね。

顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門 (NextPublishing)

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